スキンケアのイオス、4倍にした「メディア予算」の内訳:その大半をデジタル動画に投資

イオス(Eos)が殻を破りはじめている。

卵型のパッケージに収まったリップバームで有名な、創業10年のスキンケアブランドであるイオス。同社がブランドの刷新を実現するため、対前年比でメディア向け予算を4倍にしている。さらに、その予算の大半をデジタル動画に投資することに加え、今回初めてOTT(オーバー・ザ・トップ)チャネルを利用したり、TikTok(ティックトック)を使用したキャンペーンも試したりする予定だ。

同時にイオスは、現在の製品ラインナップやパッケージデザイン、ブランドボイスを刷新する予定だ。イオスは、全般的に今後数カ月で新製品を40個発売し、製品ポートフォリオの品揃えを2倍にするという。ラディアント・インサイツ(Radiant Insights)によると、同社は、自然派リップケア製品の需要が大きく増えてきているなか、市場における競争の激化に対応するだけでなく、2016年に同ブランドの製品により発疹や水ぶくれができたと訴訟を起こされたことでブランドイメージが傷ついたこともあり、ブランドイメージの回復にも力を入れる予定だということだ。

「驚くほどの成長を遂げることができた。数年間、伸び続けた」と、イオスが市場に進出しはじめた年を振り返って、CMOであるソヨン・カン氏は言う。「ここ数年は、さらにひと皮むける成長局面であった。我々は、我々が大きなシェアを持っているカテゴリ、リップバームのカテゴリで現在も最上位にあるブランドだ。我々は、ほかのカテゴリにも進出し、それらのカテゴリでも既存概念を破壊した。特にシェービングクリームなどは、その代表的なカテゴリだ。しかし、この10年間は成長して(自分たちのストーリーを繰り返し語る)ことができた素晴らしい年月だった」。

ストーリーを語る必要

カンター(Kantar)によると、イオスのメディアへの投資額は、2017年の470万ドル(約4.9億円)から2018年には38万7000ドル(約4090万円)まで減少したということだ。ただし、ソーシャルプラットフォームに対する投資額は計算に入っていない。

「我々が今年ブランドを刷新しようとしていることからも、投資額が増えることは明らかだ」と、カン氏は言う。さらに、なぜイオスが自然原料を使用するようになったか、それらの製品にそういった材料を使用する利点(これはイオスがマーケティングにおいて常にアピールしていたことではないこと)について消費者に伝えたいと、イオスは考えていると付け加えた。「私たちはストーリーを語るためにメッセージを発信しているのではない。成長するためにストーリーを語る必要があったのだ」。

イオスはここ数年、ターゲットとしているオーディエンスであるZ世代やミレニアルが長い時間を費やすデジタルチャネルに、メディア予算の95%を投じている。「私たちの製品は、実際のところ、主にオフライン、つまり、実店舗で販売されており、それが今後も我々のビジネスの主体にはなるだろうが、消費者がいるところでメッセージを発信できると良いと考えている」と、カン氏は述べた。

イオスは今年、メディア予算の53%を投じて、YouTubeやそのほかのチャネルをはじめとする、さまざまな動画配信プラットフォームを含む、デジタルチャネルやカスタムコンテンツ制作のための提携や、Z世代やミレニアル世代の女性をターゲットにしたハイパーターゲットディスプレイ広告に力を入れる予定だ。また、この予算の13%は、ロク(Roku)やHulu(フールー)などのOTTに投じられる予定だという。イオスはまた、アトランタで小規模な市場がある、従来のテレビ市場も活用するようだ。

インフルエンサー利用の失敗

ブランドを刷新し、大規模なキャンペーンを打って消費者に刷新したサービスを提供するのは理にかなっていると、ソーシャルコード(SocialCode)でクライアント戦略ディレクターを務めるベン・ウェイス氏は考えている。ここ数年、イオスは、マーケットプレイスにおける立ち位置が揺らぐ消費者からの反発や訴訟に直面し、マイリー・サイラス氏やキム・カーダシアン氏をはじめとするインフルエンサーに大きく頼ったが、それでもこの反発や訴訟の嵐を切り抜けることはできなかった。現在は、イオスは、インフルエンサーと提携するよりも、製品の利点をアピールすることによって、よりうまく消費者とつながることができるだろうと、ウェイス氏は考えている。

この予算の約27%は、デジタル購入者向けのマーケティングの取り組みに使用され、7%は、TikTokをはじめとする試験的なフォーマットのために留保されている。

また、イオスは来月には、TikTok上でのキャンペーンを展開する予定だ。これには、同社の取引先のクリエイティブメディアエージェンシーであるメカニズム(Mekanism)が発案した、「メイク・イット・オーサム(Make It Awesome)」という新たなキャッチフレーズを使用した、ハッシュタグチャレンジが含まれる。

Kristina Monllos(原文 / 訳:Conyac