女性向けライフスタイルメディア「ポップシュガー(PopSugar)」は、まもなく設立から10年を迎える。その10年間に、創設者のブライアン・シュガー氏はデジタルメディアの盛衰を見てきた。そんななか、シュガー氏が取り組んでよかったと回顧する初期の方策のひとつに、ディスプレイ広告に依存しないという方針がある。
米DIGIDAYの取材で、アパレルメーカーのJ.クルー元幹部であるシュガー氏は「eコマース出身の我々は、ディスプレイ広告に金をかけなかった」と語った。「我々はパフォーマンス・マーケティングに金をかけた。アフィリエイト・マーケティングがオンライン広告費の非常に大きな構成要素になると、私は確信していた」とシュガー氏。
代わりにポップシュガーが構築したのは、分散型のメディア事業だ。同社のビジネスモデルでは、ディスプレイ広告とネイティブプログラムが販売されるいっぽうで、アフィリエイト手数料やサブスクリプションボックス(加入者に定期的に届けられる製品の詰め合わせ。マーケティング戦略の一種)、そしてショッピング検索エンジン「ショップスタイル(ShopStyle)」が利益を生んでいる。
女性向けライフスタイルメディア「ポップシュガー(PopSugar)」は、まもなく設立から10年を迎える。その10年間に、創設者のブライアン・シュガー氏はデジタルメディアの盛衰を見てきた。そんななか、シュガー氏が取り組んでよかったと回顧する初期の方策のひとつに、ディスプレイ広告に依存しないという方針がある。
米DIGIDAYの取材で、アパレルメーカーのJ.クルー元幹部であるシュガー氏は「eコマース出身の我々は、ディスプレイ広告に金をかけなかった」と語った。「我々はパフォーマンス・マーケティングに金をかけた。アフィリエイト・マーケティングがオンライン広告費の非常に大きな構成要素になると、私は確信していた」とシュガー氏。
代わりにポップシュガーが構築したのは、分散型のメディア事業だ。同社のビジネスモデルでは、ディスプレイ広告とネイティブプログラムが販売されるいっぽうで、アフィリエイト手数料やサブスクリプションボックス(加入者に定期的に届けられる製品の詰め合わせ。マーケティング戦略の一種)、そしてショッピング検索エンジン「ショップスタイル(ShopStyle)」が利益を生んでいる。
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「ディスプレイ広告は最終目標にはならないことが、私にはわかっていた。なぜなら、消費者と広告主のあいだでインセンティブのバランスが取れていないからだ」とシュガー氏は語る。「もしバランスが取れているのであれば、もっと良い成果が得られているはずだ。広告主は消費者に、コンテンツを読むのを中断して広告を見させたいと思うし、消費者はコンテンツを読みたいと思っている」。
以下、ポッドキャストで収録されたシュガー氏の発言のハイライトを紹介する。
モバイルバナー広告は死にゆく運命。
ポップシュガーの現状は、トラフィックの60%がモバイルに流れている。検索エンジンであるショップスタイルでは、コンバージョン率が3分の2も低下しているという。原因は、会計時におけるユーザーエクスペリエンスの低下だ。Webサイトとしてのポップシュガーにとって、この流れはショップスタイルほど厳しいものではないが、かといって素晴らしいものでもない。デスクトップ広告に肩を並べるほど、ディスプレイ広告は効果がない、とシュガー氏は語る。それが問題なのだ。
「2017年までに、ポップシュガーが運営するどのWebサイトを見ても、ディスプレイ広告やバナー広告は消えているだろう」と同氏は語った。「そうなれば、ページの読み込みもずっと速くなる。どうせ誰もクリックしないのだから」。
ポップシュガーはプログラマティックには興味がない。
シュガー氏は、デスクトップからのモバイルシフトにフォーカスしている。これはつまり、ネイティブ広告の重視を意味する。プログラマティックは彼の関心の対象外だ。
「モバイルでのプログラマティックについては意味が感じられない。デスクトップビジネスの最適化に必死で取り組んでいるのなら、プログラマティックは効果的だ。現在のところ、我々のデスクトップビジネスは好調だ。しかし、モバイル向けのプログラマティック製品については、『これを使ってみようじゃないか』というものに出会ったことがない」。
アドブロックは消費者が広告にウンザリしているしるしだ。
一部の者はアドブロックについて、過剰に喧伝されているトレンド、あるいは便宜主義者の戯言にすぎないと片付けてしまっている。しかしシュガー氏は、無料コンテンツと不愉快なユーザーエクスペリエンスを取引させるというやり方には、とりわけ若い消費者はウンザリしていると確信している。
「広告主は、過剰に表示されるポップアップ広告で消費者を怒らせる悪者になりたくない、と気づきつつある」と同氏は語った。
eコマースとコンテンツを協調させることは可能。
表面上は、ポップシュガーとショップスタイルに共通点はさほどない。前者はコンテンツサイトであり、後者はファッション検索エンジンだ。そして広告主に対して、両者はそれぞれが異なったソリューションを提供する。ポップシュガーがブランド広告を手がけ、同時にショップスタイルは買い手に品物を届けることに焦点を絞ることができる。
「我々は、サイト訪問者から顧客までの全体に販売活動を行っている」とシュガー氏。「ポップシュガーで発見を売り、ショップスタイルで実用的なモノを売ることができる。我々が事業として小売業に進むとき、そこには相乗効果が生まれる」。
しかし、大半のコンテンツサイトはeコマースで儲けられないだろう。
「Gawker」から「Vox.com」まで、「eコマース」の要素をメディア事業に追加することが流行している。しかし、コンテンツサイトという環境でのeコマース取引量は、これからもずっと少ないままだろうとシュガー氏は語る。なぜなら検索エンジンと比較すると、コンテンツサイトにはもともとその意図がないからだ。
「今後もそれが付属的な域を出ることはないだろう」と同氏は語った。
Brian Morrissey(原文 / 訳:ガリレオ)
Image via 米DIGIDAY