顧客とマーケターにとって、今年のホリデーシーズン最大のショッピングチャネルのひとつとしてトップに躍り出たのがTikTokだ。Glossyの調査では、回答者の約60%が、今年のホリデーマーケティングプランにおいてTikTokの重要性が増していると回答している。
この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。
顧客とマーケターにとって、今年のホリデーシーズン最大のショッピングチャネルのひとつとしてトップに躍り出たのがTikTokだ。
TikTokは、2020年にZ世代に好まれるソーシャルプラットフォームとして有名になってからというもの、ビューティにおいても圧倒的な力を持つようになった。最近のGlossyの記事でもTikTokがGoogleの今年のトップトレンドの美容検索を独占しており、人気のハッシュタグ#TikTokMadeMeBuyでは、MACコスメティックス(MAC Cosmetics)、グロシエ(Glossier)、ビルケンシュトック(Birkenstock)、エルエルビーン(L.L.Bean)への支持が目立つ。GlossyとModern Retailが75のブランドの従業員を対象に行った調査では、71%が2022年にTikTokをマーケティングチャネルとして活用したと回答、オンラインディスプレイ広告とYouTubeやピンタレスト(Pinterest)といった「他のソーシャルプラットフォーム」の中間に位置する人気となっている。
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今年、ほとんどのブランドがTikTokを活用している
2020年から2021年にかけて、このプラットフォームへのブランドの参入は新しいものだったが、いまでは何らかの方法でブランドのプレゼンスを示すことが当然のこととなっている。かつては、ニックス・コスメティックス(NYX Cosmetics)による2020年のハッシュタグチャレンジキャンペーンの事例のような、テントポールとなるマーケティングキャンペーンがTikTokの戦略を支配していた。だが、時が経つにつれ、大きく派手な瞬間を狙うことから常時接続の戦略へと変化している。その例がクリニーク(Clinique)だ。10月、同社はインフルエンサーのコホートである「C-Suite」をデビュー、少なくとも9カ月間にわたり、クリニーク製品にスポットライトを当てた数百本の動画を制作する。
回答者の約60%が、今年のホリデーマーケティングプランにおいてTikTokの重要性が増していると回答している。比較していえば、54%の回答者がインスタグラム(Instagram)について、そして44%の回答者がインフルエンサーについても同様のことを述べている。
ホリデー期間中にTikTokの重要性はますます高まるだろう
TikTokでは、ブランドはこれまでとは違う方法で、より簡単にインフルエンサーと連携できるようになった。
たとえばTikTokは、ブランドがバイラリティ促進のために無報酬のコンテンツを増幅できるよう「スパークアド(Spark Ads)」機能を提供している。グロシエは6月、ユーザーの @bitcoin_papi がフレグランスのグロシエ・ユー(Glossier You)を身にまとった際の熱い反応について語る投稿をシェアした際、この機能を活用している。その投稿には50万を超える「いいね!」がついた。グロシエは、スパークアドのその投稿にD2Cサイトへつながる購入リンクボタンを追加した。このフォーマットを使って、インフルエンサーの @lyssieloolooが @bitcoin_papi のバイラル投稿に言及した投稿をみずからブーストしている。
ブランドは人気のTikTokフォーマットをホリデーマーケティングに活用している
さらに回答者の55%がホリデーシーズンの主要なマーケティング戦術としてギフトガイドを挙げており、それに対し開封動画は40%、買った商品をレビューするホール動画は17%となっている。化粧品ブランドのトゥーフェイスド(Too Faced)はこの機会を利用して、従来のギフトガイドの代わりにギフトガイドとブランド体験があわさった形態として、顧客向けのコンシェルジュサービスを製作した。11月1日から12月30日まで、トゥーフェイスドはホリデー向け新製品のローンチとギフトのアイデアを最大週に3回、テキストで顧客に知らせる。また、誰のために買い物をするのかを尋ねることによって、消費者との会話も始める予定だ。トゥーフェイスドは、最初にSMSに登録してもらうための割引コードの提供は行わない。その代わり、フォロワー数100万人のTikTokと1280万人のインスタグラムの公式アカウントによるプロモーションに重点を置く予定だ。
[原文:Glossy+ Research: Brands are prioritizing TikTok marketing for the holidays]
EMMA SANDLER(翻訳:Maya Kishida 編集:山岸祐加子)