シンディ・クロフォード氏を母に持つスーパーモデル、カイア・ガーバー氏。20歳になる彼女はYSLビューティの顔であり、1月に発表される予定の同ブランドの新製品の顔でもある。そんなガーバー氏にインスタグラム上で印象に残ったポストや好きな映画、母親のクローゼットから盗んだという最高のものについて話を聞いた。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy+」の記事です。
カイア・ガーバー氏にはスーパーモデルの血が流れている、なにせ彼女はシンディ・クロフォード氏の娘なのだ。20歳になるガーバー氏は(母親に瓜二つである)、YSLビューティ(YSL Beauty)の顔であり、1月に発表される予定の同ブランドの新製品の顔でもある。彼女は自分の仕事を愛しているが、同時に仕事に対して並外れたユーモアのセンスも持ち合わせている。そんなガーバー氏にインタビューを行い、インスタグラム上で印象に残ったポストや好きな映画、母親のクローゼットから盗んだという最高のものについて話を聞いた。
ーーモデルになりたいと思ったのはいつ?
興味があると気づいた正確な時期については、ちゃんと覚えていない。幼い頃から母がモデルをしていることは知っていたが、それが仕事だというのはわかってなかった。だって思うに、誰もが時々自分の写真を撮るから……。だけど、初めてショーに出るようになって、ファッションの芸術的な面や、世界中の人たちが集結することに夢中になった。これがみんなの架け橋になるような気持ちになった。
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ーー仕事に関して、お母さんからもらった最高のアドバイスは?
常に時間を守ること。これは才能でもあり、呪いでもある。なぜなら、いまでは自分が一番時間に正確な人間だから。何が起ころうが関係なく、私は時間を守るだろう。
ーーそれはとてもいいことだと思う。あなたは朝型人間?
これはどの仕事にも当てはまると思う。そう、私は朝型で、とても早く起床する。
ーーYSLと仕事をするようになったきっかけは?
トム(YSLビューティのグローバルビューティディレクターであるトム・ペシュー氏)とは、ショーやさまざまな撮影の際によく一緒に仕事をしていて、いつも本当に彼を高く評価してきたし、彼のメイクアップのやり方も好きだった。ショーに出る際、ひとつのルックを選んで、それをみんなにただメイクだけということ(がよくあること)に気づいた。でもメイクアップは非常に個人的なものだと思う。トムと一緒に仕事をして気づいたのは、彼はメイクアップがまるでその人のためだけにデザインされたかのように、いつも一人ひとりが特別な存在だと感じられるようにしてくれるということ。だから、私がYSLと仕事を始めたとき、それはまた私たちの関係をさらに発展させることでもあった。いまでは3年ほど一緒に仕事をしているが、YSLとともに進化することができている。自分がとても尊敬しているクールなブランドとともに成長しているように感じている。
ーーもし無人島に行ったとして、それがなくては生きていけないというメイクアップアイテムは何?
YSLのラディアントタッチ(Touche Éclat)。これは何百万回でも言う。バッグの中に何も入れるスペースがなくても、これだけは入れる。私の命の恩人みたいなもの。とても気に入ってる。
ーー長年にわたってトムから教わったことは?
トムはメイクの前後に、とても上手にフェイスマッサージをしてくれる。多くの人はメイクをし終わったら、「もう誰も何も私に触らないで」という気分になる。でもトムはいつもメイクの後に手を入れて、少しだけ顔になじませるようにして、ちょっと寝ちゃったような、どこか生活感がある感じにする。そうすることでかなり生き生きした雰囲気になるんだと思う。だから私もそれを自分のルーティンに取り入れている。
ーーセルフケアのためにしていることは?
アンダーアイパッチがある意味、一番のお気に入り。あるいはどの種類でも構わないけどフェイスローラー。ちょっと恥ずかしいけどミニ冷蔵庫に入れてある。だけどこれはプレゼントでもらったもので、悪い感じはしない。本当にとても気持ちがよくて何時間でもやっていられる。
ーー最近使い終わったスキンケア製品は?
ラネージュ(Laneige)のリップスリーピングマスク(Lip Sleeping Mask)。とてもよかった。私の場合、とくに冬は唇がかなり乾燥するから。
ーーでは、ソーシャルメディアに関する短い質問を連続で。まず、最後にフォローした人は誰?
エミリア・ジョーンズ氏。公開されたばかりの映画『コーダ あいのうた(Coda)』に出演している、すばらしい女優。
ーー最後に保存した投稿は?
うーん。間違いなくたしかに何かのミームだったけど……あ、そうそう、あれは引用だった。今日(12月9日)はジョン・カサヴェテス氏の誕生日で、クライテリオン(Criterion)が彼の写真に、愛に関する彼のすてきな言葉を引用して投稿していた。それをある人に送った。
ーーソーシャル上で親友にしたい人は?
(物真似で有名なコメディアンで女優の)セレステ・バーバー氏!
ーーそれは意外でおもしろい
本当に彼女に親友になってほしい。母が彼女に会ったみたいで、すごくうらやましい。
ーーセレステ・バーバー氏に真似されたことがある?
ある。最近もあったし、過去にも何度かあると思う。ちょうどこの前もひとつあった。母がその動画を私に送ってきて、「やだ、ほんとにやってる、うそみたい」ってなった。思わずスマホを落としちゃって、周りにいたみんなが「何、どうしたの? 何? 何?」って。で、私は「えっと、セレステ・バーバー氏が私をネタにしたんだけど、これはまさに私が望んでたこと」と答えた。彼女のやってることは大好き。自虐的だけど基本をしっかり押さえてる。多くの人は普通ファッションやインスタグラムにでは完璧であることに執着してるのに、彼女はびっくりするほどそうした雰囲気を一変させる。セレステ・バーバー氏は、そういうあらゆることからとにかく離れるための方法みたいなもの。
ーー最後に自分のために保存した投稿は何?
おそらくレシピみたいなもの。あ、そうだ、それもクライテリオンの投稿だった。
ーー映画は好き?
私はかなりの映画好き。『孤独な場所で(In a Lonely Place)』の女優グロリア・グレアム氏が好き。
ーーもっとも好きな映画は?
その質問はとてもむずかしい。最近観たなかでは間違いなく『カモン・カモン(C’mon C’mon)』がベスト。すばらしい見事な作品だったと思うし、みんなも観るべき。オールタイムベストは、選ぶのは不可能だと思う。ジーナ・ローランズ氏やジョン・カサベテス氏も本当に好きなので『オープニング・ナイト(Opening Night)』かな。『こわれゆく女(A Woman Under the Influence)』も完璧な映画で、完璧な演技だと思う。この調子でずっと話していられる。
ーー母親から盗んだ一番いいものは何?
母がずっと持っていたアライア(Alaia)のレザーコート。たしか私が14歳のときだったと思うけど、ある日、母に貸してほしいと頼んで、それっきり母がそのコートを目にすることは二度となかった。とてもよいコートで、縫製もかなりしっかりしてる。そして今では以前にも増して特別なものになっている。
――今の自分の生活を表現していると感じるミームはある?
それを聞いてくれてうれしい。まさにそういうミームがある。切り傷の写真に「深刻な不安」と書いてある。その傷口に誰かがバンドエイドを貼って「that’s just showbiz baby(それがショービジネスさ、ベイビー)」と書いた。たぶん必要以上に何度もこのミームを見返している。
ーー休日にやりたいことは?
本を一気に読む時間がほしい。
ーーそれはどの本?
買ったばかりの『The Body Keeps the Score』という本。ずっと読みたいと思っていた。
ーー最後にインスタグラムの広告を見て買ったものは?
母が料理の役に立つからと言って時々キッチン用品を時々送ってくれるので、ノンフライヤーとか調理器具だったと思う。
[原文:In The DMs with supermodel Kaia Gerber]
SARA SPRUCH-FEINER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)