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BuzzFeed は、なぜ ハフポスト を買収したのか?:「彼らは肩の荷を下ろしたがっていた」

BuzzFeedは今週、彼らにとってますます重要さを増す「あるもの」を手に入れた。それは、中高年のオーディエンスへのアクセスだ。

11月19日の火曜日、BuzzFeedはベライゾン・メディア・グループ(Verizon Media Group)から全額株式交換によってハフポスト(HuffPost)を買収したことを発表した。この戦略的パートナーシップの一環として、ベライゾン・メディア・グループはBuzzFeedの少数株主となり、両社は広告・コマース・コンテンツ配信の分野でのパートナーシップを模索していくことになる。

この動きは、つまりベライゾン・メディア・グループがBuzzFeedへ支払いを行い、利益の出ていないハフポストを手放したと見られている。これによってBuzzFeedは、記者の援軍を手に入れ、ニュースの取材範囲を拡大できる。だが、ウォールストリート・ジャーナル(​Wall Street Journal)によると、BuzzFeed Newsにおいても過去何度も解雇が行われたが、やはり利益は出ていないという。

BuzzFeed Newsとハフポストは、今後も互いに独立したまま運営される。しかし、​BuzzFeed Newsのマーク・シュフ編集長がスタッフへ送ったメモによると、BuzzFeedはハフポストの新しい編集長を選出し、方向性を決めることができるという。ハフポストの編集長ポストは、3月初旬にリディア・ポルグリーン氏が退職して以来、空席となっていた。

健全な中高年のオーディエンス

また、この提携により、BuzzFeedはより大きなパイプラインを直接手に入れることができる。それは、ニュースやコマースのコンテンツにおいて、BuzzFeedのリファラルトラフィックを補完し、多様化できる、ロイヤル基盤の中高年のインターネットユーザーだ。特にコマースは、この激動の1年を経て、力強い成長を見せている。

ハフポストはもはや、2011年にAOLが3億1500万ドル(約326億円)で買収したときのような規模は誇っていないが、健全なオーディエンスを抱えていることに変わりはない。シミラーウェブ(SimilarWeb)によると、過去3カ月間、ハフポストのサイトには月平均8100万人のユニークユーザーが訪れており、同期間のBuzzFeed Newsのユーザー数は約4倍の規模となっている。また、同様にシミラーウェブによると、かなりの割合(デスクトップ訪問者の57%)が、ハフポストに直接訪問しているという。

そして、それは特に若年層のオーディエンスではない。シミラーウェブによると、訪問者の37%は45歳以上となっている。しかし、それはBuzzFeedのジョナ・ペレッティCEOが木曜日の午後にスタッフへ語った内容よりも、豊かなコホート(集団)だ。その際、ペレッティ氏は、BuzzFeed Newsとハフポストのオーディエンスは重複しておらず、BuzzFeedは事実上、月間1億人近いユニークユーザーのニュースオーディエンスを効果的に獲得したと付け加えた。

BuzzFeedとベライゾン・メディア・グループの提携は、コマース事業にも多くの機会をもたらしてくれるはずだ。BuzzFeedは、コマース事業を強みに変えることに成功しており、今年は5000万ドル(約51億円)以上の収益を上げるペースで推移しているが、それは主に、価格に敏感な若い読者やオーディエンスをターゲットにした取り引きだ。

懐の温かい中高年のオーディエンスに焦点を当てることができれば、さらに成長を促すことができるだろう。​ベライゾン・メディアのコマース売上は、YahooメールやYahooのホームページとの統合や、コロナ禍によって初めてオンラインで買い物を始める多くの人々のおかげで、はるかに小さな基盤からではあるが、この1年間で250%以上成長した。

「肩の荷を下ろしたがっていた」

​複数の元従業員によると、BuzzFeedが新たな息吹を吹き込めるかどうかにかかわらず、ハフポストはベライゾン・メディア・グループにおいて歓迎されなくなっていたという。ベライゾン・メディア・グループ全体の業績や進歩を強調する企業メールで、ハフポストはほとんど言及されておらず、当時のポルグリーン編集長はスタッフに直接、ハフポストは利益を上げていないと語っていた。「彼らはとにかく、肩の荷を下ろしたがっていた」と、とある元スタッフは匿名を条件に語った。

フィナンシャル・タイムズ(The Financial Times)は昨秋、ベライゾン・メディア・グループがハフポストの売却を検討していると報じた。この件に詳しいある人物によると、ハフポストとBuzzFeedは現金売却について話し合っていたが、その提示金額はあまりにも低かったとという。

この買収は、BuzzFeedが何年にもわたるコスト削減を経て、黒字化の瀬戸際に立っている時期に実施された。ペレッティ氏は、今月はじめのメモで、BuzzFeedの今年の収益は横ばいになるだろうと発表している。

※この記事は更新されています。以前のバージョンでは、BuzzFeedの今年の収益は「収支トントンの危機に瀕している」という表現がされていました。

[原文:‘They wanted to unload it bad’: Why HuffPost made sense for BuzzFeed – and Verizon Media Group

MAX WILLENS(翻訳・編集:長田真)