コンテンツレコメンデーションエンジンの戦争が、ついに犠牲者を生んだ。その犠牲者とは米Yahooが2年前に製作したYahoo Recommends(ヤフーレコメンド機能)だ。このツールは、ユーザーに推奨されるコンテンツをパブリッシャーサイトに表示するものだ。
現在、ヤフーはサイトに「ヤフーレコメンド機能の登録募集は終了した」と短くコメントを掲載し、訪問者を別の商品に誘導させている。ヤフーの広報担当者からのEメールには、「私たちはまだヤフーレコメンド機能を終了させる決定を下してはいない。しかし、現時点では新たなパブリッシャーの新規登録は見合わせている」と書かれていた。
この動きは、ヤフーが自らの将来性を不安視していることからきている。人員を15%ほど削減し、いくつかのデジタルマガジンを廃止することによりコスト削減につなげている。また、投資銀行家などとも付き合いをはじめ、売上につながる機会を増やそうとしている。
コンテンツレコメンドエンジンの戦争が、ついに犠牲者を生んだのだろうか。その犠牲者とは、米ヤフーが2年前に製作した「ヤフーレコメンド(Yahoo Recommends)」だ。
このツールは、ユーザーへの推奨コンテンツをパブリッシャーサイトに表示するもの。現在、米ヤフーは当該サイトに「『ヤフーレコメンド』登録は、ただいま閉鎖しております」と短くコメントを掲載し、訪問者を別の商品へ誘導させている。米ヤフーの広報担当者からのメールには、「私たちはまだ『ヤフーレコメンド』を終了させる決定を下してはいない。しかし、現時点では新たなパブリッシャーの新規登録は見合わせている」と書かれていた。
この動きは、米ヤフーが自らの将来性を不安視していることの表れと考えられる。最近、人員を15%ほどリストラし、いくつかのデジタルマガジンを廃止して、コスト削減を行った。また、投資銀行などとも付き合いをはじめ、売上につながる機会を増やそうとしている。
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「ヤフーレコメンド」が、2014年9月にコンテンツレコメンドサービス市場に参入したとき、すでに大勢の競合が存在した。こうしたツールは、以前はビジネス的にあまり気に留められていなかったメディアサイトの記事下にある「関連記事枠」に、他のパートナーメディアの記事やスポンサードポストを入れ込むことで、その価値を見出した。コンテンツレコメンデーション企業は、推奨した(恣意的に入れ込んだ)コンテンツや記事がクリックされることで収入となる。懐事情が寂しいパブリッシャーにとって、新しい収益源のひとつとなっているのだ。
2016年2月23日現在、「SB Nation」に掲載されている「ヤフーレコメンド」。
米ヤフーは当初から、アウトブレイン(Outbrain)とタブーラ(Taboola)という業界を先行する2大企業と競わなくてはならなかったが、結局、彼らに勝つことはできなかった。この2社には財力があり、大手パブリッシャーと契約を交わし、解析ツールなどを開発して、パブリッシャーのトラフィックを最大限に引き出すことができたのだ。
2014年の終わりには、「nリレート(nRelate)」というコンテンツレコメンドエンジンで市場に参入したアイ・エー・シー(IAC)が競争に敗れ、サービスの廃止を発表。また、AOLのコンテンツレコメンドエンジンである「グラビティ(Gravity)」もすでに終了したが、これはAOLがタブーラをスポンサードコンテンツ用に使用する契約を交わしたためである(「グラビティ」は、現在も社説記事の再配信に使われている)。
「ヤフーレコメンド」をローンチする際、CBSインタラクティブ、ハースト・マガジン、Vox Mediaという3社の大手パブリッシャーと契約することができた。しかし、CBSインタラクティブは現在タブーラと契約していて、ハーストは「コスモポリタン(Cosmopolitan)」「グッド・ハウスキーピング(Good housekeeping)」「マリ・クレール(Marie Claire)」などのサイトで「マイシックスセンス(my6sense)」というコンテンツレコメンドサービスを利用している。唯一、「Vox Media」だけがいまだ「ヤフーレコメンド」を使用しているが、これも長くは続かないだろう。
Lucia Moses(原文 / 訳:BIG ROMAN)
Image via Thinkstock / Getty Images