動画ニュースで人気を誇る「ザ・ヤング・タークス(The Young Turks:以下、TYT)」の主戦場は、10年前の発足以来、常にYouTubeだ。
いまでは、FacebookやTwitterなど、ほかのプラットフォームにもコンテンツを配信しているが、どんなときでもYouTubeが中心であることは変わらない。なぜならオーディエンスは、いまもそこに集まるからだ。
2005年12月の発足以降、「TYT」が築き上げた35のYouTubeチャンネルのネットワークは、時事、スポーツ、エンタメ、テクノロジーなどの分野を網羅している。240万人以上の登録ユーザーを抱えるメインチャンネルを筆頭に、TYTネットワーク全体の登録ユーザー数は460万人に及び、再生回数は毎月1億回に上るという。
動画ニュースで人気を誇る「ザ・ヤング・タークス(The Young Turks:以下、TYT)」の主戦場は、10年前の発足以来、常にYouTubeだ。
いまでは、FacebookやTwitterなど、ほかのプラットフォームにもコンテンツを配信しているが、どんなときでもYouTubeが中心であることは変わらない。なぜならオーディエンスは、いまもそこに集まるからだ。
2005年12月の発足以降、「TYT」が築き上げた35のYouTubeチャンネルのネットワークは、時事、スポーツ、エンタメ、テクノロジーなどの分野を網羅している。240万人以上の登録ユーザーを抱えるメインチャンネルを筆頭に、TYTネットワーク全体の登録ユーザー数は460万人に及び、再生回数は毎月1億回に上るという。
Advertisement
YouTubeはテレビのような存在
「TYT」の創設者兼CEOを務めるジェンク・ユーガー氏(TOP画像)は、次のように述べている。「私たちとYouTubeのパートナーシップはどこよりも長い。そこには歴史があり、築き上げてきたオーディエンスもいる。そして、その大部分はいまもYouTubeにいる。それは私たちのオーディエンスだけのことをいっているのではない。すべてのオーディエンスのことだ。YouTubeは、いまもニューメディア界におけるテレビのような存在だ」。
ユーガー氏がそう考えるのもうなずける。「TYT」はYouTubeに大きな信頼を寄せており、再生回数の大部分は現在もYouTubeが占めているからだ。ソーシャルビデオ分析会社チューブラーラボ(Tubular Labs)によれば、「TYT」のメインチャンネルは、2015年10月の再生回数が5390万回。Facebookでは、同じく10月の再生回数が1140万回だった。
ほかのプラットフォームへも拡大
「TYT」のFacebookには、66万3000人を超えるファンがいる。だから、そちらへオーディエンスを呼び込む施策も実施している。実際に、2015年2月にはFacebook向けのオリジナルシリーズ「ファイナルジャッジメント(Final Judgment:最後の審判)」の制作を開始した。同時にYouTubeチャンネル動画の一部をFacebookでも配信開始している。
それから10カ月が経ったいまでも、Facebook上で意外な動画が拡散されることに、ユーガー氏はしばしば驚きを覚えるという。たとえば、黒人女性サンドラ・ブランドさんが亡くなった、交通違反の取り締まりの様子をとらえた車載カメラの映像をユーガー氏が解説する、以下の動画。Facebookで話題になるのは、たいてい1〜2分程度のものだというのに、15分も続くこの動画が、2290万回も再生されていたのだ。
New Sandy Bland Dash Cam Footage ReleasedNew Sandy Bland Dash Cam Footage Released
Posted by The Young Turks on Thursday, July 23, 2015
しかし、YouTubeは中心にある
「TYT」とFacebookの関係は、まだはじまって間もないが、ユーガー氏はそこで得られた成果に満足している。しかし、Facebook上でもYouTubeの存在感は強い。「TYT」がFacebookに直接アップロードする動画は、「ファイナルジャッジメント」も含めて、すべてYouTube上でも閲覧可能だからだ。
同じことが、ほかのプラットフォームで見られるコンテンツの大部分にもいえる。ユーガー氏によると、YouTube以外のサイトで見られるコンテンツの約80%は、シンジケーション(同時配信)によるものだという。たとえば、「TYT」はHuluで30分の帯番組を放映しているが、これはYouTubeチャンネルのその日の人気動画トップ5を再編集したものだ。ほかの配信先プラットフォームとしては、AOL On、プルート TV(Pluto TV)、ウォッチャブル(Watchable)などがある。
今後は、ライブ配信にも注力
「TYT」のWebサイトでも、その日のYouTubeニュース番組のライブストリーミングが配信されるほか、有料会員(約1万人)限定コンテンツも掲載。同メディアは、今後も積極的にほかのプラットフォームでの配信を進めていくとユーガー氏は語る。
その一例として、ライブコンテンツは、いまも10年前と同様に「TYT」の中核を担う存在だ。だからこそ、Periscope(ペリスコープ)、Meerkat(ミーアキャット)、Firetalk(ファイアトーク)などのソーシャルプラットフォームで実験をおこなっている。
ユーガー氏によれば、2016年の展望として、「TYT」はこれらのプラットフォームを結集して大統領選遊説を取材することを考えているという。「嬉しいことに、誰しもライブストリーミングが大好きなのに、私たちほど長く続けて、うまく使いこなしているメディアはいない。マーケットが一気に盛り上がれば、成功は確実だ」。
しかし、ここでも中心はYouTubeだ。その証拠に「TYT」のWebサイトでは、YouTubeのプレーヤーとライブストリーミング技術を利用している。「業界はYouTube離れが流行しているが、この10年間、そういう流行に何度も背を向けてきた。また、流行を追いかけた人たちの多くは消えていった。私たちはどこにも行かない。あくまでYouTubeが拠点なのだ」。
Sahil Patel(原文 / 訳:ガリレオ)