メディア・マーケティング業界の幹部が語る、2020年の決意

2020年もメディア・マーケティング業界には、きっと激動が待っている。

米DIGIDAYでは、広告とメディア部門のトップエグゼクティブたちが、今年一年に業界が何を達成していて欲しいと思っているか、そして個人的な目標は何か、を聞いた。

以下に、6人の意見をまとめてある。

アナ・ミリセヴィック氏

デジタル・アドバイザリーファーム
スパロー・アドバイザーズ(Sparrow Advisers)
共同ファウンダー

ーー2020年、コンサルタント業界における、あなたの新年の決心とは何か

自分がどのような人物が自覚し、覚悟と自信を持って振舞うこと:コンサルティング企業のいくつかが行ってきた買収の結果、彼らは競争相手であるホールディング企業の様相を呈している。自分が抱える問題の種類にどのような人物を配置するのが良いのか知っていることは重要だ。そしてクライアント側でもただコンサルタントを雇うだけでは十分ではなく、適切なコンサルタントを雇うことが必要という理解が重要だ。埃をかぶったパワーポイントから、どんな問題にも対処できるアドバイスを何度も使い回しするのでは、もはや通用しない。

ーー個人的には2020年の決意は何か

ふたつの決意を持っている。2019年、私は6つの国際的なカンファレンスでの基調講演を行った。2020年も同じ数をキープしたい。個人的に非常に楽しめる仕事だし、今後その数を増やしたいと思っている。もうひとつの決意は、比較的退屈なものに思えるかもしれない。編み物をはじめた。編み物のパターンを解釈してデザインを作り上げる作業がソフトウェア開発とどれだけ似ているか、コンピューター科学者として、私は理解し、楽しむことができる。まったく新しい趣味を発見し、何か新しいことをゼロから学ぶプロセスを楽しんでいる。メディア業界の編み物愛好家の皆は、私に自作のパターンを送って欲しい!

マーク・エヴァンズ氏

英国保険会社ダイレクト・ライン・グループ(Direct Line Group)
マーケティング・デジタル部門マネージング・ディレクター

ーー2020年のマーケティング業界に対する、新年の決意は何か

多くの人にとって、長期的な視点での構築にフォーカスを置くことは自明だろう。役職について1年目の最高マーケティング責任者やシニア階級職と話をすると、特に組織自体がプロのマーケティング組織でない場合、最初の1年は短期的なインパクトと収益が重要となる。90%の時間をあれこれと試してマーケティングに正当性を得ようとするのだけれど、まさにその考えが、急降下から脱出する能力を損ねてしまう可能性がある。少しの運と、忍耐強さ、そして策略がないと、短期のサバイバル(・モード)を切り抜けることはできない。けれども長期を怠ってもいけない。それを言う人は大勢いるが、実際に何を意味しているかというと、早いうちから難しい話し合いをしておくことでマーケティングの土台を構築することだ。不注意に役員たちやシニア管理職たちを間違ったメトリックスに固執させてしまったマーケターは多く存在する。そこから切り返すのは非常に難しい。

ーー個人的な2020年の決意は何か

はじめてのマラソンを4月に走る。ずっとやりたいことリストに載せていたものだ。ちょうど6カ月前に執行委員会に昇進された。これは大きなコミットメントだ。なのできっと、このタイミングは最善とは言えないかもしれない。物事の分別やバランス感覚を失わないための避雷針のようなものだ。

ライアン・マッコンヴィル氏

NBCユニバーサル広告・パートナーシップ(NBCUniversal Advertising & Partnerships)
広告プラットフォーム・オペレーション部門エグゼクティブ・バイスプレジデント

ーーメディアにおける(パフォーマンス)測定法に関して、あなたの新年の決意は何か

これほど多くのプラットフォームにコンテンツが散らばっており、それぞれが異なるスタンダードを抱えているため、マーケターにとって広告費用が真にどれほどのインパクトを持ったか、測って他と正確に比べることは難しい。2020年、我々が「動画に関して総合的に」デリバリーとインパクトを理解できるようになるためには、インプレッション数の計測方法を異なるプラットフォームを横断する形で標準化することを業界が引き続き取り組んで欲しいと思う。業界初のプラットフォーム共通の統合広告メトリックであるCフライト(CFlight)を作ったが、それはこの方向性における第一歩をすでに踏み出した形だ。これはあらゆるプラッットフォームを通じてひとつのプラン、ひとつの通過、ひとつのギャランティを意味している。2020年以降、統合インプレッションをさらに越えて、業界共通のインパクト計測、そして最終的には投資利益率にまでたどり着きたい。従来のメトリックスを越えて、クライアントの広告がどれだけ人々に見られているかをもっとも包括的に表してくれる形を届けたい。

ーーあなた個人の新年の決意は何か

私は最初の子供が生まれたばかりの父親で、息子は3歳になったばかりだ。なので3歳児の癇癪や気分の移り変わりに対処する方法を学ぼうとしているところだ。これはアドテクなんかよりもずっと複雑な課題だ。

ショーン・リーグセッカー氏

アドテク企業
セントロ(Centro) CEO

ーー2020年、アドテク業界に関してのあなたの決意は何か

業界がプログラマティック単一に寄せている注目を引き剥がし、企業レベルでの自動化にフォーカスしはじめること。ファイナンス・サービス以外では、ここまでの急速な変化と破壊を経験していて、(アドテク)業界よりも複雑かつ難しい業界を見つけるのは難しいだろう。デジタルはますます複雑かつ高度になり、そんななかでブランドたちはエージェンシーへの支払いを減らし、デジタルを自社内で行おうとしている。そんななかでメディアエージェンシーたちは、彼らの業務のかなりの部分を自動化して、コストを減らし、利益率を維持せざるを得ないだろう。

ーーメディア業界に関する2020年、自分自身の決意は何か

我々の業界で働いている人々の精神的な、感情的な健康により多くの注意を払うこと。広告業界の平均的な労働者は溺れている。過度のストレスを抱え、クライアントもしくは彼らのマネージャーたちの期待に応えられていないと感じている。テクノロジーについて話す時間が大きすぎて、広告業界で働く人々の生活の質をどうやって改善できるかについて語る時間がまったく十分には残されていない。広告のテクノロジーは話すにはワクワクする楽しい物だけれども、それぞれの端末の後ろで働いている人々が幸せで健康でなければ、業界全体が苦しむことになる。

ターニャ・ブルックフィールド氏

クリエイティブ・エージェンシー
エルビス(Elvis) CEO

ーー2020年において、クリエイティブエージェンシー関連であなたの新年の決意は何か

引き続き人材に対する投資をすることと、人々の扱い方に関する業界水準を上げること。究極的には、我々は人なしには存在しない。

ーー2020年、最高マーケティング責任者やマーケティングリーダーたちに関する、あなたの決意は何か

私たちはクライアントが、予想もしなかった、忘れられないような内容の仕事を要求することを求めている。起用するエージェンシーに対して、もっとも高いレベルのクリエイティビティを要求し続けることをすべてのマーケティングリーダーたちに懇願するでしょう。そして、そのようなクリエイティビティが達成されたときは、その価値をはっきりと認めて欲しい。

ナターシャ・チャムルー氏

ウィートランスファー(WeTransfer)
グローバル広告セールス部門バイスプレジデント

ーー2020年、マーケティングリーダーたちに関するあなたの新年の決意は何か

クリエイティブな思考をし、より美しくインスピレーションを与えるような方法でブランドのビジョンに命を吹き込むこと。これを、私自身と、最高マーケティング責任者たち、マーケティングリーダーたちに対する2020年の課題として考えている。楽しく、インタラクティブで、ユーザーがエンゲージを持ってワクワクできるような広告を開発することで、業界全体を前進させたいと思う。それが音声、動画、デジタル広告であれ、2020年は我々のキャンペーンの前面において、マーケティングチームがクリエイティビティを発揮することができるユニークなチャンスがあるだろう。

ーーあなた個人の2020年の決意は何か

2020年には、私はもう一度メンターの役割を持とうと思う。自分が当たり前だと思って気にかけていなかった知識を人に共有し、彼ら自身が目標を達成し、強みを見つける助けとなることで、人々の成長を見ることは、とても素晴らしいことだ。

Lara O’Reilly(原文 / 訳:塚本 紺)