ソーシャルゲームの世界において、ゲームマーケターが打つべき手は多い。しかし手段は多様化する一方、効果の期待できる手法は多くない。そうしたなか、TikTok For Businessは事前登録からリリース後まで、一貫してサポートする体制を整備。ゲームマーケティング領域における、新たな定石の構築を目指している。
無数のタイトルがひしめく、ソーシャルゲームの世界。そこで、ユーザーを獲得するためには、事前登録からゲーム実況まで、ゲームマーケターが打つべき手は多い。
実際問題、モバイルでの動画視聴が日常化したことで、ゲームプロモーションの可能性は広がったようにも思える。だが、人気タイトルを持たない中小のソーシャルゲームの場合は、動画を使っても思うように再生数が伸びず、期待していた成果をあげられないことが少なくない。一般的に、動画メディアの再生アルゴリズムが検索数に基づいているためだ。
しかし、TikTokであればゲームの知名度に関係なく認知が高まる可能性があると、TikTok For Business Japanでシニアブランドストラテジストを務める駒﨑誠一郎氏は提唱する。「TikTokはどのような動画にも人の目に触れるチャンスがある。動画が面白ければ拡散し、おすすめフィードにも流れ、さらに拡散していく可能性がある」。
さらに、「どのようにユーザーにダウンロードしてもらうか」という点も、ゲームマーケターにとっては大きな課題だ。しかし、TikTokでクライアント・パートナー・セールスを担当する酒井直人氏によると、このショートムービープラットフォームでは、事前登録の段階からマーケターを手厚くサポートする一連の仕組みを整えているという。
TikTok For Business Japanは6月3日、ソーシャルゲームの専門メディアであるSocial Game Infoと、オンラインセミナー「TikTok For Business | SocialGameInfo ゲームマーケティング徹底攻略」を共催。ソーシャルゲームのマーケティングを手がける株式会社MOTTO代表取締役の佐藤基氏をファシリテーターに迎え、ゲームユーザーから多くの支持を集めるゲーム実況者のMaro氏、そしてTikTok For Business Japanのスタッフとともに、TikTokを活用したゲームマーケティングの可能性について語りあった。
ソーシャルゲーマーと重なるTikTokユーザー
グローバルでダウンロードランキング1位、総ダウンロード数20億(米国調査会社SensorTowerのデータによる)を超えながら、いまだ成長を続けているTikTok。その規模感はまさに世界最大級だ。このTikTokについて、ファシリテーターの佐藤氏がぶつけた疑問が、「TikTokはゲームマーケティングに使えるのか?」ということだ。音楽や飲料といった分野での成功事例は蓄積されているものの、ゲームマーケティングの文脈ではあまり聞かれない。「主要なユーザーは、経済的にさほど余裕のないティーン層が多いようにも感じる」。
そもそもソーシャルゲームはダウンロード数ではなく、ユーザーの継続利用による課金を収益源とするビジネスモデルだ。そのため、経済的な余裕のある年齢層のユーザー数が多いことが必須条件となる。駒﨑氏は「TikTokはミドル世代の男性、あるいは主婦にも、新しい情報を手に入れる場として利用されている。彼らは新しいものが好きで、情報発信にも積極的だ」と指摘する。
駒﨑氏が提示したデータによると、TikTokの男性ユーザーは確かに10代から20代前半が多いものの、20代後半〜40代前半も、少なくない割合で存在している。デモグラフィックデータで見る限りで、経済的に余裕のある年齢層が多いといえる。さらに「興味・関心」という軸で分析すると、40%近いユーザーが「スマホゲーム」に興味があり、また同程度のユーザーが「趣味や娯楽を深めること」に支出をすると回答している。

30~40代の男性TikTokユーザーはゲームへの出資を惜しまない
これらのデータから、TikTokユーザーには課金を期待できる層が一定数存在することが予想できる。駒﨑氏は、実際にその予想を証明するようなデータも示している。それによると、30代~40代の男性TikTokユーザーの中で、過去1カ月以内にゲームアプリを使ったユーザーは約75%。さらに50%以上のユーザーは課金体験があるという。つまり、ユーザーデータのうえでは、TikTokは十分にゲームマーケティングに使えることを示しているのだ。

30〜40代男性はそもそもアプリゲームへの興味関心も高い
ほかの動画メディアと異なるTikTokの特性
続いて佐藤氏が呈した疑問は、TikTokユーザーが広告やゲームの動画を見るのか、という点だ。「マーケターからすると、自分たちのゲームに振り向いてもらわなくてはいけない。その点で言うと、ゲームの動画は見られていないのではないかという心配がある」。
それを受けて駒﨑氏は、TikTokの人気カテゴリーTOP10にゲーム動画が入っていることを示し、こう続ける。「ここ3カ月のデータだが、再生数上位20位までのゲーム動画については73億回再生され、142万件の投稿があった」。

TikTok上でも根強い人気を持つゲーム動画
この上位20位までのランキングで特徴的なのが、必ずしもユーザー数が多いゲームや売上がトップのゲームが、再生数上位になっていないことだ。この点について、駒﨑氏は個人的な見解としつつ、次のように推測している。「まず初見で楽しめる動画になっているか、いわゆる『動画映え』するものか。そのような動画は再生数が伸びやすい傾向にある」。タイトルの認知がそれほど高くはないゲームであっても、動画が面白ければ再生数の伸びが期待できる。ここはゲームマーケティングにおいて、TikTokを活用する強い動機となるだろう。
また、もうひとつ駒﨑氏が指摘するのが、ファンマーケティングが成立するゲームは伸びるという点だ。ソーシャルゲームは、長期に渡ってユーザーに利用と課金を続けてもらう前提でビジネスが成り立っている。そのためには、ゲームのポテンシャルを維持していく必要があるが、そこでユーザー同士のコミュニケーションが果たす役割は大きい。
「キャラクターが複数登場し、自分の『推し』についてほかのユーザーと語り合えるゲームは、コメント欄でファン同士がつながりあい、コミュニティが形成されている。ほかのソーシャルメディアでは、このようなコミュニケーションはほとんど見られない」。
メディアを「共存」させる重要性
では、TikTokを含め林立するソーシャルメディアを、ゲームマーケターはいかに利用すべきなのか。人気ゲーム実況者のMaro氏は、メディアは「共存」して活用するべきだと主張する。同氏は他プラットフォームだけでなく、もっと多くの人に実況を見てもらうためにTikTokにも動画をアップしたところ、自分の他プラットフォーム上でのチャンネル登録者数が2倍以上になったという。
Maro氏は、次のように説明する。「他の動画配信プラットフォームは外部プラットフォームからの流入を歓迎している。そのため、外部から流入のあった動画はバズりやすく、チャンネル登録者数の増加にも直結する。そして、その外部プラットフォームの中心にいるのがTikTokだ」。そもそも、ソーシャルメディアはそれぞれ性格の異なるものであり、ひとつを利用するより、Maro氏のように、TikTokと複数のものを組み合わせて相乗効果を狙っていくほうが効果は高い。
では、TikTokでバズを起こす動画には何が必要か。Maro氏は、最も心がけていることとして「共通認識」というキーワードをあげた。これは、ゲーム動画と認知度の高いコンテンツを組み合わせることで、ゲームを知らないTikTokユーザーにもアプローチするという考え方だ。たとえば、あるゲームタイトルをアピールしたいものの、そのゲームの認知度が低い場合、ゲームの動画だけでは再生数が伸びない恐れがある。その場合、誰もが知っているアニメコンテンツの要素などを動画に取り入れることで、アニメをフックにしてゲーム動画を訴求することができる、ということだ。
そしてもうひとつ、Maro氏が強調するのが「ゲームへの熱量」だ。「動画の再生数も大切だが、大事なのはゲームをどれだけ楽しんでいるかということ。それは視聴しているユーザーに伝わり、結果、ダウンロードにも影響を与える」。

Maro氏はプラットフォームの特性を見極め、熱量を持って配信することがポイントになると指摘
リリース前からダウンロードまでサポート
ゲームマーケティングを制するためには、ゲーム実況者や一般ユーザーによるオーガニックな投稿だけではなく、効果的なプロモーション施策も重要だ。運用型広告配信プラットフォーム「TikTok For Business」が、その新たな取組みとして提供するプロダクトが「TikTokゲーム事前登録」だ。ゲームのマーケティングで事前登録は非常に重要だが、特に課題となるのは登録したユーザーにいかにダウンロードまで完了してもらうか。つまり、転換率をどのように高めるかということだ。その点TikTokゲーム事前登録であれば、リリース時にダウンロードを促すことで転換率も期待でき、そのほかの既存プロダクトと組み合わせれば、アフターフォローで広告を配信することもできる。

事前登録からリリース後まで、一貫してサポートする体制が構築されている
さらに「TikTok For Business」は、日本国内8000万DAUという実績のあるゲーム専門のモバイル広告配信プラットフォーム、Pangle(パングル)も運用している。昨年の広告出稿費は約7倍に成長、80%以上のゲームディベロッパーがPangleを導入しているなど、2019年7月の日本公式リリースから好調な伸びを見せている。メディアと広告の両面で、ゲームマーケターをサポートする仕組みが整っているといえるだろう。

マネタイズ戦略のポイントを押さえたサービスが提供されている
TikTokはゲームマーケティングの領域において後発になるが、だからこそ進化の余地も大きく、その可能性に期待する声が広がりつつある。
ファシリテーターの佐藤氏は、次のように語りセミナーを締めくくった。「かつてゲームマーケティングの世界では、『○○があったから、これはヒットした』と言われるような事例がいくつもあった。しかし、ここ数年ゲームマーケティングの世界にはこれといった進化がなく、停滞感があったのも事実。TikTokは、新しい成功事例を生む『何か』になり得ると思う。いずれ『TikTokがあったからこのゲームはヒットした』と評価されるようになるだろう」。
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Written by DIGIDAY Brand STUDIO(滝口雅志)
Image by Shutterstock