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バーチャルイベント で「年末商戦」に挑む、米・女性メディア :バッスルの「ショップホリデー」

バッスルデジタルグループ(Bustle Digital Group)は、今年のクリスマスシーズンに向けて、バーチャルイベント、ショップホリデー(Shop Holiday)を3週間にわたって開催する。

ブラックフライデーから12月18日にかけて行われるこのオンラインイベントは、スキー場のシャレー(山小屋タイプの宿泊施設)のようなブースで、サムソン(Samson)、コールズ(Kohl’s)、インティミッシミ(Intimissimi)やGAPといったイベントスポンサー7社を招いて行われる。また、ブースでは編集チームが制作したクイズやストーリー、動画といったコンテンツが展開される。オーディエンスにブランドへの関心を持ってもらい、ファネル上部と下部の両方を刺激して、商品購入に結びつけようという狙いだ。

バッスルデジタルグループのCRO(Chief Revenue Officer:最高収益責任者)兼プレジデントを務めるジェイソン・ワーゲンハイム氏は、「古き良きアメリカのショッピングモールの、エネルギッシュでワクワクする感覚の再現を目指している」と語る。

1万人以上の参加者を見込む

イベントでは、同社が抱える各パブリッシャーブランドが、エンターテイメントコンテンツを配信する。たとえば、ナイロン(Nylon)によるDJブース、ロンパー(Romper)によるフォトブース、そしてメインステージではバッスル(Bustle)、エリートデイリー(Elite Daily)、インバース(Inverse)によるギフト動画などがある。コンテンツはイベント中であれば24時間配信され、いつでも参加可能となっている。さらに、オーディエンスに何度もイベントに訪れてもらうため、毎日プレゼント企画を用意しているという。

昨年まで同社は、クリスマス期間にロサンゼルスで展開してきたインフルエンサーイベント、レット・イット・ゾーイ(Let it Zoe)を展開してきたが、今回のイベント開催期間は21日となっており、これは同社にとって過去最長だ。ワーゲンハイム氏は、これまでのイベントでは運営コストが高く、せいぜい数日しか開催できなかったと明かす。

ショップホリデーでは、3週間で1万人以上の参加者と、20分以上の平均滞在時間が予想されている。「この規模のイベントを、リアルな会場で実施するには数百万ドル(数億円)のコストがかかる」と同氏は語る。同氏はショップホリデーの具体的なコストは明かさなかったが、基本的にはテクノロジーにかかるコストが大半で、開催にあたり、体験作りに強みを持つエージェンシー、マークステファン(Mark Stephen)の協力を得ているという。このように、ショップホリデーは比較的運営コストが低い。

イベント成功の基準

また、同社はこのイベントで第4四半期収益の15%を達成することを目標にしている。いまのところ、同イベントのダイレクトな広告収益は、数百万ドル(数億円)規模になる見込みだ。それもあり同社は、第4四半期の収益は前年比で25%増になると見ているという。

同社に限らず、パブリッシャー界隈では、第4四半期にスポンサー収益とコマース収益が高まる。そのため、クリスマスシーズンに向けてさまざまな企業に対し、体験型ポップアップやイベントを訴求するなどしつつ、バーチャルへの移行を図っている。

なお、同グループは、ショップホリデーを通じて自社のeコマース収益を上げることを目的とはしていない。このイベントのターゲットは、新型コロナウイルスの感染拡大により急成長を続けるeコマース市場で拡大を狙うスポンサー企業たちだ。

ワーゲンハイム氏は、同イベントにおけるクリックスルー率やコンバージョン率の予想を明かしていないが、「ほかの企業の取り組みと同水準であれば、イベントは成功とみなせる」と語る。

体験作りが重要

一方、体験作りに強みを持つエージェンシー、メイクアウト(Makeout)でエグゼクティブ・プロデューサーを務めるエリック・フレミング氏は、「クリスマスシーズンのバーチャルイベントで、パブリッシャーはユーザー獲得に力を入れるべきだ」と指摘する。

いま、eコマースブームに伴い、さまざまなパブリッシャーや小売企業、そしてオンラインマーケットプレイスが、カスタマーの気を引こうと激しい競争を繰り広げている。特に今年は、クリスマス商戦が例年より早くはじまっているのだ。

フレミング氏は、そのためにはバッスルデジタルグループのような、バーチャルイベントを活用したマーケティングが重要だとしつつも、コンテンツ自体が魅力的な価値を提示できなければ意味はないと主張する。

「パブリッシャーのあいだでは、消費者から注目されようと苛烈な競争が繰り広げられている」とフレミング氏は語る。「もしパブリッシャーが、単なる思い付きでeコマースを展開しようというなら意味はない。Amazonには、とても太刀打ちできないからだ。しかし、魅力あるコンテンツとバーチャルを適切に組み合わせて、体験として提供することで購入を促すというのは効果的な手段だ」。

フレミング氏は、イベントでブランドコンテンツや商品販売、ネットワーキングの提供以外にも、イベント限定や期間限定の商品を販売するドロップ(drop)というアプローチが有効だと指摘し、次のように述べた。

「重要なのは、オーディエンスが興味をそそられるようなコンテンツを提供することだ」。

[原文:The holiday shopping season is on and Bustle Digital Group is setting up shop virtually
KAYLEIGH BARBER(翻訳:SI Japan、編集:村上莞)