「動画コミュニケーション」を未来に導く 5つのキーワード:根底にあるべきは「クリエイティビティ」

テクノロジーがいくら進んでも、根底にあるべきものは変わらない。

「第2回 DIGIDAY Salon」が、7月19日渋谷区のインフォバーン本社で開催された。今回のテーマは「動画コミュニケーションの可能性」。ネスレ日本の出牛誠氏、ONE MEDIA(ワンメディア)の明石ガクト氏、そしてAbemaTV(アベマティーヴィー)の山田陸氏の3名が登壇し、熱い議論を交わした。

「テレビの持つ力はまだ絶大だ。しかし、その構造が崩れるタイミングがもうすぐ来る」と語るのは明石氏。テレビCMの広告効果など、その影響力は認めつつも、「テレビ中心」の産業構造は崩れていくだろうと語る。その背景には、コネクテッドTV(CTV)や5Gの登場など、テクノロジーの進歩がある。目まぐるしく変わる動画コミュニケーションのこれからを、ディスカッション中話題に上がったキーワード5つをもとに探る。

動画コミュニケーション、5つのKW

1. コネクテッドTV:コネクテッドTVとは、文字通りインターネットに接続されたテレビのこと。ユーザーはストリーミングでプログラムを視聴でき、デジタル広告の配信が可能だという。調査会社のニールセン(nielsen)によると、現在米国ではアメリカの総世帯の約3分の2まで浸透しており、日本国内でも普及が期待されている。「テレビがコネクテッドすれば、専門の調査会社でなくてもリアルタイムに視聴データが取得できるようになる」と山田氏は語る。

2. 個人視聴率:従来、テレビの視聴率は世帯単位で計測されていた。しかし、デジタルデバイスの普及により、消費者とのタッチポイントが多様化。広告主にとっても、デジタルとの共通指標が必要になった。そこで現在、ビデオリサーチ社などの調査会社が、試験的に地上波における個人視聴率の計測を実施。導入に向けた動きが活発している。「コネクテッドTVの普及に伴い個人視聴率が一般化すれば、広告主にとっての選択肢が増え、現在のテレビ中心の産業構造は崩れるだろう」と明石氏。

3. クリエイティビティ:今後はテレビも含め、動画コンテンツのデータに基づいた分析、つまり「科学する」ことがいま以上に可能になる。これに関して出牛氏は「コンテンツの定量的な分析技術が進み、データをもとにした勝ちパターンに固執しすぎてしまうと、それがテンプレ化し、だんだん勝てなくなっていく」と警鐘を鳴らす。「どんなにテクノロジーが進んでも、根底に必要なのはクリエイティビティだ」。山田氏も、「動画を科学して得た結果やアイデアはあくまで勝率を上げるための手段だと思うので、クリエイティビティをベースに、うまく取り入れていきたい」と話す。

4. 5G:「2時間の4K動画を、わずか6秒でダウンロードできる」、そんな世界を現実のものとするのが5Gだ。山田氏は、「テクノロジーの進歩により、今後コンテンツの可処分時間は増える。生活のあらゆる場面で動画が視聴されるようになったとき、5Gは大きなチャンスをもたらすだろう」と語る。

5. おはようからおやすみまで:コンテンツの可処分時間が増えれば、動画は消費者の『おはようからおやすみまで』を占有することができる。そこで肝となるのは、「モーメントを掴めるような、細かいセグメントに最適化されたコンテンツ作りだ」と明石氏は語る。

動画コミュニケーションのマーケティング活動における重要度は、テクノロジーの発展により今後さらに高まることが予想される。より理解を深めたい方は、今回のDIGIDAY Salonを全文書き起こした、こちらの記事(※DIGIDAY+会員専用)をチェックしていただきたい。

Written by Kan Murakami
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