媒体社と買い手は、なぜ ヘッダー入札 の簡素化をめざすか?

ザンダー(Xandr)社で製品管理部門のディレクターを務めるトム・レヴェック氏による寄稿です。

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「プレビッド(事前入札)」は、もっとも有名なヘッダー入札ソリューションだ。プレビッドは、もともとはウェブディスプレイ広告の技術のひとつに過ぎなかった。しかし、ここ数年、プログラマティック広告の仕組みが普及するにつれ、プレビッドがネイティブ広告をはじめ、動画、アプリ、コネクテッドTVなど、さまざまな広告媒体に使用されるようになり、その存在が急速に顕著になっている。一方でこれらの新しい流れの台頭により、ヘッダー入札はいまや時代遅れの用語となった。

ここで述べたいのは、プレビッドの真の価値は、ヘッダー入札であるか否かにかかわらず、公正で透明性の高いユニファイドオークションをサポートする機能にある、ということである。

セラーにはユニファイドオークション技術が不可欠となった現在、フォーマットの数に対して、同数のラッパーの導入が必要となるため、プレビッドの採用が相次いでいる。進化はさらに進み、広告主や代理店などのバイサイドから簡素化を求める声が高まっている。その声をかなえるべく、プラットフォームレベルで対応し、パブリッシャーの負担を軽減するサーバーサイドのプレビッドソリューションが、いまや登場している。

パブリッシャーも、急増するラッパーフォーマットに対応

プレビッドの最大の優位性は、オープンソースであり、かつコミュニティドリブンな構造だが、一部のセラー広告にとっては、それが障害となる。プレビッドの持つオープンソースの特質は透明性や拡張性につながるが、それは同時にパブリッシャー自身がイニシアティブを取る、またはテクノロジーパートナーを見つけなければならないことを意味する。

この問題を重視した一部のパブリッシャーは、独自のラッパーを導入するようになる。彼らは、プレビッドおよびそのオープン性の高い特徴を評価しているものの、それを管理する専門知識は不足しているからだ。

しかし、独自仕様のラッパーの採用にも課題が山積する。たとえば勘定の算出方法と支払い方法の間に技術的な相違が生じ、これがバイヤーとセラーの取引を複雑困難にし、障害となっている。またラッパーのなかには、特定のデマンドを除外するタイプもある。この問題は、独自仕様のラッパーがオークションに統合するサードパーティアダプターを開発または更新していない場合に発生する。

複数のラッパーを同時に実行すると、状況はさらに悪化する。オークションでは特定のデマンドや、内容の異なる複数のショットに対応しなければならないため、ほとんどパブリッシャーはプレビッド、AmazonのTAM、そしてGoogleのオープンビッディング(Open Bidding)を同時に実行してきた。

その結果DSPは、1回あたり、SSPにラッパー数を掛けた数のインプレッションリクエストを受信することになる。当然DSPコミュニティの不満は高まり、パブリッシャーとSSPは、重複したリクエストを遮断する一方で、フォーマットごとに単一のラッパーを選択することを余儀なくされた。しかし、これは非常に合理的な判断で、オープンビッディングへの参加を辞退する正当な理由にもなる。この業界の行く末は、いずれ時代が評価するだろうが、多くのパブリッシャーが主要ラッパーとしてプレビッドを選択すると考えられる。

プレビッドサーバーにおけるフォーマットおよび手順の簡素化により、モバイルおよびコネクトッドTVでの導入がよりスムーズに

今後、プレビッドはより簡易に、そしてさらにユビキタスな仕様になるだろう。ヘッダー入札普及の早い段階で、すでにサーバー・トゥ・サーバー接続には「未来」があると言われていた。ユーザーのデバイスではなく、サーバー上でオークションをすることで、理論的にはサーバーサイドのヘッダー入札技術による新しい環境下のユニファイドオークションの開催が可能になり、レイテンシーを短縮、そしてユーザーエクスペリエンスを向上させることができる。

ただし、この手法には3つの問題がある。パブリッシャーはクライアントサイドのように簡単に実行できない。また、参加する入札者も限られ、かつ新たにユーザーマッチレイヤーも必要になり、収益が減少する。 しかし今日、技術の向上により、これらの課題もほぼ解決した。

プレビッドサーバーの機能拡張により、これらのサーバーサイドの問題に対する解決方法が提示された。60社にのぼる入札パートナーの存在が、デマンドはもはや懸念事項ではないことを意味している。また、新しいIDソリューション(共通IDソリューション)によりサードパーティのCookieが廃止され、プレビッドサーバーが追加のユーザーマッチレイヤーに依存する必要がなくなった。Cookie同様、ユーザーIDの機能に対するプレビッドサーバーの優位性・利便性はさらに拡大する。そしてモバイルアプリケーションやコネクテッドTVでの「ヘッダー」入札も可能になる。

以上の理由から、プレビッドサーバーはユニファイドオークションの未来となると言えるだろう。現在、大手プロバイダーはプレビッドサーバーと自社テクノロジーをつなげるソリューション開発に投資し、コアのオープンソースラッパーの利便性を維持しつつ、セラー広告においても容易にサーバーサイドでのヘッダー入札を実行できる環境作りに取り組んでいる。たとえば、ザンダー社のプレビッド・サーバー・プレミアムは、シンプルなサーバーサイドヘッダー入札を、あらゆるフォーマットやチャネルのパブリッシャーに提供することを可能にしている。現在Prebid.jsを利用しているパブリッシャーは、プレビッド・サーバー・プレミアムへのアップグレードも簡単に行うことができる。

最後に

何年にもわたるプレビッドへの投資が実を結び、Prebid.orgのメンバーコミュニティは45社まで拡大した。

サーバーのエクスペリエンスの最適化に取り組むなかで、テレビコンテンツの制作者やディストリビューターがプレビッドを活用し、ビジネスの最適化につなげる方法を、我々は常に模索して来た。「セラーにはさらなる利益を、あらゆる分野のバイヤーにはさらに便利な在庫へのアクセスを」。今後もプレビッドベースのユニファイドオークションは、この志の基に構築されていくだろう。

プレビッドに興味をお持ちの方(特にパブリッシャーに所属の方)は、以下のリンクにアクセスしPrebid.orgメンバー企業への参加を、是非検討してほしい。http://prebid.org/partners/partners.html

Sponsored by Xandr(原文 / 訳:SI Japan)