CyberAgent x Instagram が創る、ブランド広告の新指針 : CA 淵之上弘・竹ノ内亮太 ✕ フェイスブック 馬渕邦美

ここ数年、マス広告を中心にマーケティングを行ってきた企業でも、デジタル広告の活用が進んでいる。とりわけビジュアルコミュニケーションが重視されるInstagram(インスタグラム)広告は、ブランド広告を志向する企業の注目の的だ。

そのInstagramにおいて、広告販売がスタートしたのは2015年10月。サイバーエージェント(CyberAgent)は、当時からパフォーマンス系の広告だけでなく、ブランド広告での可能性にもいちはやく着目し、トップエージェンシーとしてInstagramと並走してきた。同社におけるInstagram広告の取扱高は、2017年の1年間で数十億円。2018年2月には、Instagram Partner Program(インスタグラムパートナープログラム)における、Ad Technology(アドテクノロジー)部門のパートナー企業に認定されている。

「Instagramは、我々にとって非常に重要なプラットフォーム・パートナーだ」と、サイバーエージェント インターネット広告事業本部 統括 淵之上弘氏(TOP画像左)は語る。「現在、クライアントに提案しているブランド広告のメディアプランには、商材を問わずほぼすべてにInstagramが入っている」。

今回は、2018年7月にフェイスブック ジャパンへジョインし、現在はディレクターを務める馬渕邦美氏(TOP画像中央)をホストに迎え、サイバーエージェントの淵之上氏、同社Facebook局 局長を務める竹ノ内亮太氏(TOP画像右)による鼎談を実施。3名の対話から、ブランディング領域における、Instagram広告の可能性を探る。

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馬渕邦美氏(以下、馬渕):日本のInstagram広告販売において、サイバーエージェントさんは常日頃大きな役割を果たしてくれているパートナーの1社です。早速ですが、御社がInstagram広告の運用において自覚する、自社の強みはどこにあると思いますか?

淵之上弘氏(以下、淵之上):弊社は、Instagram Partner ProgramにおけるAd Technology部門のパートナー企業として認定いただいています。この認定に繋がった弊社プロダクト「iXam Drive(イグザムドライブ)」は、インフィード広告に特化した運用プラットフォームなのですが、これを活用することで、いままで手動で行っていたアップロード作業や入稿作業、レポート作業すべての自動化が可能になりました。まず、そこが大きな強みのひとつといえるでしょう。

iXam Driveで向上した運用効率の高さに加え、さらに我々は代理店としてもFMP(Facebook Marketing Partners)に認定されています。なので、Facebook/Instagram広告の新機能などを、いちはやくテストできるというのも大きな強みです。

馬渕:Facebook/Instagram広告は、利用いただいている方によりよい体験と、広告主により高い価値を提供するために、アップデートが頻繁に行われ、常に進化を続けています。逆にアップデートが頻繁にあるので、運用面を心配される広告主もいるかもしれません。そういった意味では、サイバーエージェントさんのようなパートナーがいると安心できます。御社では組織面でもInstagramに特化した部署があると聞きました。

竹ノ内亮太氏(以下、竹ノ内):はい。現在弊社では、Instagramのクリエイティブや新機能の効果など、さまざまな切り口で分析し、多角的な運用ナレッジを蓄積する専門チームも設けています。

淵之上:新機能が出たら、機能の全容を確認するだけでなく、これから使う可能性があるか、使うとしたらどういう構造で、どういうシーンで使うかまでを一気に決めています。それをクリエイティブチームにフィードバックして、運用方法をすり合わせていく。こういった組織を持っているのも、弊社の強みですね。

馬渕:クリエイティブと運用、両方の側面で専任チームを設けているというのは、非常に先進的ですね。

  

「Instagram広告に特化したチーム体制を整えている」と語る淵之上氏

「Instagram広告に特化したチーム体制を整えている」と語る淵之上氏

  

Instagram広告の役割

馬渕:Instagramは昨年、月間アクティブアカウントが2900万を超えました。さらに、ビジュアルコミュニケーションがベースとなるため、視覚的にブランドの世界観を伝えられるという点で、マス広告に代わるブランド広告における新しいプラットフォームとして注目され、実際に利用も増えています。サイバーエージェントさんの方では、ブランド広告におけるInstagramの役割や、可能性についてはどうお考えでしょうか?

淵之上:Instagram広告は、リリース当初からすでにダイレクト広告よりも、ブランド広告の比率のほうが高い印象です。特に「20代から30代の女性に強い」という点に期待を寄せる広告主はいまも多いですが、最近では男性も含め、さらにユーザ層が広がり、さまざまターゲットを狙ったプロモーションに活用されはじめていますね。

竹ノ内:Instagram広告の特徴は、ターゲティング精度の高さ、クリエイティブのフォーマットが多い点、そしてユーザー規模の大きさの3つだと考えています。

特に、Instagram広告のターゲティングは、基本的にFacebook広告同様、Facebook IDを基盤とした「人ベース」。ユーザーが複数のデバイスを持っている場合でも、cookieベースと違い、別アカウントとしてではなく、ひとりのオーディエンスとして認識するため、精度が高い。「リーチの質」はブランド広告において非常に重要なので、Instagram広告の果たす役割は大きいと思いますね。

馬渕:ありがとうございます。まさに、Instagram広告の「人ベース」「リーチの質」というポイントは、我々が訴えていきたい強みのひとつです。

  

 「Instagramは、ブランド広告においても重要な役割を担うことができる」と竹ノ内氏

「Instagramは、ブランド広告においても重要な役割を担うことができる」と竹ノ内氏

  

クリエイティブ最適化の重要性

馬渕:では、ブランド広告をInstagramで実施する際、クリエイティブに関してはどのような点に配慮すれば良いとお考えでしょうか?

淵之上:ブランドの世界観が伝わるようなストーリー性を、クリエイティブに持たせる。これに尽きると思います。我々もブランド広告のクリエイティブに特化したチームを作り、一つひとつのクリエイティブで、いかにブランドのストーリーを表現できるか、試行錯誤できる体制を整えています。

竹ノ内:淵之上がいうように、ストーリー性を持たせる、という点ももちろんですが、Instagramに合ったクリエイティブを突き詰めることも重要だと考えています。同じクリエイティブでも、メディアやフォーマットによって全然見られ方は異なるので。たとえばInstagramでも、ストーリーズはフィードとはまた異なる視聴のされ方をします。

フェイスブックさんは、Instagram広告を短期集中で制作するワークショップを展開されていましたが、短い期間でクリエイティブを最適化させるノウハウを学べる機会というのは、そうあるものではありません。我々も今後、サイバーエージェントとして同様のプログラムを展開できるよう、準備を進めているところです。

馬渕:Facebookとエージェンシー、そして広告主とともに対面で、Instagram広告のクリエイティブを検討するワークショップは、非常に好評をいただいております。

ビジュアルコミュニケーションを主とするInstagramは、クリエイティブが非常に重要で、ビジュアルの質でパフォーマンスが大きく変わることがあるため、最適化が必須です。モバイルクリエイティブはまだ新しい分野であるため、新しいコミュ二ケーションはどう作るべきか? 既存の素材を使いながらも、Instagramに合った表現だとどうなるか? といったディスカッションを、エージェンシーと広告主のみなさんが交わしていただくことを推奨させていただいています。それをサイバーエージェントさんに積極的に実施していただけているのは、素晴らしいですね。

   

 「Instagram広告は、日々のクリエイティブ最適化が欠かせない」と馬渕氏

「Instagram広告は、その特性に合わせたクリエイティブ最適化が欠かせない」と馬渕氏

   

ブランド広告の新たな指針

馬渕:ところで、ブランディング領域は、これまでテレビCMなどのマス広告が中心でした。Instagramに限らず、デジタル広告でブランディングを行う際、広告主が抱える課題にはどのようなものがありますか?

淵之上:ブランド広告になると、運用という考え方をされることが少ないため、広告の本当の効果が検証されにくい傾向にある点でしょうか。せっかくデジタルの世界では、さまざまな効果検証方法が揃ってきているのに、計測は二の次になってしまうことがあります。そうなると、残念ながら最適な投資を行うことができません。

その点Instagramは、リフト調査などを行えば、消費者が広告を見てから、どのくらい態度変容したかを総合的に把握できます。なので、我々もこの点はクライアントにお伝えするようにしています。

竹ノ内:加えてInstagram広告はターゲティング同様、計測も「人ベース」なので、その精度はいわずもがなです。ダイレクト広告だけでなく、ブランド広告に関しても、しっかり効果を可視化するという流れを作っていきたいですね。

馬渕:そういった、ブランド広告の指針を刷新する試みは、広告主にとっても非常に有益ですね。我々も、サイバーエージェントさんのようなパートナー起業の皆様と、さらに取り組みを深化し、ブランド広告の新たな価値を提供し続けて行きたいと考えております。

それでは最後に、サイバーエージェントさんから、Instagramに望むことがあれば、ぜひ教えてください。

竹ノ内:Instagramは機能アップデートの量がとても多く、変化のスピードや対応力などの点で、絶対的な信頼を置いています。特に、現在はFacebook主軸のターゲティングですが、Instagram単体で保有しているデータを活用した機能に期待しています。

淵之上:お願いしたいことはふたつあります。ひとつはこれからも効果が抜群に出るメディアであってくださいということ。もうひとつは、もっとユーザー数を増やしてくださいということ。効果が出て、人が存在する媒体が「売れる媒体」なので、いまのまま正しい方向に拡大成長していただきたいと願っています。そして、我々も同じペースで伴走していきたいと思っています。

馬渕:なるほど、ありがとうございました。今年の夏には、日本でのInstagramのプロダクトチームの立ち上げも決定しておりますし、ご意見に関しては鋭意努力させていただきます。引き続きよろしくお願いいたします!

※Instagramの取り組みについて、さらなる詳細を知りたい方は、こちらをチェックしてほしい

  

ああああ

向かって左から竹ノ内氏、馬渕氏、淵之上氏

 

CA02▼竹ノ内 亮太(写真左)
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 局長

 

2011年、サイバーエージェントへ入社。大手クライアント営業を担当。2013年、プレイヤー最高職エグゼクティブプランナー昇格。2017年よりプロダクトサイドの局長に就任し、運用コンサルを中心とした組織の責任者を務める。

 

 

FB01▼馬渕 邦美(写真中央)
フェイスブック ジャパン 執行役員 ディレクター、エージェンシー

 

Sapient inc勤務後に、1998年にデジタル・エージェンシーを日本で設立、代表取締役社長に就任。2005年 英国デジタル・メディアエージェンシーProfero incとのジョイントベンチャーとしてProfero Tokyoを設立、両社の代表取締役社長に就任。2009年にオムニコム・グループであるTribal DDB Tokyo ジェネラル・マネージャー。2012年オグルヴィ・ワン・ジャパン、ネオ・アット・オグルヴィの代表取締役に就任し、同グループ日本法人のデジタルビジネスを牽引、再生を成功させた。2016年よりフライシュマン・ヒラードに参画。PwC Japanを含む複数企業のアドバイザーを歴任。2018年にFacebook Japan着任。

 

CA01▼淵之上 弘(写真右)
株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 統括

 

2008年、サイバーエージェントへ入社。インターネット広告事業本部にて、営業として日本最大手クライアントを担当。2014年より統括に就任し、リスティング広告、ディスプレイ広告の運用、インフィード広告、メディアの責任者を務める。現在は、インターネット広告事業本部の営業統括に従事している。

 

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Written by 内藤貴志
Photo by 渡部幸和