ロイター(Reuters)では現在10人のスタッフが、Twitterアカウント用のビデオに関わっている。3つの言語で展開されているTwitterアカウントのうち、5つのアカウントにおけるビデオが、プレロール、ミッドロール広告、そしてビデオコンテンツ内におけるスポンサーシッププレースメントでマネタイズされている。
ロイター(Reuters)では現在10人のスタッフが、Twitterアカウント用のビデオに関わっている。それぞれのスタッフによって、ビデオ業務の関わり具合に差はある。3つの言語で展開されているTwitterアカウントのうち、5つのアカウントにおけるビデオが、プレロール、ミッドロール広告、そしてビデオコンテンツ内におけるスポンサーシッププレースメントでマネタイズされている。
ロイターTV(Reuters)とReuters.comのエグゼクティブディレクターであるダン・コラルーソ氏によると、GoogleのAMPからの収益とも並べるほどTwitterからの収益は大きくなっているという。「ひとつのプラットフォームにおけるプロダクトという点で見れば、Twitterがもっとも収益に貢献している」と、クラルーソ氏は述べた。しかし、取材の際に収益の具体的な数字は明かしていない。
「ビデオが一番明確だ」
ロイターは、ロイターTVからのライブ映像やパッケージ映像など、エージェンシー向けのものも消費者向けのものも含めて大量にコンテンツを抱えている。Twitterのビデオ投稿に関わっているスタッフは、グローバルでおよそ10人。そのうち3人がフルタイムのスタッフであり、残りの7人はそれぞれの業務の一部にそれが含まれていると、コラルーソ氏は説明する。マネタイズをしなくなったFacebookライブ業務から3人をTwitterにおけるビデオ投稿に異動したという。1週間のあいだに反応が良かったビデオやトラフィックを集めたビデオを週末に再投稿するという作業をしている。
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「我々が、しっかりとしたビジネスプランを持っているものなかでは、ビデオが一番明確だ。この構造から利益を得てきた。収益というのは、いやらしい言葉ではない」と、コラルーソ氏は言う。
ロイターのTwitter収益はほとんどが2000万人のフォロワーを抱える一番人気のあるアカウント、トップ・ニュース(Top News)から生まれている。このアカウントは、チューブラー・ラボ(Tubular Labs)によると、10月には3200万の再生回数を記録。一方、トップ・ニュースのFacebookフォロワー数は75万人だ。クラウドタングル(CrowdTangle)によると、トップ・ニュースはTwitterに1日数百のツイートを投稿。そして、過去6カ月のあいだでは、そのうち27%がビデオとなっている。ロイターの発表によると、毎日、18から20のビデオがインストリーム(In-Stream)を通じてマネタイズされている。

年間Twitterビデオ収益グラフ:2018年の月毎の収益を示している。
日本とスペイン語にも
9月には日本語とスペイン語で制作されたビデオのマネタイズも開始した。これによってマネタイズされたアカウント数は合計で5つになった。東京オフィスには2人のスタッフ、ブエノス・アイレスには1人がTwitterのビデオ業務のために常駐しているという。日本語ビデオの再生回数は素早い成長を見せている。Twitterのマネタイズを開始して約6週間が経った10月の時点で、ロイターの収益の16%はTwitterから来ており、これは億単位であると述べている。前四半期と比べても45%の収益増になると予測を出している。
ロイターのビジネス関連、国際関連のビデオ再生回数が成長していることが確認され、日本に新しく展開するべきだことが明らかになった。同時に日本におけるTwitter利用は成長し続けている。この2月には、Twitter社は日本における売上が2017年の第4四半期において34%の急上昇を見せ、1億600万ドル(約120億円)に達したと発表した。これは前年との比較だ。これによって黒字に転換している。また最近、Twitter社はスペイン語によるスポンサーシップを広告主に提供することで、拡大するヒスパニック系のオーディエンスにリーチしようとしている。
ロイターによると、ビッグニュースを扱ったビデオよりも、再生回数が比較的少ないビジネスフォーカスのビデオの方が、より高いCPMを通じて収益を生んでいるとのことだ。
「これが実際にビジネスとして成立することを証明したかった。ただクリックスルーや、プラットフォームによる施しの結果ではなく、質の高いコンテンツをしっかりと均質的に整理された状態で提供することで、金脈を掘り当てられるということだ」と、コラルーソ氏は言う。
常にTwitterを念頭に
ほかの多くのニュース編集部と同様、ロイターの消費者エディトリアルチームはその役割を柔軟化させている。特定のイベントに注目する形でTwitter上でのオリジナル番組を増やすために、ロイターTVのプロデューサーたちはTwitterで公開されるビデオを念頭に置くことになるだろう。
「サイトのインタラクティブな要素を開発しているスタッフ、ポッドキャストに出演しているスタッフ、といった区切りが越えられるようになってきた」と、コラルーソ氏は締めくくる。
Lucinda Southern(原文 / 訳:塚本 紺)