プログラマティック広告 、米・媒体社たちの赤裸々な本音:「GDPRには、誰か生贄が必要だ」

プログラマティック広告は、その名称がもたらす印象ほど、「オートマティックな」広告販売方法ではない。

11月第3週、アリゾナ州スコッツデールにおける、米DIGIDAY主催のプログラマティック・メディア・サミットで開かれたクローズドなセッション中、パブリッシャーたちは不満や苛々の数々を爆発させた。広告主のブランドセーフティに対する懸念は、ニュースパブリッシャーにとって有害でしかない、といったものから、GDPRのコンプライアンスはいまだ五里霧中の状態だ、といったものまで、さまざまな愚痴が聞かれた。

以下はその例だ。

ニュースパブリッシャーにとっての凶報

「ニュースカテゴリーから完全に撤退すると言っているクライアントが複数いる」

「真面目なニュースブランドの場合、売り込める機会はなおいっそう少ない」

「ブランドの安全性とニュースの感度の間には、圧倒的な隔たりがある」

「ブランドセーフティ企業の多くは、パブリッシャーを十把一絡げにしている」

「一般的な禁止リストに載っているから、というだけで、『癌』をブロックしている製薬会社が複数ある。バカバカしいにも程がある」

「我々が考えるブランドセーフティ環境と広告主が考えるブランドセーフティとの間には、明らかな違いがある。連中はフェイクニュースを問題視しない。なのに、そこに物議を醸しそうな見出しが付いていると急に、問題だと言って騒ぎだす」

GDPRに対する懸念はいまだ消えず

「もはや、誰かにGDPRのトラブルに巻き込まれてもらって、何をしたらいけないのか、我々に手本を示してもらうしかない」

「[GDPRは]誰もが遵守しているように見えて、じつは[ヨーロッパからの]トラフィックをとにかく遮断しているだけだ」

「[同意管理プラットフォーム(CMP)]や現在あるものの99.9%は、完全には準拠していないし、偽りのオプトインでしかない気がする」

「CPMへの影響は見受けられないが、それは単に、99.9%の人が一種のオプトアウトでしかないものをオプトインだとしているからだ」

「確かにややこしい。でもおかげで、内輪向けの話が増えて、自らのプログラマティックビジネスの重要性を内輪に向けて示す結果になっている」

「[GDPRが発効される前の]最後の月、消費者に製品を届けようと、我々は大慌てだった。で、今度はカリフォルニアだ。あれ[同州で2018年に可決された消費者プライバシー法]は遠からず発効されることになるし、あそこは多くのパブリッシャーにとって大きな市場だ。となると、あんなことにまたなって欲しいのか? GDPR[を遵守すること]でカリフォルニアの法令に準拠することになるのか? それが次の疑問だ」

アドテクのいらだち

「プログラマティック支出の40%しかパブリッシャーに届かないし、それは本当にムカつく」

「プログラマティックギャランティードは単に、直販を少しばかり先延ばしにしているにすぎない。実際、バイヤーが本当に求めているのは、ビッダブル(入札可能な)ものだ」

「ヘッダー入札の世界では、SSPは自らの存在意義を証明するために悪戦苦闘している。一方、DSPは現在、パブリッシャーと直に仕事ができている」

「我々の経験から言うと、アドサーバーの移行は、まさに半年から9カ月も続く悪夢だ」

「[Googleのアドサーバー]DFPをやめると、[Googleのアドエクスチェンジ]AdX[のデマンドに対するアクセス]も失ってしまう。それが困りものだ」

絶対に、コンテンツウィジェット?

「(コンテンツレコメンドエンジン)アウトブレイン(Outbrain)と(ディスカバリープラットフォーム企業)タブーラ(Taboola)のウィジェットはおそらく、[ブランドセーフティが広告主の間でますます大きな懸念となるなか]表舞台から去るだろうと思っていた。ところが、私の目にはそれどころか、以前より勢力を拡大しているように見える」

「いまは再循環(リサーキュレーション)が熱い。我々のサイトでも[トラフィックの]再循環を可能にできると言われているし、それで、訪問別ページビュー数の増加を重要視するようになった」

「要するに不動産と同じだと思っている。何であれ、とにかく最大の収益を生んでくれるものだと」

「アウトブレインはたいてい、アドブロッカーにブロックされない。だからアドブロッカーを有効にしている人から収益を得られる」

Digiday Editors(原文 / 訳:SI Japan)