2023年6月中旬、デジタルメディアのリファイナリー29(Refinery29)は自身のTwitchチャンネルで、ライブショッピングストリーミングを試験的に開始した。これは、Twitchにおける同プラットフォーム自身ではない、サードパーティの企業あるいはブランド主催による初のライブショッピング体験となった。
リファイナリー29のTwitchチャンネルで開催されるこのライブショッピングイベントは、リファイナリー29が日焼けケアの重要性を読者に周知するキャンペーンの一環であり、同社いわく、待望のライブストリーミングだったという。内容は、皮膚科医を招いて日焼け止めに関する事実と神話をつまびらかにするもので、同社編集スタッフとボディペインティングストリーマーのスカイダディ(Skydaddi)氏が出演した。
「メディア業界はいま、広告販売のせいでもがき苦しんでいる。メディアの広告枠の売れ行きは極めて低調だ。デジタルだけでなく、印刷媒体でもそう言える」と、リファイナリー29のエンターテイメント部門ディレクターでTwitchチャンネルのリーダー、メリッサ・ヤン氏は話し、「そこで私は、あえて後戻りしたいと考えた。その基本にある考えは『なぜ革新にこだわるのか?』だ。ライブショッピングは収益源を確実に多様化できるビジネス事例にほかならない。つまり、我々にとっては完全に理に適った戦略と言える」と述べた。
ライブショッピングは双方向なエンターテイメント
リファイナリー29が実施した今回のライブストリーミングがとりわけ注目に値するのは、これがTwitchにおけるサードパーティ初のショッピングイベントだからだ。近年、Twitchはホリデーシーズンに毎年恒例のライブショッピングイベント「POG Picks」を開催しているが、このストリーミングはTwitchのオーバーレイツール「Stream Picks」を外部企業/ブランドが利用する最初の事例となる。
リファイナリー29の親会社バイスメディアグループ(Vice Media Group)は2023年1月、Twitchとレベニューシェア(収益分配)契約を締結しているが、今回の配信はリファイナリー29とTwitchの直接のパートナーシップによるものではない。
「これはTwitchアドバタイジング(Twitch Ads)とリファイナリー29との協力関係における、興奮に満ちた新たな一歩であり、我々はソーシャルとコンテンツの枠を超えて広告を共同販売していく」と、Twitchアドバタイジングのセールス&コンテンツパートナーシップ部門トップであるジェシー・ショウ氏は話す。「Twitchにおいて、ライブショッピングはただのソーシャルコマースではなく、双方向なエンターテインメントなのだ」。
2023年6月中旬、デジタルメディアのリファイナリー29(Refinery29)は自身のTwitchチャンネルで、ライブショッピングストリーミングを試験的に開始した。これは、Twitchにおける同プラットフォーム自身ではない、サードパーティの企業あるいはブランド主催による初のライブショッピング体験となった。
リファイナリー29のTwitchチャンネルで開催されるこのライブショッピングイベントは、リファイナリー29が日焼けケアの重要性を読者に周知するキャンペーンの一環であり、同社いわく、待望のライブストリーミングだったという。内容は、皮膚科医を招いて日焼け止めに関する事実と神話をつまびらかにするもので、同社編集スタッフとボディペインティングストリーマーのスカイダディ(Skydaddi)氏が出演した。
「メディア業界はいま、広告販売のせいでもがき苦しんでいる。メディアの広告枠の売れ行きは極めて低調だ。デジタルだけでなく、印刷媒体でもそう言える」と、リファイナリー29のエンターテイメント部門ディレクターでTwitchチャンネルのリーダー、メリッサ・ヤン氏は話し、「そこで私は、あえて後戻りしたいと考えた。その基本にある考えは『なぜ革新にこだわるのか?』だ。ライブショッピングは収益源を確実に多様化できるビジネス事例にほかならない。つまり、我々にとっては完全に理に適った戦略と言える」と述べた。
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ライブショッピングは双方向なエンターテイメント
リファイナリー29が実施した今回のライブストリーミングがとりわけ注目に値するのは、これがTwitchにおけるサードパーティ初のショッピングイベントだからだ。近年、Twitchはホリデーシーズンに毎年恒例のライブショッピングイベント「POG Picks」を開催しているが、このストリーミングはTwitchのオーバーレイツール「Stream Picks」を外部企業/ブランドが利用する最初の事例となる。
リファイナリー29の親会社バイスメディアグループ(Vice Media Group)は2023年1月、Twitchとレベニューシェア(収益分配)契約を締結しているが、今回の配信はリファイナリー29とTwitchの直接のパートナーシップによるものではない。
「これはTwitchアドバタイジング(Twitch Ads)とリファイナリー29との協力関係における、興奮に満ちた新たな一歩であり、我々はソーシャルとコンテンツの枠を超えて広告を共同販売していく」と、Twitchアドバタイジングのセールス&コンテンツパートナーシップ部門トップであるジェシー・ショウ氏は話す。「Twitchにおいて、ライブショッピングはただのソーシャルコマースではなく、双方向なエンターテインメントなのだ」。
苦境の2社によるイベント
また、今回のライブショッピングイベントはTwitchとバイスメディアグループがいずれも苦境にあるなかでの実施となった。Twitchは最近、クリエイターによるブランドパートナーシップの表示を制限する、ブランデッドコンテンツに関する最新ガイドラインを導入したこと(すぐに取り消したものの)で、猛烈な非難を浴びた。一方、バイスメディアグループは5月に破産を申告した。
そんな双方にとって、今回のライブショッピングイベントはいわば止血に打って付けの機会だ。Twitchにしてみれば、いまだ不満を抱くクリエイターらに新たな収益源の可能性を見せられる。一方、バイスメディアグループにとっては、財政難に挫けることなく、新たな収益源の確立に向けて実験を続けている姿勢を示すことができる。
しかしながら、「このパートナーシップに首を傾げざるをえないのは、これが持続可能なのかどうかがわからないからだ。リファイナリー29がこの先も存続するのかどうか、つまり、数週間後や数カ月後も同じことをしているのかどうかは、何とも言えない」と話すのは、Twitchのアフィリエイトストリーマーで、2023年2月にメディア企業によるTwitchの利用増に関する記事をメディエイト(Mediaite)に寄稿したジャーナリスト、ジュワン・ホームズ氏だ。「この一報を聞いた当初は私も、どんな展開になるのか楽しみだと思ったが、両企業のいまの立ち位置を考えると、長続きするとは思えない」。
ライブショッピングと既存コンテンツの融合
動画プラットフォームによるライブショッピング界への参入は無論、Twitchが最初ではない。近年、YouTubeやTikTokなどもライブショッピングツールを導入しており、リファイナリー29自身も2022年夏、YouTubeでライブショッピングを試験的に実施した。ただ、同年9月にチャンネルを立ち上げて以来、リファイナリー29はTwitchに相当な時間と資金を投じており、Twitchのライブショッピングオーバーレイツールへのアクセスを手にする以前から、自身のライブストリーミングコンテンツでビューティー製品を紹介していた。
今回の提携イベントで、リファイナリー29はTwitchのショッピング機能「Stream Picks」を利用。配信中は、出演タレントが特定の製品について語っているなか、ユーザーはオーバーレイインフォメーションボックスを見られる。画面にはユーザーをリテーラーのWebサイトに飛ばすアフィリエイトリンクが貼られており、リファイナリー29はすべての購入について、売上の一部を手にする。
「クリエイターらは懐疑的だが、リファイナリー29は今後、すべてのプラットフォームでライブショッピングの実験を続けていくつもりだ」と、同社のシニアエディトリアルディレクターであるカーリ・ホウィットウェル氏は話す。ただし現在のところ、主眼を置くプラットフォームはTwitchだという。
「私には、これはリファイナリー29のストーリーの延長線上にあるものに思える。我々のサイトには、ショッピングコンテンツがすでにあるからだ」とホウィットウェル氏は言う。「これは大きな飛躍だ。我々にはすでにサイト上に宝の山と言えるコンテンツがある。今度はそれを、成長著しい我々のTwitchオーディエンスに提供するだけだ」。
[原文:Refinery29 launches Twitch’s first third-party live shopping experience]
Alexander Lee(翻訳:SI Japan、編集:島田涼平)