NYT流、新しい サブスクリプション 製品の開発方法:特命チームの狙い

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)はサブスクリプション会員に提供するプロダクトをさらに追加しようとしている。

先日彼らが発表したのは子どもを持つ親たちのためのサブスクリプションプロダクト開発チームだ。クッキングとクロスワードのアプリをすでにローンチしているニューヨーク・タイムズだが、今回の親向けのプロダクトは一点異なっている。クッキングとクロスワードのコンテンツは過去のコンテンツアーカイブの再利用だが、どうもこの親向けプロダクトは、アーカイブに存在する過去のコンテンツをもとにしたものではない。彼らの新プロダクトベンチャー部門が発足されたのは8カ月前。すぐに使えるコンテンツが存在しているかどうかではなく、マーケットにおいて有利な分野かどうかが、このチームのフォーカスとなっている。

「(子育て)に関する記事はそれほどたくさんは制作していない。いま何が起きているかよりも、(部門が生み出すプロダクトが)何が可能かを描いてみることに、いまはフォーカスしている」と語ったのは、新プロダクトベンチャー部門の責任者であるアレックス・マッカラム氏だ。彼の直属の上司はニューヨーク・タイムズ全体の最高執行責任者であるメレディス・コピット・レヴィエン氏である。

読者が求めているもの

マッカラム氏と彼の同僚たちは、ニューヨーク・タイムズが抱えるデザイン、テック、エディトリアル、データ、広告部門と一緒にどのカテゴリーだとうまく行くかを検討した。検討したカテゴリー数は15に上る。その結果、出た結論が子育てカテゴリーだ。新しいプロダクトを検討するにあたっての判断基準は次の4つ。マーケット機会、サブスクリプションベースのビジネスポテンシャル、マーケットで満たされていないニーズ、そのニーズをニューヨーク・タイムズが満たすうえでアドバンテージを持っているかどうか。彼らは定量的データと、定性的データの両方を活用した。子育てに関してニューヨーク・タイムズの読者たちは、ほかのメディアで情報を仕入れており、ニューヨーク・タイムズにももっとコンテンツを出して欲しいと思っていることが分かったのだ。

次のステージでは、フォーカスグループや一対一のインタビューを行って実際に親たちが何を必要としているのかを聞き取ることだ。それによって今年中にはプロダクトのプロトタイプをリリースする計画をしている。

プロダクトには広告も含まれるかもしれない。しかし、あくまでもユーザーの習慣の一部となる、主にサブスクリプションベースのサービスとして成り立つことがゴールだ。

もっとも大きな収益源

ニューヨーク・タイムズにとってサブスクリプション関連の収益は、いまやもっとも大きな収益源となっている。これをさらに成長させるための手段として、このプロダクトが開発されている。ザ・インタラクティブ・ニュース部門では長い記事に対してインタラクティブな要素を構築することをはじめている。読者向けのカレンダーツールなどユーザーのロイヤリティを育成するために時間を費やしている。

サブスクリプションサービスは失敗も経験している。ニューヨーク・タイムズの場合は、2016年にそれを経験している。しかし、クロスワードやクッキングはタイムズ社の収益において、十分な存在感を持つほどに成長した。第1四半期においては、480万ドル(約5.2億円)の収益を出している。この四半期におけるデジタルのみのサブスクリプション収益は、合計で9540万ドル(約105億円)だった。

Max Willens(原文 / 訳:塚本 紺)