TikTokやインスタグラムのフィードでユーザーが目にするものを決定するにあたって、AIによるアルゴリズムの活用が増加するなか、ブランドはエンゲージメント獲得のためにエンターテインメント主導にならざるを得なくなっている。
TikTokでは、エンターテインメント性の高いコンテンツが売上牽引に成功していることはよく知られているが、ダッシュハドソン(Dash Hudson)の新しいレポートでは、インスタグラムでも同様の相関関係があることが示されている。その大部分はインスタグラムのリールによるものだ。このインサイトは、ダッシュハドソンによる2022年7月1日から2022年12月31日までのブランド売上とソーシャルデータの分析に基づいている。ダッシュハドソンでは、TikTokとインスタグラムのリールのエンゲージメント率とリテンション率を元に計算されたエンターテインメント・スコアを作成した。ブランドは1〜10のスコアで評価され、10がもっともエンターテインメント性が高い。上位5つの美容ブランドは、フローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills)、ラネージュ(Laneige)、ツリーハット(Tree Hut)、タッチャ(Tatcha)、カイリー・コスメティックス(Kylie Cosmetics)だった。エンターテインメント・スコアが高いほど売上成長率も高く、これら5ブランドはそれぞれ前年比100%の売上成長率を記録している。売上データはニールセンIQ(NielsenIQ)のシンジケーテッドオムニショッパー(Syndicated Omnishopper)のデータベースから提供されたものである。平均して、エンターテインメント・スコア5以上のブランドは、5未満のブランドよりも、両プラットフォームで13%高い売上成長率を記録した。
親しみやすさがブランド全体と消費者とのつながりを促進
ダッシュハドソンのCMO、ケイト・ケナー・アーチボルド氏は、特にラネージュのリップ製品のマーケティングが「絶好調」である点を強調した。「あらゆる場所で大成功」だという。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
TikTokやインスタグラムのフィードでユーザーが目にするものを決定するにあたって、AIによるアルゴリズムの活用が増加するなか、ブランドはエンゲージメント獲得のためにエンターテインメント主導にならざるを得なくなっている。
TikTokでは、エンターテインメント性の高いコンテンツが売上牽引に成功していることはよく知られているが、ダッシュハドソン(Dash Hudson)の新しいレポートでは、インスタグラムでも同様の相関関係があることが示されている。その大部分はインスタグラムのリールによるものだ。このインサイトは、ダッシュハドソンによる2022年7月1日から2022年12月31日までのブランド売上とソーシャルデータの分析に基づいている。ダッシュハドソンでは、TikTokとインスタグラムのリールのエンゲージメント率とリテンション率を元に計算されたエンターテインメント・スコアを作成した。ブランドは1〜10のスコアで評価され、10がもっともエンターテインメント性が高い。上位5つの美容ブランドは、フローレンス・バイ・ミルズ(Florence by Mills)、ラネージュ(Laneige)、ツリーハット(Tree Hut)、タッチャ(Tatcha)、カイリー・コスメティックス(Kylie Cosmetics)だった。エンターテインメント・スコアが高いほど売上成長率も高く、これら5ブランドはそれぞれ前年比100%の売上成長率を記録している。売上データはニールセンIQ(NielsenIQ)のシンジケーテッドオムニショッパー(Syndicated Omnishopper)のデータベースから提供されたものである。平均して、エンターテインメント・スコア5以上のブランドは、5未満のブランドよりも、両プラットフォームで13%高い売上成長率を記録した。
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親しみやすさがブランド全体と消費者とのつながりを促進
ダッシュハドソンのCMO、ケイト・ケナー・アーチボルド氏は、特にラネージュのリップ製品のマーケティングが「絶好調」である点を強調した。「あらゆる場所で大成功」だという。
Glossyの以前報じたところによると、Kビューティのブランドであるラネージュは2014年に米国のターゲット(Target)にてローンチした当初は苦戦を強いられた。だが、その後、2017年にプレミアム小売店のセフォラ(Sephora)に移ってからは、確かな足場を築いている。2019年頃には、当時のセフォラとJCペニー(JCPenney)との提携を利用し、ストーリーテリングスタイルのマーケティングに力を入れてオーバーナイトリップマスクで睡眠カテゴリーを独占、セフォラで売上No.1のKビューティブランドとなった。34万3000人以上のフォロワーがいるTikTokでは、プライムデーなどの販売イベントのプロモーションやアリックス・アール氏といったインフルエンサーとの投稿とともに、キュートでふざけた感じのコメディスタイルの動画を紹介している。
また、ケナー・アーチボルド氏はタッチャのランキングについて、創業14年のブランドがインスタグラム創設前にローンチされたレガシーであることを踏まえて独自性があると評価した。タッチャのTikTokとインスタグラム・リールの動画は、落ち着いたアプローチでコンテンツを制作し、一貫して高い視聴率を獲得している。2002年創業のツリーハットもまた別のレガシーブランドだが、TikTokでの普及率と絶大な人気からは、そうとはわからない。同ブランドのTikTokフォロワー数は120万人だ。製品を紹介する落ち着いた動画を頻繁に投稿しているほか、人気のTikTok動画や音声ミームを使った楽しい雰囲気の投稿もたまに行っている。
「オーディエンスへの語りかけ方が非常に信頼できる。まるで友達に話しかけるような感じ」とケナー・アーチボルドは言う。「それがTikTokで重要な点のひとつだ。すべてのブランドがそれを実行できるわけではなく、また実行するつもりもないが、その親しみやすさがブランド全体と消費者とのつながりを促進するのに役立っている」。
フローレンス・バイ・ミルズとカイリー・コスメティックスはセレブリティが創業者であるため、つねに高いブランドの認知度とレレバンスを提供しており、いずれもTikTokではそれぞれ330万人と350万人のフォロワー数を誇る。両ブランドはともにローファイな音楽ビートをフィーチャーしつつ、創業者が製品のデモンストレーションを行ったり、カメラに向かっておもしろい瞬間を披露したりすることが多い。
オンライン顧客コミュニティの構築が重要に
ダッシュハドソンのレポートでは、サマー・フライデーズ(Summer Friday)とコトリー(Coterie)がオンライン顧客コミュニティの発展に成功したことも紹介されている。かつてのような直線的なタイムラインではなく、アルゴリズムがユーザーの見るものを左右するケースが多くなっているため、コミュニティの開発はこれまで以上に重要になっている。2023年第1四半期、Meta(メタ)は、Facebookのコンテンツの20%以上、インスタグラムのフィードの40%がAIによってリコメンドされていると報告した。これは1年前にくらべてほぼ倍である。
ダッシュハドソンのグローバル・コミュニケーション&イベントディレクターのジリアン・ロビンソン氏は、「オーディエンスはすでに(インフルエンサーの)マリアンナ・ヒューイット氏(サマー・フライデーの創業者)とつながっていると感じているので、そこにはパラソーシャルな関係性(面識のない著名人に親しみを抱くこと)が存在している」と語った。「同ブランドはコメント欄での実際のやりとりよりも、ダイレクトメッセージでのやりとりを多く目にしている」。
[原文:Laneige and Tree Hut dominate in creating entertaining content]
EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)