WeWork 旋風、ビジネスパブリッシャーらの「追い風」に:セックス、ドラッグ、IPO撤回

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WeWork(ウィワーク)フィーバーがビジネスメディア業界を引き付けている。この熱狂は、彼らの事業の後押しになっているようだ。

IPOの撤回から創業者アダム・ニューマン氏の奇行まで、パブリッシャーはWeWorkのドラマをこぞって報じている。詳細が明らかになっていくなか、このビジネスストーリーはエキセントリックさを増しており、読者が群がるためだ。

調査会社パセリ(Parse.ly)のデータによれば、9月の大半、ドナルド・トランプ米大統領選挙の弾劾に関する記事よりWeWorkの記事の方が数多くパブリッシュされたという(ただし、トランプ大統領の記事の方がトラフィックは多い)。

BIは6週間で250本以上

WeWorkの記事から、Business Insider(ビジネスインサイダー:以下、BI)は成果を挙げている。Googleの検索オプションでBIのドメインを検索すると、BIはWeWorkの記事を6週間で250本以上パブリッシュしている。創業者たちとニューヨークの神秘主義思想のカバラ組織の関係に切り込んだ記事、共同創業者レベッカ・パルトロー・ニューマン氏のプロフィール、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス米下院議員による論説記事などだ。BIの広報担当者は、WeWorkの記事を何本発行したか「確認できない」と話している。

BIの関係者によれば、「セックス、テキーラ、トラ:アダム・ニューマン氏のWeWorkの従業員が語る、1000億ドルの夢に向けたノンストップパーティーと夢の成就をはばむ混乱した現実(Sex, tequila, and a tiger: Employees inside Adam Neumann’s WeWork talk about the nonstop party to attain a $100 billion dream and the messy reality that tanked it)」と題された記事は、サブスクリプションサービスであるBIプライム(BI Prime)の開設後、2番目に多い購読者を獲得したという。この記事を担当した記者たちは、編集長のアリソン・ションテル氏からロックスター(Rock Star)賞を授与された。

フォーチュン(Fortune)の広報担当者によれば、同社のウェブサイトでは、WeWorkの記事の平均閲覧時間が全体平均の2倍近くに達しているという。不動産、金融、テクノロジー、クレジット、ウェルスのカテゴリーでWeWorkについて報じているブルームバーグ(Bloomberg)は5月、ブルームバーグ・ビジネスウィーク(Bloomberg Businessweek)の表紙でWeWorkを取り上げ、ラジオやテレビでもWeWorkの特集を組んでいる。

WeWorkの記事を書く理由

「確かに大量のトラフィックをもたらしてくれるが、それはWeWorkの記事を書く主な理由ではない」と、ブルームバーグのエグゼクティブエディター、トム・ジャイルズ氏は話す。「WeWorkは多くのリソースを投じているケースのひとつであり、その理由は重要な記事であること、端末とオンラインの両方で、読者の反響が大きいことだ」。

WeWorkの状況が悪くなるにつれて、報道のペースも加速している。ブルームバーグは4部門の記者8人を担当者に指名し、人員削減からアダム・ニューマン氏の不動産投資まで、WeWorkに関するさまざまなことを報じている。「彼らの見通しが悪くなるつれ、我々の報道は増加している」と、ジャイルズ氏は話す。

「WeWorkの記事は、会社の厳しい財務状況と不思議な決断を下すカリスマ的な創業者の組み合わせでできている」と、ウォール・ストリート・ ジャーナル(The Wall Street Journal:以下、WSJ)のグローバルブランドマーケティング担当バイスプレジデント、ポール・プラメリ氏は説明する。WSJは2019年の大部分、WeWorkの記事をコンテンツマーケティングに利用してきた。「米国だけでなく、世界の人々は、予測不可能なCEOたちが、とても気になるようだ」。

ブランドが得意とするもの

サブスクリプションサービスを展開するパブリッシャーは例外なく、購読者の心に響く何かを見つけ出している。たとえば、ニューヨーク・メディア(New York Media)は7月、ジェフリー・エプスタインの報道で大きな反響を得た。サブスクリプション、消費者収益担当ゼネラルマネージャーのジェイソン・シルバ氏によれば、ニューヨーク(New York)のデジタル版購読者にもっとも読まれた10記事のうち7記事がエプスタインに関するもので、新規購読者の50%以上がエプスタインの記事を少なくとも1本読んだという。

「ブランドが得意とするものをはっきり示す記事がブランドの価値を高め、それが購読者の獲得につながる。我々の場合、スキャンダル、権力、詐欺などの分野を得意としている」。

WeWorkの物語はすでに山場を迎えた。「大きなニュースはほぼ出尽くした」と、ジャイルズ氏は話す。「それでも、しばらく話題をさらい続けるだろう」。

Max Willens (原文 / 訳:ガリレオ)