トラッキングピクセル はもう不要?:NYT の SNS プロモーションを支える「データ戦略」

ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)はプラットフォームが抱えるトラッキングピクセルを使わずにFacebookとTwitterにおいて、どの記事をプロモーションするかを決めるための新しいテックツールを開発した。

TAFI(Twitter and Facebook Interface)と呼ばれるこのツールは、特定のオーディエンスとのソーシャル上のエンゲージメントをもっとも引き出す記事がどれかを測定し、パフォーマンスの高い記事をプロモーションしながら、パフォーマンスの低い記事は排除するようにプロモーションの割当を調整する。

「我々のテストにおいて、手動のキャンペーンの半分(の注文毎コスト)で基本的に稼働できることがわかった」と、ニューヨークタイムズでこのツールを開発したシニア・データサイエンティストであるコリン・ラッセル氏は言う。

読者のブラウザ履歴は不要

ニューヨークタイムズはすでに、そのほとんどのページにおいてFacebookとTwitterのトラッキングピクセルを使っていない。主任データサイエンティストであるクリス・ウィギンズ氏は、読まれるコンテンツのタイプについての洞察を得るために読者のブラウザ履歴を使うのではなく、記事がソーシャル上でどのようなオーガニックパフォーマンスを見せているかを調べ、それをニューヨークタイムズの読者の興味関心関連のデータに加えると述べた。

過去10年にわたり、ソーシャルメディアプラットフォームにおけるトラッキングピクセルだけがマーケターにとって効果的かつ賢いマーケティングキャンペーンを実行する方法だと信じられてきた。

ウィギンズ氏は言う。「トラッキングピクセルを使った読者履歴を明かすことなく、我々のデータを使うことができると証明することができている」。

低いCPOを達成できる

すべての記事と閲覧ページからトラッキングピクセルは取り除かれたと、ラッセル氏は言う。しかし、サイト上にはいくつかトラッキングピクセルがまだ残されたページがあるという。それがどのページかはラッセル氏は明かさなかった。

「TAFIはFacebookとTwitter上で効率的にお金を使う。それによって非常に低いCPOを達成でき、その結果これらのプラットフォームをより活用する方向に促されるため、彼らは確実に恩恵を受けている。我々は同じ支出に対してより大きな成果を得られる」と、ラッセル氏は述べた。

キャンペーンの成果をトラッキングする手法の効率が改善することで、これらのプラットフォームにどれだけのお金が費やされるべきか、という計算も変化を見せている。キャンペーンに無駄な支出がないことをマーケティング部門も確信しているからだ。

ほかのプラットフォームへも

このツールのアイデアは約2年前に登場し、1年半前にグローバルなキャンペーンを運営するためにローンチされた。そして1年前に、サードパーティによるサブスクリプションマーケティングのパートナーシップから撤退したのだ。

近い将来における目標は、このツールをSnapchat(スナップチャット)やレディット(Reddit)といった他のプラットフォーム、そして有料検索や有料ディスプレイ広告などにも活用することだ。

Kayleigh Barber(原文 / 訳:塚本 紺)