景気の先行きについて暗い見通しが続いた2023年前半(実際には2022年後半から継続している傾向だ)、気が重くなっている人は少なくない。米DIGIDAYの編集者であり、DIGIDAYポッドキャストの共同ホストであるケイリ […]
景気の先行きについて暗い見通しが続いた2023年前半(実際には2022年後半から継続している傾向だ)、気が重くなっている人は少なくない。米DIGIDAYの編集者であり、DIGIDAYポッドキャストの共同ホストであるケイリー・バーバーとティム・ピーターソンも同じ感覚を抱いている。
2023年の折り返し地点を迎え、両者はメディアと広告業界の現状についてポッドキャストで見解を語り、広告主の広告支出の減少からジェネレーティブAIの台頭まで、広範にわたる議論を行った。広告販売サイクルがどのように変化し、それらの変化が一時的なものか、恒久的なものかについても深く掘り下げた。
以下は会話のハイライトとなる。読みやすさを優先し、一部編集を加えている。
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経済の先行きは不透明
ケイリー・バーバー(メディアエディター):2023年を迎えるにあたって、私たちは全ての情報源に大きな質問を投げかけた。「経済の低迷・混乱はどのくらい続くと思うか。見通しが明るくなるのはいつだと思うか」と。そして多くの人がこの時点(今年の中間点)までには明るくなると言っており、下半期はかなり明るくなる、または転換点が来ることを望んでいた。しかし、現在その時点に我々は到達したが、それが実現しているかどうかは必ずしも明らかではない。
広告価格へのプレッシャー
ティム・ピーターソン(シニアメディアエディター):広告に関して、広告主たちが予算を削減する必要があるのは、従業員を解雇せずに済むように資金が必要だからなのか、それともこの機会にメディア企業(テレビネットワーク、ストリーミングサービス、パブリッシャーなど)に価格を下げるよう圧力をかけたいからなのか、という問いがある。これらは必ずしも相互排他的なものではなく、どちらも事実でありえる。現在進行中のアップフロントサイクルでは、両方の要素が非常に影響を与えているようだ。
パブリッシャーによるAIの導入
ケイリー・バーバー:経営に苦しんでいるメディア企業にとって、これら新しいおもちゃ(AIなど)は、投資家や株主を興奮させるのに非常に効果的だ。そして、効果的に使用できれば、多くの運営上の経費を削減することが可能だろう。また、かつてコンテンツを制作していたジャーナリストの役割をAIに置き換えることで、運営上の経費を減らすこともできる。私はこのことが一部のコスト削減に役立つとは思うが、初期に大量の投資が必要になると思う。
広告販売におけるAIの役割
ティム・ピーターソン:たしかに、パブリッシャーが(AI関連の広告製品を販売して)収益機会を得る可能性があるように思われる。しかし、反対の面(広告主の視点)から見ると、広告主がパブリッシャーにコストを下げるように圧力をかける機会を生み出すのかもしれない。
なぜなら、「AIを導入しているということは、パブリッシャーにおける人間の従業員が少ないということ、それはお金を節約しているということだ」と広告主が言えるからだ。広告主がお金を節約する一方で、そのお金が本当に必要であるのかを確認する手段として使われる可能性があると思っている。
[原文: What’s going on with the media and advertising industries at 2023’s midway point? ]
Tim Peterson(翻訳:塚本 紺、編集:島田涼平)