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なぜ FLUX はアドテクではなく、SaaS企業を目指すのか?:FLUX CPO 平田慎乃輔氏

2020年は、デジタルが収益を牽引する存在であることを再認識する年となった。

2月25日に発表された電通の「2020年 日本の広告費」によると、マスコミ四媒体の広告費は大きく前年割れを見せるなか、マスコミ四媒体由来のデジタル広告費は前年に引き続き2桁成長となっている。パブリッシャーにとってのフォーカスポイントがどこなのかは、明白だ。

そんななか、ヘッダービディングソリューションに特化したテックベンダーとして知られるFLUXが、広告領域にとどまらないパブリッシャーのマネタイズ支援に取り組むべく、事業を新たなステージへと進めるという。同社のCPOである平田慎乃輔氏は「アドテク企業としてではなく、パブリッシャーの抱える多様な課題を解決できる存在を目指し、ポートフォリオの刷新を図る」と話す。「いわば、パブリッシャー向けのテクノロジーを最大限活用するSaaS企業だ」。

FLUXは3月25日に開催される、DIGIDAY[日本版]主催の「DIGIDAY PUBLISSHING SUMMIT」にも登壇し、ポートフォリオ拡充についての詳細を発表予定だ。イベントに先立ち、同社の目指す方向や、それに伴って各ソリューション、プロダクトはどのように変わるのかを、平田氏に聞いた。

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−−FLUXは以前からパブリッシャーのマネタイズ支援を掲げていた。いま改めて表明した意図はどこにあるのか?

パブリッシャーのマネタイズ支援は創業以来の理念だが、そのためにアドテク企業にはなろうとは考えておらず、パブリッシャーのマネタイズ支援をおこなうSaaS企業のような形を志向していた。パブリッシャーにおいて広告領域の担当者や部門は、コンテンツ制作に関わる部分を除く、解析や広告出稿、SEOなど幅広い領域をカバーする存在であり、多方面でマネタイズにも関わっているケースが多い。そうしたクライアントに向け幅広い価値を提供するきっかけとして、これまでは広告、特にヘッダービディングソリューションにフォーカスしてきた。つまり、今回のポートフォリオ拡充はそもそもの目的を実現するためだと言える。

直接的な広告収益改善を図る「FLUX Header Bidding Solution」、広告品質の問題を改善するAd Security、データにまつわる課題を解決する「FLUX DMP」や「FLUX id Solution」、CMS事業の「SiteFlow」と、これまでに提供してきたソリューションやプロダクトは、テクノロジーとしては別個のものとなっている。しかし、すべてにおいて、いかにパブリッシャーの収益面における改善に貢献するかという根本的な目的は共通している。今後さらにポートフォリオを充実させ、究極的には広告やマネタイズの担当者だけでなく、デザイナーや編集者・記者に至るまで、パブリッシャーのあらゆる立場の方々をサポートできる状態を目指していきたいと考えている。

−−このタイミングでのポートフォリオ拡充は、やはりコロナ禍を受けたパブリッシャーのニーズの高まりがあったのか?

コロナ禍でより鮮明になった収益低下の課題を解決するために、多様な広告フォーマットに対応していくなど、より直接的な対応もおこなうが、今回のリブランディングとでも言うべき動きはコロナゆえというわけではない。FLUXにはパブリッシャーの在籍経験を持つ人材が多く、マネタイズにおける課題感も以前から「共有」できていたと自負している。このタイミングとなったのは、そうした人材が揃い組織が成長したからこその取り組みだ。

先述の通り、当初の目的であったマネタイズ支援に必要な多様なプロダクトを提供する体制が整いつつある。FLUXは英語対応可能な人材が豊富であり、国外ベンダーのプロダクトを手厚くポートフォリオに取りこめる点が強みだったが、組織が成長したことでプロダクトの精査や、従来以上に戦略的な提案をおこなうことが可能な状況になった。こうした背景も事業をネクストステージに進める後押しとなっている。

−−具体的なソリューションやプロダクトの内容を聞きたい。

ヘッダービディングをはじめとする広告関連ソリューションやDMPといったプロダクトは、当然ながら今後も提供していく。また、ノーコードでの開発・運用が可能なCMSをはじめとするSaaSプロダクト「SiteFlow」も加え、メディア向けのトータルソリューションである「AutoStream」を提案する予定だ。

端的に言えば、さまざまなニーズに対してあらゆるもの提供できる状態にしていきたい。ただし、そのためにFLUXがプラットフォーマーとしてワンストップSSPを立ち上げる、機能開発をおこなうといった展開を目指すのではなく、プラットフォームやプロダクトとパブリッシャーをつなぐハブになりたいと考えている。これは、従来のFLUXにおける広告ソリューションでも一貫している。我々のプロダクトを販売するのではなく、市場に存在するアドテク企業のあらゆるプロダクトを取り扱っていく方針だ。

−−では、FLUXとしてのコアの価値はどこにあるのだろうか?

デジタルにおけるどのような文脈でもマネタイズ支援をおこなえる状態を目指すが、これは単なるプロダクトの「販売代理店」ではなく、クライアントにとって最適な形でプロダクトやソリューションの選択・提案をしていく、いわばパブリッシャーのためのエージェンシーのような存在になるということだ。これまでも、ヘッダービディングや広告領域にとどまらない相談−−たとえば、広告枠の設置場所やサイト回遊率の向上施策など−−は寄せられていた。そうした声に、より的確に対応していく。

また、CMSやDMPはパブリッシャー向けのテクノロジーではあるが、パブリッシャーにしか利用できないテクノロジーというわけではない。培ってきたマネタイズ支援の知見を活用し、将来的にはSaaS企業としてより幅広いクライアントへの対応も実現できるだろう。

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