Facebookを離れ、トラフィック源を多様化する「ヴォーグ」

ヴォーグ(Vogue)は、編集を支える方法を変更しようとしている。

コムスコア(comScore)によると、コンデナスト(Condé Nast)が所有するこの高級ファッション誌は2018年5月、「メット・ガラ(Met Gala)」と英国のロイヤルウェディングを特集し、1360万人という記録的なユニークビジターを惹きつけた。過去の同様のイベントのトラフィック源はFacebookだったが、今年のトラフィックはGoogleや電子メール、インスタグラム(Instagram)から来ていた。

5月の検索トラフィック――シミラーウェブ(SimilarWeb)によるとヴォーグのデスクトップ検索の54%を占めている――は、前年比73%増だったと、ヴォーグはいう。ニュースレターからのトラフィックは32%、インスタグラムからのトラフィックは139%増えた。Facebook経由のユニークビジットは同じベースで30%減だった。ヴォーグは正確なトラフィック数を教えようとはしなかった。

検索流入が最優先

こうしたトラフィック源の多様化は、Facebookがパブリッシャーに送るリファラル(参照元)トラフィックの量をどんどん減らしているなかで、検索トラフィック全体を増やす長期的な取り組みの結果だ。

ヴォーグのデジタルディレクターであるアナーリサ・ヤブスリー氏はこう語る。「Facebookの衰退が迫って来ており、我々は、早くから検索に焦点を絞らねばならなかった。その恩恵を受けられるようになるまでには時間がかかるとわかっていたからだ。我々の基礎作りは非常に上手くいったと思っている」。

ヴォーグの編集者たちとオーディエンス開発チーム、そしてコンデナストのSEO対策チームは、特定のデザイナーのコレクションについての投稿のようなロングテールなエバーグリーンコンテンツに集中しはじめた。そこでは、デザイナーやコレクションについての情報を求める検索においてランキング上位につけることが優先課題だった。

「そこで勝てなければ、このブランドを適切にサポートしていることにならない」と、ヴォーグのクリエイティブデジタルデザイナーのサリー・シンガー氏は語る。

ヤブスリー氏は、いまでは毎週の編集物の25~30%以上が新規か更新の形をとったエバーグリーンコンテンツになっていると話す。

インスタ攻略も重要

ヴォーグはいまや、オーディエンスが好むだろうと思うニュースを伝えるだけではない。2人のライターを指名して女優メーガン・マークルと英国のヘンリー王子の結婚についての特集記事を用意し、このロイヤルウェディング特集は、実際の挙式後の48時間でヴォーグの5月の月間トラフィックの15%を稼ぎ出した。

ヴォーグはさらに、Facebookが所有するインスタグラムからもより多くのトラフィックを得ている。核となるインスタグラムアカウント(@vogueではなく@voguemagazineの方)のフォロワー数は、昨年以来13%増えて1850万になった。インスタグラムからのトラフィックは同期間中に130%の増加を見せた。これはアンソニー・ボーディンの死やNBAファイナルのようなニュースに焦点を当てた結果だ。ヴォーグはインスタグラムのバイオや「ストーリー(Stories)」内のリンクを通じてトラフィックを獲得しているが、この方法は、多くのパブリッシャーにとって一般的な参照トラフィック源となっている。

ヤブスリー氏は、「現在これはニュースソースとして使われている。純粋にオーディエンスへの反応として、我々は投稿スケジュールを増やして速報や独占ニュースを含むようにした」と述べる。

5月については特にそうだった。クラウドタングル(CrowdTangle)によると、メット・ガラが開催された1週間に、ヴォーグのメインアカウントは週間のインスタグラム投稿を倍以上に増やした。ヴォーグのメット・ガラ関連のインスタグラム動画は、イベント開幕から72時間に3700万以上のビューを集めた。

「我々にとって、我々のコンテンツの配信方法として特定のプラットフォームに集中しないことが本当に重要だ。トラフィックが得られるとわかっているというだけの理由で、何かをしたりはしない」とヤブスリー氏は語った。

Max Willens(原文 / 訳:ガリレオ)