Facebookの動画投稿を止めた、ウェザー・チャンネルの考え:「楽しい冒険だったがビジネスではない」

ウェザー・チャンネル(The Weather Channel)は、Facebookでの動画投稿を止めた。

「(Facebookでの動画は)メリットがなかった。Facebookにとってはあったのだろうが、我々にとってはなかった」と、ウェザー・チャンネルのコンテンツ・エンゲージメント部門グローバル責任者であるニール・カッツ氏は、アリゾナ州で先日行われた米DIGIDAY主催のビデオサミット(Video Summit)で語った。

カッツ氏によると、過去数年間にウェザー・チャンネルは、Facebook上において6つのページを運営してきた。5月までには、毎月5億ビューという動画再生回数を稼ぐまでに成長している(参考までに、チューブラー・ラボ[Tubular Labs]のデータによると、ウェザー・チャンネルのFacebookメインページは、4月に180万ビューにまで落ち込んでいる)。Facebook上では、ネイチャーやトラベルといった「天候に近い分野の」科学も対象としたバーティカルも存在していた。ロケッツ・アー・クール(Rockets Are Cool)やクレイジーマルズ(Crazimals)、そしてユナイテッド・ステーツ・オブ・オーサム(United States of Awesome)がその例だ。

「対価はお金ではなかった」

「(Facebookが誘導する)流れには、すべて従ってきた。けれども2年間で気づいたのは、フォロワー数やシェア数、ビュー数といった、対価として我々に支払われるものはどれも、お金ではないということだ」と、彼は言う。

ウェザー・チャンネルは、ライブ配信、オンデマンドのニュースフィード動画に対して、Facebookが制作資金を提供するプログラムに参加していた。また、昨秋はFacebook Watch(ウォッチ)のために3本の番組も制作。ライブ配信、オンデマンドのニュースフィード動画制作に対して、彼らは億単位の資金を受け取ったという。だが、事前に決定された月間動画時間(分)のノルマを達成しなければいけなかった。ウェザー・チャンネルは、制作したビデオ1分あたり28ドルしか稼げていなかったという。カッツ氏は比較対象として、1分あたり4万5000ドル(約500万円)を稼いだCBSのリアリティショー『サバイバー(Survivor 2009)』を例として挙げた。

ハリケーン・ハーヴィーといった、天候分野における大イベントのあいだですら、Facebookのために何百本もの動画を制作して配信しなければいけなかった。その結果生まれた収益は、取るに足らないものであったと、カッツ氏は言う。

「楽しい冒険であったものの、ビジネスとしては成立していないことを思い知った。こういった(ハリケーン報道といった)イベントが起きている最中は会計状況を見ていないが、あとになって財務分析を確認するときには収益を生んでいるかどうかを理解しようとする。テレビや(ソーシャルではない)デジタル上ではこういったイベントは収益を生んでいた」。

Facebookだけが問題でない

しかし、カッツ氏は問題がすべてFacebookにあるとは考えてはいないようだ。Facebook上でコンテンツを配信すること、Facebookと直接仕事をすることに対して、パブリッシャーたちがあまりにも興奮しすぎていたことにも問題があると指摘している。

すべてが無に帰したわけではない。彼らのウェブサイトやアプリを訪れるユーザーの数は十分に存在している。彼らのブランドが重要性を持っていることを示している。「結果として分かったのは、我々のビジネスは良いものであるということだ」と彼は言う。ウェブサイトとアプリは前年との比較で25%上昇の60億訪問を稼いでいるという。ウェザー・チャンネルは、ここにフォーカスしていく。ソーシャルとは違って、このふたつは彼ら自身が完全なコントロールを持つことができているからだ。

Sahil Patel(原文 / 訳:塚本 紺)