今年は、困難で予測の難しい1年となった。メディア業界やマーケティング業界は、2021年がより良い年になるよう願っている。そんななか、エージェンシーよりも強気な見通しを持っているのがパブリッシャーだ。DIGIDAYリサーチにより、パブリッシャーの2021年の収益予想がエージェンシーよりはるかに高いことが判明した。
今年は、私たちの記憶のなかでもっとも困難で予測の難しい1年となった。メディア業界やマーケティング業界は、2021年がより良い年になるよう願っている。
米DIGIDAYは、12月に2週間にわたってパブリッシャー59社とエージェンシー39社を対象にアンケートを行った。
そんななか、エージェンシーよりも強気な見通しを持っているのがパブリッシャーだ。DIGIDAYリサーチにより、パブリッシャーの2021年の収益予想がエージェンシーよりはるかに高いことが判明した。
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米DIGIDAYが2つのアンケートを行った結果、パブリッシャーの回答者の55%が来年の2桁成長を予想しており、6社に1社が25%超の成長を予測している。
出典:米DIGIDAYによるパブリッシャー59社、エージェンシー39社を対象とした年末アンケート
その結果、全体として回答者の45%が、2021年の2桁成長を予測した。とはいえ、来年について弱気な見通しの企業は、強気な企業の割合を大きく超えている。特にエージェンシーでは、2021年の収益が今年と横ばいまたは減少と回答した割合が19%となった一方、25%以上収益が増加すると答えた割合は12%だった。
このように来年の見通しが大きく分かれたのは、強気な回答者の多くが、今年の顧客企業の反応について好意的な印象を持っていたためと考えられる。
いずれの業界の回答者も、2020年がメディアおよびマーケティング業界にとって難しい年だったという点では見解が一致している。一方で、自社の2020年の取り組みが良いものだったという回答もまた非常に多い。エージェンシーの回答者の64%、パブリッシャーの回答者の59%が、2020年の企業の取り組みが成功だったと回答している。
出典:米DIGIDAYによるパブリッシャー59社を対象とした年末アンケート
2021年に向けて、パブリッシャーや広告主は自社の業績見通しについて強気な姿勢を見せる一方、業界全体の見通しについては弱気な回答をしている。
たとえば、回答者の80%が自社の見通しについて楽観的であり、さらに40%は非常に楽観的と回答した。一方、パブリッシャーでは2021年のメディア業界の見通しについて楽観的だったのは回答者の56%にとどまり、非常に楽観的と回答したのはわずか15%だった。
転じてエージェンシーを見ると、各社の意見は似通っている。82%が、2021年の自社について楽観視している。一方、業界全体の見通しは悲観的で、2021年のエージェンシー全体の見通しを非常に楽観的と回答したのはわずか7%にとどまった。
出典:米DIGIDAYによるパブリッシャー59社を対象とした年末アンケート
[原文:Digiday Research Publishers see double-digit revenue growth in 2021, agencies more bearish]
MAX WILLENS(翻訳:SI Japan、編集:長田真)
Illustration by IVY LIU