メレディス(Meredith)は、インスタグラム(Instagram)の長尺ライブ動画サービス、IGTV向けに10番組を制作することを10月に発表した。同社はこれまでにIGTVで14番組を公開し、今年半ばまでに新たに6番組の公開を予定している。メレディスはIGTVを使って利益を上げており、強気に出ている。
メレディス(Meredith)は、インスタグラム(Instagram)の長尺ライブ動画サービス、IGTV向けに10番組を制作することを10月に発表した。
現在その数は増え、メレディスの動画シニアバイスプレジデント、アンドリュー・スナイダー氏によると、同社はこれまでにIGTVで14番組を公開し、今年半ばまでに少なくとも新たに6番組の公開を予定している。IGTVはインスタグラムのストーリー(Stories)と同様にメインストリームに切り込むことに苦労しているが、メレディスはIGTVを使って利益を上げており、強気に出ている。
スナイダー氏によると、メレディスはIGTVの番組全体の合計で2000万を超える視聴数を記録しているという。ファーストメディア(First Media)、グループナイン(Group Nine)、ウィスル(Whistle)といったパブリッシャーのなかには、ひとつのIGTV動画で何百万もの視聴数を記録するところもあるが、パブリッシャーたちがIGTV動画の視聴数を増やすことに当初苦労していたことを考慮すると、この数字は期待できる。いずれにしても、メレディスのIGTV番組は、広告主の利益と投資を保証するのに十分な視聴数を獲得している。メレディスのデジタルセールス担当シニアバイスプレジデント、マーラ・ニューマン氏は、5社以上の広告主と契約を結び、彼らのブランドを番組コンテンに組み込むことで番組に出資してもらっているという。ニューマン氏は広告主の名前を明らかにしなかったが、金融、旅行、食品、自動車、そして高級ブランドのマーケターたちが含まれているという。
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メレディスの成功要因
メレディスによるIGTV広告販売の取り組みは、インスタグラムがまだその長尺動画サービスを広告主に開放していないという事実によって助けられている可能性がある。IGTVを使用して、広告主たちとより広範なスポンサーシップ取引を確保することで、その機会をメレディスはつかんでいる。「IGTVへの関心がリードにつながる可能性は高いが、メレディスが広告主に提供できる大きさと深さを理由として、我々がひとつのことだけを売り込むことは決してない」と、ニューマン氏は述べている。
スナイダー氏もメレディス広報担当も番組視聴者の年齢層を進んで公表してはいない。だが、広告販売に関するメレディスの取り組みを後押ししているのは、その番組が若いオーディエンスにアピールしているからかもしれないと、スナイダー氏は言う。
メレディスは、よりニッチなトピックに焦点を当てているIGTVの番組が、ことのほか評判が良いことを実感している。たとえば、マーサ・スチュワート・リビング(Martha Stewart Living)は、家の装飾から料理、手芸に至るまで、すべてを網羅する出版物だ。しかし、その最初のIGTVショー『フロステッド(Frosted)』では、「パティシエみたいなフロスティング、グレージング、アイシング」の方法にテーマを絞ったと、スナイダー氏は述べた。この週1回の番組は、2月11日の開始以来9つのエピソードが公開されており、1エピソードの平均視聴数は49万を記録している。「どこまで特定の話題に絞りこむことが番組制作で可能であるかを示す、非常に良い例のひとつだ。オーディエンスがその戦略に本当に良く反応していることがわかる」と、スナイダー氏は語る。
決まったアップロードスケジュールにこだわることも、IGTVの番組オーディエンス構築に役立つ。シリーズもののレギュラー番組制作は、IGTVで特にうまくいっている。なぜなら、新しいエピソードを見るために、決まった日にチャンネルを合わせる習慣をオーディエンスが持つようになるからだと、インスタグラムの幹部は、これまでに述べている。「頻度と継続性が重要だ。将来を見据え、そして、これから公開する次の番組6本のあと、我々が計画していることのひとつは、いかに視聴の頻度と継続性を高めていくかであり、それによりオーディエンスに飽きられないようにすることだ」と、スナイダー氏は述べた。
機能更新も後押しに
インスタグラムのメインフィードでIGTV動画の1分間の予告が挿入されるようになった2月のように、インスタグラムが機能を紹介し、人々の注目をIGTVへ向けることも、もちろん後押ししている。スナイダー氏によると、メレディスのIGTV番組では、IGTV動画のインフィードプロモーションの導入によって、「各エピソードの平均視聴数に関しては、2桁の上昇」となったという。
その改善による影響は、フード・アンド・ワイン(Food&Wine)のクッキングショー『クックス(Cooks)』の視聴者数でも明らかだ。2月1日に始まったこの週1回の番組は、最初のエピソード2本の視聴数はわずか1万1000と1万3000だった。しかし、インスタグラムがインフィード予告動画を流しはじめてから1週間後のエピソード3はその数が倍になり、その後4月5日にアップロードされた最新エピソードまで倍増を続け、この番組の1エピソードあたりの平均視聴数は28万7000を記録している。「宣伝が重要だ」と、スナイダー氏は言った。