女性が支持したくなる、パーパスドリブンな企業コミュニケーションとは?

本記事は、株式会社インフォバーン 執行役員 プロデューサー・クリエイティブディレクターであり、女性に特化したマーケティング×クリエイティブチーム「Women’s Heart Lab.(以下、WHL)」を統括する、中村圭氏による寄稿となります。

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「もっと小顔になりたい」

「もっと痩せたい」

というよく耳にする言葉。

「なぜですか?」と聞くと、返ってくる回答はきまって、

「まわりの友達と比べて○○だから」

本質的な目的はなにか?

わたしたちが女性向けの企業コミュニケーションにおいて幾度となく出会ってきたこのやりとり。みなさんは、この言葉の裏にどんな感情、ニーズを感じとりますか? そして、小顔を演出するファンデーションや痩せて見える下着を提供することで、彼女たちが抱える課題を解決できると思いますか?

わたしたちの答えは「NO」です。

彼女たちの言葉からは、人と比べることでしか、自分の良し悪しを判断できず、自分を肯定できずにいる苦しみがひしひしと伝わってきます。つまり、「小顔に見せる」「痩せる」ことは手段でしかなく、本質的な目的は「自己肯定」できるようになることなのではと、わたしたちは考えます。

“Whyの視点“で見聞きする

ということで、ここからはわたしたちのチームが考える、パーパスドリブンな企業コミュニケーションについてお話させてもらいますね。

「女性が自己肯定感をもって生きることを支えるブランドである」

例えば、そんな風に本質的課題に向けて宣言してみること。それこそが、人の生きやすさや社会貢献を起点にしたブランドの存在意義“パーパス”構築の最初の一歩なのではないでしょうか。難しく考えて構えてしまう前に、シンプルに対峙する生活者の“真意”に耳を傾けるのです。

生活者の真意をあぶりだすためには、わたしたちが編集者として大切にしてきた”Whyの視点”が役に立ちます。「それはなぜか?」「どうしてそう考えるようになったのか?」。“Whyの視点“で傾聴し、その視点で世の中を見てみる。すると、生活者の本質的な課題が見えてくるし、課題をとりまく社会構造が見えてくる。

共感・賛同できるブランド

本質的な課題が明確になれば、次にまず考えるのは、“パーパス”を実現するためのブランドメッセージ。そして、それを実現していくためのアクションです。このふたつがそろっていることが重要です。

ブランドメッセージが伝わればよかったCSR時代とは違って、昨今のCSV時代には、社会的価値と経済的価値を両立させるための、ズバリ言えば“本業で社会や人の課題を解決する”アクションが合わせて求められるのです。

生活者視点で見ても、自分自身含め、「女性」や「社会課題」「地球環境課題」について真摯に向き合い、メッセージに共感ができてアクションに賛同できるブランドや企業を選択することが増えてきていますし、その傾向はミレニアル世代以降はさらに強くなっていくでしょう。

WHLが実践する3ステップ

そこで、わたしたちのチームでは、企業のコミュニケーションをお手伝いする際には、

① パーパスを定義してみる

② パーパスを体現するブランドメッセージを開発

③ パーパスを体現するマーケティング活動を構築

という3ステップで思考し、行動しています。

「SMALL GOOD THINGS」

“パーパス”を体現するブランドメッセージを開発する際に気を付けなければいけないこと、それは、「生活者が日常の中で“共感”できるか」ということ。わたしたちのチームでお手伝いした案件でも、地球環境意識がとても高いブランドが、あまりにストイックなブランドメッセージを発信していたために、実際に商品を手にしている生活者には大切なことが全然伝わっていない、という事象がありました。

そこでわたしたちは、「SOCIAL GOOD」を生活者視点の「SMALL GOOD THINGS」に変換して文脈開発を行いました。自分自身でもそうですが、生活の中で常に「地球」や「社会」のことを考えている人っていませんものね。例えば、少し前に若い女性に「エコファー」が流行ったのもわかりやすい例かと思います。

エコファーは「発色がよい!」「安くてかわいい!」というファクトがあった上で、「動物愛護的に見ても地球環境にやさしい」ということが付加価値となったのではないでしょうか。つまり、生活者視点のいいことがあった上で、「SMALL GOOD THINGS」として社会や地球環境にいいことが+αとしての価値となるよう、伝え方、伝える順序・バランスを調整していくのです。

パーパスドリブンになるために

そして、“パーパス”を体現するマーケティング活動をどう構築していくか。本質的な課題解決をする商品を開発する、ブランドを立ち上げる、というのが一番わかりやすいですが、ほとんどは今あるブランドをどうパーパスドリブンにトランスフォームするかが課題ですよね。

そんな時は、商品の機能・スペックではなく、商品を起点にした“体験”に注力することをおすすめします。つまり、本質的な課題に対して、自社の商品がどんな風に課題解決できるのか、生活者からみて「こんな風に解決できたらいいのに!」という体験を創出するのです。

例えば、自分の体型に自信のない人にとって、店舗での下着のフィッティングは恥ずかしい、ネガティブな体験となっていることも多いようですが、これを「パーソナル・ボディ・スタイリング」などと銘打って、1人ひとりの体型を肯定し、ポジティブに導いてあげる体験に変えることで、生活者のブランド体験は大きく変わってくるのではないでしょうか。リアル、デジタルともに、生活者が本質的に求める体験の中で商品を輝かせるのです。

また、本質的な課題から逆算してマーケティングしていくことで、今まで見えていなかったビジネスの可能性に気づくこともあるのではないでしょうか。

例えば、化粧品ブランドであれば、日々向き合っているのは「コスメ市場」だと思いますが、本質的課題を「女性の自己肯定感の低さ」だと定義して思考すれば、自己肯定感を高めるための「教育市場」や「メンタルヘルス市場」に広くビジネススケールさせていくイメージも描けるのではないでしょうか。

女性の価値観が多様化し、社会構造も含め大きく変革する今だからこそ、パーパスドリブンなブランドのビジネスチャンスは大きい。わたしたちは、そう考えています。

今回お話させていただいた、“パーパス”の実現に向けた思考プロセスをたどりながら、ブランディングからデジタルコミュニケーション戦略設計、プロモーション支援、クリエイティブ開発、イベント・商品プロデュースまで幅広い領域で企業コミュニケーションのお手伝いをさせていただいているWHL。

パーパスドリブンな企業コミュニケーションについてお悩みやご相談があれば、お気軽にお声がけください。ともに思考し、行動を起こしていきましょう。

Sponsored by Women’s Heart Lab.

Written by 中村圭
Photo by Shutterstock