あらゆる種類のパブリッシャーが最近、コンテンツスタジオに押し寄せている。主要プラットフォームと差別化して依存度を減らすのが、その目的の一部だ。だが、こうした試みの完成度が高くなりはじめるにつれ、業界や、パブリッシャーのコンテンツスタジオ内で、進化の次の段階がどういうものになるのか疑問視する声が出てきている。【※本記事は、一般読者の方にもnoteにて個別販売中(190円)です!】
あらゆる種類のパブリッシャーが最近、コンテンツスタジオに押し寄せている。FacebookやGoogle、その他の仲介業者などの主要プラットフォームと差別化して依存度を減らすのが、その目的の少なくとも一部となっている。だが、こうした試みの完成度が高くなりはじめるにつれ、業界や、パブリッシャーのコンテンツスタジオ内で、進化の次の段階がどういうものになるのか疑問視する声が出てきている。
コンテンツスタジオが直面する苦悩が大きくなっているのは、周知の事実だ。市場の動向を伺っている大手顧客の少数のキャンペーンを展開するのと、一定の流れ作業や、適正な利ざやが得られる持続可能なモデルを作るのは、別問題だ。
それでも、この分野の競争が激化し、エージェンシーとマーケターがこうした面でパブリッシャーと協力することにますます慣れていくなかで、コンテンツスタジオの一部のスタッフは、モデルが長期的に通用するのかどうか懸念を表明したり、少なくとも、市場にどれほど多くのコンテンツが入り込む余地があるのか疑問視したりしている。
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効果の追跡・測定が課題
「利ざやはすでに薄くなり、得るのがまったく容易ではなくなっている。キャンペーンを次々と制作するとなると、常に闘いだ」と、大手ニュースパブリッシャーのスタジオの営業幹部は語る。
ほかのパブリッシャーの場合、コンテンツスタジオの売り上げは、期待していたようには伸びていない。スタジオは基本的に、さまざまなチャネルを通じてメディアを再パッケージ化して販売するだけで、売り上げが結果的に収益につながっていないと語る者もいる。
ほかにも問題がある。マーケターは、パブリッシャーから得るコンテンツやサービスの効果に加えて、もっと広範にデジタルマーケティング支出についても、さらに厳しい質問をするようになりつつある。広告主は、ブランド化されたコンテンツキャンペーンの効果の追跡・測定にいっそう熟達しつつあると述べており、売り手もそれに同意している。
DIGIDAYの最近の調査では、マーケターの半数以上が、コンテンツマーケティングにおける最大の課題は、どの指標をどのように追跡するかを考えることだと述べている。
「もっと説明責任を求める動きがある」と、営業幹部はいう。
マネタイズの多角化
一方、パブリッシャーはほかのものに投資したがっている。多くのパブリッシャーは現在、サブスクリプションおよび会員制プログラム、コマースサービスなど、マーケターに依存する代わりにオーディエンスから直接的に売り上げを上げる方法を試している。パブリッシャーは売上モデルを多面的にできるが、資源を整理して、異なる優先事項の間で調整を行うのは、難しい場合もある。
ブランデッドコンテンツへのシフトの一般化に貢献した、BuzzFeedのようなパブリッシャーは、プログラマティックディスプレイ広告や会員制プログラムのような別の収入源にもっと労力を注ぎ込んでいる。一方、ガーディアン(The Guardian)など、事業に効率性をもたらす抜本的な改革を行っているパブリッシャーもある。
2019年にコンテンツスタジオがどう進化していくのか、パブリッシャーから依然として優先されているのか、それとも、ほかのチャンスやもっと魅力的な優先事項が生じて、脇に押しやられているのか、確認するのは興味深いことだろう。
Jack Marshall(原文 / 訳:ガリレオ)