ピンタレスト 、新たな「レベニューシェア広告」をテスト中:まずはテイストメイドをパートナーに

ピンタレスト(Pinterest)が、動画広告を数多く掲載するパブリッシャーとの独自の共同販売協定に基づいて売上を分配する、新しい広告モデルを同プラットフォームでテストしている。これまでのピンタレストの動画キャンペーンと異なり、パフォーマンスが高いパブリッシャーは独自のスタイルで動画を制作する。

今のところは実験段階で、テイストメイド(Tastemade)が契約する最初のパブリッシャーであり、試験的に初期投資するブランドはコーンチップスナックのフリトス(Fritos)だ。

このレベニューシェア広告モデルは、ピンタレストが提供するユーザーのファーストパーティデータと話題のトピックやブランドに関するインサイトを頼りに、どんなコンテンツがプラットフォームでパフォーマンスがよいかを判断する。そして、パブリッシャーがコンテンツ(特に動画コンテンツ)の制作に責任を負う。

ユーザーを知り尽くしているピンタレスト

フリトスとの今回のキャンペーン第1弾には、フリト・タコ・キャセロールや甘じょっぱいフリトスクッキーなど、いくつかのレシピ動画が含まれている。テイストメイドが最近利用している俯瞰ショットでの「実演」形式の動画で、テイストメイドとフリトスのロゴが右下隅に表示されている。ピンは、ピンタレストのフリトスのページに公開されているが、プラットフォーム全体で宣伝されている。

テイストメイドもピンタレストも売上の分配内容を明らかにしていないが、両社ともに手数料は業界標準に劣らないもので、テイストメイドの取り分が少ないという。

ピンタレストで米国におけるパートナーシップ担当責任者を務めるメレディス・ゲリエロ氏によれば、テイストメイドのピンタレスト上での月間視聴者数は現在8700万人に達しているという。また、2年前に初めて動画の投稿を開始して以来、動画ピンでの視聴回数が20億回を超えたとテイストメイドで販売およびブランドパートナーシップ担当責任者を務めるジェフ・インバーマン氏は話す。

テイストメイドは過去にも売上のすべてを確保できるキャンペーンをピンタレストで実施している。だが、インバーマン氏がいうには、レベニューシェアを採用する魅力は、ピンタレストが「望める以上にユーザーについて知っている」ことにあるという。「ピンタレストのような目的特化型プラットフォームは、ユーザーのプラットフォーム上での反応という(ユーザーに関する)知識のを豊富に有している。それに、ユーザーのピンタレストでの行動はTwitterやFacebookなどのプラットフォームでの行動とは異なる」とインバーマン氏は指摘する。

インバーマン氏によると、テイストメイドとピンタレストはいずれもフリトスを広告主として関係を持っていたという。だがその点を加味しても、ピンタレスト上でフリトスの検索件数が増加しており、すでにオーガニックに話題になっているので、この実験にぴったり合っているようだと述べている。

テイストメイドは「創造力」を提供

ゲリエロ氏によれば、2019年5月から2020年5月の期間に、ピンタレストでの「フリトスを使ったタコ・ベイク」の検索は前年比で400%近く増加し、「フリト・タコ・キャセロール」は96%増、「心が安らぐ料理レシピ」は165%増だったという。そのうえ、人々が家庭でより一層料理をし始めたため、レシピ全体の検索が新型コロナウイルスのパンデミック中に大幅に増加した

ピンタレストは、テイストメイドが単独では利用できない「手段を用いてパフォーマンスを引き上げる」こともできる、とゲリエロ氏は語る。だが、動画の制作のような「組織としてピンタレストが長けていない」創造力をテイストメイドは提供できる、とインバーマン氏はいう。

ゲリエロ氏によれば、これまでのところ動画は予想されていた数値を上回っているという。ピンが最初に投稿されてからの1週間でユニークユーザー数は670万人を突破し、ユーザーのアカウントへの保存件数は3万7000件を上回ったが、これはピンでのピンタレストの平均保存率の2倍にあたる。

ほかのパブリッシャー向けにこの広告モデルを展開する決まったスケジュールはないとゲリエロ氏は述べたが、食品カテゴリーを超えてライフスタイルカテゴリーへ拡大する計画がある、と付け加えた。

Facebookボイコットが追い風に

eマーケター(eMarketer)によると、ピンタレストはSnapchat(スナップチャット)を抜いて、2019年に米国で3番目に人気が高いソーシャルメディアプラットフォームに浮上した。ユーザー数はSnapchatの推定値8310万人に対し、ピンタレストは約8600万人と推定されている。

マーケットウォッチ(MarketWatch)によると、ピンタレストの売上総額は2019年に10億ドル(約1072億円)を超え、2020年には15億ドル(約1609億円)に達する見込みだという。

また、ソーシャルメディアエージェンシーのウィー・アー・ ソーシャル(We Are Social)でマネージングディレクターを務めるベンジャミン・アーノルド氏は、Facebookに対するボイコットが勢いを得ているなかで、ブランドはメディア予算をほかのプラットフォームにシフトすることを検討しているが、TwitterやYouTubeなどもヘイトスピーチから利益を上げる方法を変更するよう圧力にさらされていると語る。

「ピンタレストが(Facebookに対するボイコットの)恩恵を主に受けるのは確実で、今回の共同販売のような新しい広告機能によりマーケターにとっては魅力がさらに高まるだろう」とアーノルド氏は述べた。

[原文:Pinterest testing new co-sold, revenue-share ad model for publishers with Tastemade

Kayleigh Barber(訳:ガリレオ、編集:分島 翔平)