「賭博はスポーツの一部で、ニュース速報のようなもの」:ザ・スコアCEOのジョン・レビー氏

欧米ではスポーツメディアとスポーツ賭博が切っても切れない関係になろうとしている。

カナダのスポーツメディア企業ザ・スコア(theScore)のCEO、ジョン・レビー氏は「ヨーロッパ、さらには北米のスポーツ賭博は伝統的に、オフショア市場やブラックマーケットで行われてきたが、人々はアプリを使って賭けを行っている」と話す。

スポーツ賭博を行う人々はそうしたアプリで、対戦成績や負傷者の最新情報を得ているわけではない。どこかで試合を観戦するか、試合に関する記事を読んだ後、アプリで賭けを行っているのだ。

レビー氏はDIGIDAYポッドキャストで、「単なる取引アプリにすぎない」と説明している。

米最高裁判所がスポーツ賭博を全面的に禁止する法律を憲法違反と判断してからの2年間で、米国の半分近くの州(とワシントンDC)がスポーツ賭博をある程度まで合法化している。

現在、スポーツ賭博は中断しているかもしれないが、賭博事業を運営するペン・ナショナル・ゲーミング(Penn National Gaming)が4億5000万ドル(約481億円)で買収したバースツール・スポーツ(Barstool Sports)などのパブリッシャーは、スポーツが再開されれば、スポーツ賭博は成長すると期待している。買収によってひとつになった会社は、ザ・スコアと同様、スポーツ賭博を支援しながら、賭けの根拠となるスポーツニュースを提供できる。

スポーツ賭博は2025年までに80億ドル(約8555億円)規模になると予想されている。

レビー氏は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが州の公的資金に影響を及ぼし、その結果、スポーツ賭博の合法化が加速すると考えている。

「彼らが取り戻そうとしている金額は数兆ドル単位だ。どちらの政治的立場に立っているかなど関係ない。政府は金庫を再び満たす方法を考えなければならないというのが現実だ」と、レビー氏は語る。

レビー氏はサードパーティ(と自社)のデータに言及し、ザ・スコアのユーザーの大部分はただそれらを読むだけでなく、スポーツ賭博も行っていると述べた。そうした賭けの半数近くは関連する試合の最中に行われており、カナダの企業であるにもかかわらず、ザ・スコアのユーザーの70%は米国居住者だ。

この記事では、レビー氏とのインタビューのハイライトをお届けする。なお、読みやすくするため、以下の本文には若干の編集を加えている。

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スポーツ報道とスポーツ賭博を1カ所で提供する

「賭博はスポーツの一部であり、ニュース速報のようなものだ。いつもそこにあり、これからもそこで賭けが行われる。長いあいだ、人々は秘密の場所に行き、ギャング、胴元、犯罪組織と取引する必要があった。その後、国外の灰色市場ができた。米国は特に取り締まりを強化したが、賭けは続けられた。ヨーロッパ、さらには北米のスポーツ賭博は伝統的に、オフショア市場やブラックマーケットで行われてきたが、人々はアプリを使って賭けを行っている。そうしたアプリは単なる取引アプリにすぎない。私は自分のやりたいことを考え、友人たちに話している。私の場合、試合に行き、賭けのタイミングに(なったら)アプリを使用する。賭けは、人々がスポーツに熱中する理由のひとつにすぎない。だから、我々は常に、賭博を巨大なものとして扱わず、ただ統合したいと考えてきた」。

スポーツに関しては、2020年も強気の姿勢を維持

「パンデミックの前に強みを手に入れたことはとても幸運だった。我々はスポーツ賭博の猛襲に備えていた。パンデミックの直撃を受け、何もかもが停止し、間違いなく誰もが影響を受けている。我々もベルトを締め、経費を削減しなければならなかった。しかし、誰かをレイオフする必要はなかった。我々はチーム一丸となり、全力で働き続けた。どこかの時点で元に戻るとわかっていたからだ。スポーツには抑圧された大きな需要がある。スポーツを見たい、スポーツに賭けたいという需要だ。我々は製品開発を続けた。スポーツ賭博がついに襲来するまでに、製品の準備を整えておきたい。野球、バスケットボール、ホッケー、そして、フットボールが復活する。マーチ・マッドネス(March Madness)が毎日行われているような未来が到来するだろう」。

予算不足が合法化を促す

「今後2年間にどれだけの州が(スポーツ賭博を合法化)するかに関しては、我々は誰にも負けないくらい前向きだった。そして、我々は予想を修正した。神経質になっていたか、既得権を持つロビイストの意見を聞いていたかの理由で、『どっち付かず』だった州の多く(が合法化に踏み切る)と考えているためだ。(各州は)使うべきところに予算を使った。企業を支援し、人々が仕事を続けられるように支援しなければならなかった。彼らが取り戻そうとしている金額は数兆ドル単位だ。どちらの政治的立場に立っているかなど関係ない。政府は金庫を再び満たす方法を考えなければならないというのが現実だ」。

既存の大手企業(ESPNだけではない)との戦い

「企業がやるべきことをするには、十分な資金を呼び込む必要がある。ただし、十分な資金が集まっても、賢く使わなければ意味がない。本物の存在になり、スポーツファンとつながることが重要だ。テレビ業界のスポーツ担当者がやっていることとエンドユーザーが求めていることの食い違いはどんどん大きくなっていた。その要因はいくつもある。かつての私は何をしていただろう? 私はテレビの前に座り、『ホッケー・ナイト・イン・カナダ(Hockey Night in Canada)』を見ていた。ほかに気晴らしはなかった。世代的な問題もある。いまは気晴らしがいくらでもあるため、若者たちが4時間も試合を見続けることはない」。

Pierre Bienaime(原文 / 訳:ガリレオ)