ロンドンでの家探しがより簡単になった。都市生活情報誌「Time Out London」は、イギリスの大手オンライン不動産メディア「Rightmove」とタッグを組み、ロンドンでの家探しの負担を軽減出来るようなサービスを始めた。
この新たな「Find your London(あなただけのロンドンを探す)」ツールは、「Time Out London」のWebサイト内にあり、同社のクリエイティブ部門が推し進めたものだ。従来の広告にとらわれない、体験型のサービスを創造するために企画されたプロジェクトでもある。
「Time Out」と「Rightmove」は収集したデータを活用し、ユーザーの好みによってどのエリアが住むのに適切なのかを判断。利用するデータは「Time Out」と「Rightmove」、そしてタクシー配車アプリ「Uber」からアグリゲートされ、個々のユーザーにおすすめのトップ10のエリアを紹介するという。
ロンドンでの家探しがより簡単になった。都市生活情報誌「Time Out London」は、イギリスの大手オンライン不動産メディア「Rightmove」とタッグを組み、ロンドンでの家探しの負担を軽減出来るようなサービスを始めた。
従来の広告にとらわれない、体験型のサービス
この新たな「Find your London(あなただけのロンドンを探す)」ツールは、「Time Out London」のWebサイト内にあり、同社のクリエイティブ部門が推し進めたものだ。従来の広告にとらわれない、体験型のサービスを創造するために企画されたプロジェクトでもある。
「Time Out」と「Rightmove」は収集したデータを活用し、ユーザーの好みによってどのエリアが住むのに適切なのかを判断。利用するデータは「Time Out」と「Rightmove」、そしてタクシー配車アプリ「Uber」からアグリゲートされ、個々のユーザーにおすすめのトップ10のエリアを紹介するという。
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ユーザーの職場から物件までの平均通勤時間や、ウエストエンド(行政、商業、文化施設が集中するロンドンの中心地)からの予測運転時間などを計算するために膨大なデータを組み合わせている。このデータは「Rightmove」のWebサイトに掲載されている100万戸の情報とマッチされるという。掲載されている100万戸の価値はおよそ4100億ドルで、イギリスにおいて仲介業社を通して売買される不動産の90%を占める。
Time Out社のインターナショナル・クリエイティブ・ディレクター、アダム・ハリス氏は、このプロジェクトをいままでにない「もっとも統合が取れた複雑なデータの融合だ」と、表現している。「犯罪率や学校の数のデータを表示するツールはこれまでにもあったが、どれも信頼できるデータでユーザーが実際に住んでいるイメージを湧かせるサービスではなかった」と、米DIGIDAYに話す。
Time Out社のネイティブアドのユニットはこれに続き、「Find Your London」のローンチを支援するためのソーシャルメディア活動も始める予定だ。
結果を残す、レコメンド型ネイティブアド
ハリス氏は他社におけるネイティブアドのアウトプットにすべて目を通しており、利益を見込める新たな収益源として、その有効性に確信をもっている。従来の広告とは異なるネイティブアドは、いまやデジタル部門の売上の半分を占めているからだ。
Time Out社はここ数カ月、ネイティブアドのプラットフォームサービス「シェアスルー(Sharethrough)」を使用し、自社サイトを横断するようにレコメンド型ネイティブアドを実施してきた。ハリス氏によれば、「シェアスルー」の使用を開始してから、CTR(クリック率)が0.66%と驚異的に上昇。これは業界の平均である0.1%に比べ飛躍的な数字だ。「我々がキャンペーンを行ったSony、Booking.comとeBayの3つの企業とも、素晴らしいCTR(クリック率)を記録した。これを機に、今後多くのネイティブアドを活用していくつもりだ」と、同氏は述べる。
同社は現在、自社サイトでしかネイティブアドを掲載していないが、将来的に外部サイトの広告枠の購入も否定しないという。
今後さらに、ネイティブアドへ人員を補強
3年前にTime Out社へハリス氏が入社したときに、ブランドコンテンツチームが結成されて以降、チームは積極的に海外支社にもリソースを確保しようとしている。アウトプットを拡大するためにニューヨーク、パリ、バルセロナで、新たな人員も雇ったばかりだ。また、ロンドンにもより多くの人材を集めようとしている。
現在、ロンドンのブランドコンテンツチームに在席するのは9人の社員のみで、ほかにフリーランスのスタッフを雇っている。しかしこれから、デジタルプロダクション部門を社内に創設することを検討しているという。ハリス氏の言葉を借りれば、「フルサービスの広告代理店」のようになるのだそうだ。
Time Out社は、このプロジェクトを推進するにあたって、情報デザイン企業であるシグナルノイズ(Signal Noise)と共同提携してきた。ハリス氏は、さまざまな独立系の代理店と協力し、新しいプロダクトを開発するため、情報をうまく利用した手法を常に探していると語る。
パブリッシャーが対面している、現在の脅威
なお同氏は、「データを駆使してネイティブアドに力を入れていくことで、業界内で恐れられている広告ブロックの対抗策になるだろう」と、話している。
しかし、広告ブロック問題はデジタルマーケティングにおいて、氷山の一角に過ぎない。ハリス氏いわく、「ブランドがパブリッシャーになろうとしている」からだ。「いまや、人々はコンテンツに埋もれてしまい、情報を掘り起こすことに興味を失いがちになっている。これがコンテンツとしてのネイティブアドを作っているパブリッシャーへのさらなるプレッシャーとなっているのだ。そんななか、『シェアスルー』のようなサービスと提携することは、今後の成長の大きな一助となるはずだ」と、ハリス氏は期待している。
Jessica Davies(原文 / 訳:小嶋太一郎)