Facebook ライブ動画 、 Twitter でも配信したNHLの狙い :「Twitterはもっともリアルタイム」

ナショナル・ホッケー・リーグ(以下、NHL)は2018年、スタンレー・カップ・ファイナルの試合前番組として、「スタンレー・カップ・ライブ(Stanley Cup Live)」をFacebookのライブ動画として初公開した。その1年後、今年の優勝決定戦に向けて、その番組を復活させ、配信プラットフォームにTwitterも追加した。

NHLは5月27日から、スタンレー・カップ・ファイナルの各試合の前に、FacebookとTwitterで「スタンレー・カップ・ライブ」のライブストリーミングを行った。今年度版「スタンレー・カップ・ライブ」には、スポンサーがいる。ニュー・アムステルダム・ウォッカ(New Amsterdam Vodka)だ。同社は2018年10月、ブランド契約に従って後援し、NHLの公式ウォッカスポンサーになった。ニュー・アムステルダム・スピリッツ(New Amsterdam Spirits)のマーケティング担当ディレクターであるマイケル・サックス氏によると、番組ではニュー・アムステルダム・ウォッカを使用して作られたカクテルやブランドのロゴが登場したという。

ライブストリームは主にFacebookを中心として、その双方向機能を利用する。だが、NHLは、より多くの人々にリーチして、試合のテレビ放送にチャンネルを合わせるよう促すために、Twitterで番組を同時配信することにした。

「できるだけ広範囲に広げたい。Twitterはもっともリアルタイムなプラットフォームだ」と、NHLのソーシャルメディア担当ディレクターを務めるショーン・デニソン氏は語る。FacebookとTwitterはいずれも、若い視聴者にリーチするのに効果的で、両プラットフォームで、より多くの視聴者にリーチするため、ライブストリームを促進するためのツールを提供しているという。NHLの広報担当者によれば、昨年は、「スタンレー・カップ・ライブ」の視聴者の56%が18~34歳だった。

FacebookとTwitterの違い

「スタンレー・カップ・ライブ」をFacebookとTwitterで同時配信するというNHLの決定は、両プラットフォームのライブストリーミング製品の類似性を示唆しているが、両者の違いも示している。一部のパブリッシャーはこの1年間に、Facebookのライブ動画の視聴回数が減少しているが、アイアンマン(Ironman)、クロスフィット(CrossFit)、ワールドサーフリーグなどのスポーツ組織は、Facebookを採用して試合の配信を行ってきた(クロスフィットはその後、Facebookのデータプライバシー問題を受けて、Facebookアカウントとインスタグラム(Instagram)アカウントを削除している)。また、「サーズデーナイトフットボール」(TNF)の試合をかつて配信していたTwitterは、NFLやNBA、MLSと契約を結んで、ライブ番組のストリーミングを行い、場合によってはライブゲームを配信してきた。だが、Facebookは、配信中に視聴者が番組とやりとりできるツールをより多く提供しているため、「スタンレー・カップ・ライブ」の配信プラットフォームにとどまっている。

「Facebookのライブ動画で重要なのは、技術によってライブ番組をエンゲージメント要素と結びつけられることだ」と、NHLのCMOを務めるハイジ・ブラウニング氏は語る。

ライブストリーム中に、Facebookの視聴者は投票に参加したり、質問をコメントに残して、番組の司会やゲストにカメラの前で答えてもらったりできる。Twitterの視聴者は、そうしたライブ投票の結果や、ストリーム内のコメントを見ることはできるが、参加はできない。ただし、Twitterのほかの視聴者がライブストリーム中に見ることができるコメントを投稿できる。Twitterのストリームは、「いくらか受動的な視聴だが、それでも楽しめるだろう」と、デニソン氏はいう。

番組内容とその宣伝計画

番組では、NHLの元選手でスタンレー・カップのチャンピオンであるアダム・ブリッシュ氏と、NHLネットワーク(NHL Network)の女性司会者であるジャッキー・レドモンド氏のふたりが、各試合会場の外で、有名人にインタビューして、ファンから寄せられた質問をする。エピソードは各試合がはじまる1時間半前に配信され、Facebookが推奨する最小時間である、10分以上ストリーミングされる。「オーディエンスを構築するための基本の長さだと、Facebookが判断した時間だ」と、デニソン氏はいう。

番組のためのNHLの宣伝計画には、FacebookやTwitterでのオーガニックな投稿や、ウェブサイトに公開される投稿、NHLファンのオプトインデータベースに存在する全員に送信する予定のメールが含まれると、ブラウニング氏は語る。NHLとニュー・アムステルダム・ウォッカはまた、各インスタグラム(Instagram)アカウントに投稿を公開して番組を宣伝すると、サックス氏は述べている。

「スタンレー・カップ・ライブ」のオーディエンスをさらに構築するためにNHLは、ライブストリームに結びつくエピソード間の動画を制作する。たとえば昨年、ある試合がラスベガスで開催されたときにライブストリームの視聴者は、ブリッシュ氏とレドモンド氏が結婚式をご破算にすべきか、結婚すべきか、投票するよう求められた。視聴者は後者を選択し、ブリッシュ氏とレドモンド氏は、「スタンレー・カップ・ライブ」の次回エピソードの前に、偽のプロポーズシーンを撮影し、Facebookに投稿された。ブラウニング氏によれば、ライブエピソードと、NHLが昨年、Facebookで「スタンレー・カップ・ライブ」向けに投稿した録画済み動画で、NHLは293万回視聴されたという。エピソードの視聴の大多数はライブストリーム中に行われたと、NHLの広報担当者は述べている。

Tim Peterson(原文 / 訳:ガリレオ)