アクシオス(Axios)は2022年のイベントについて、現在調整中だが、今年初の対面イベントは4月上旬に開催される予定だ。このイベントは創業6年目の同社で最大のイベントであり、2020年3月の新型コロナのパンデミックが始まってから2度目の対面イベントとなる。
ほかのメディアの例に漏れず、アクシオス(Axios)も2022年のイベントは現在調整中だが、今年初の対面イベントは4月上旬に開催される予定だ。
このイベントは創業6年目の同社で最大のイベントであり、2020年3月の新型コロナのパンデミックが始まってから2度目の対面イベントとなる(初回は2021年11月に開催された5Gフォーラム)、重要なイベントだ。
2022年4月4日~5日にワシントンDCで開催予定のイベント「ワッツ・ネクスト・サミット(What’s Next Summit)」は、2021年夏に発行をはじめたアクシオスのニュースレター「ワッツ・ネクスト(What’s Next)」から生まれたものだ。このニュースレターは、新型コロナのパンデミックが働き方や遊び方、時間の使い方をどのように変えたのかを取り上げており、アクシオスの編集長サラ・ケハラウニ・グー氏によれば、今回のイベントでもさまざまな業界から企業の経営陣を招き、それぞれの分野の経験したチャレンジや変化について語ってもらおうと考えていると話す。
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「ワッツ・ネクスト・サミット」概要
今後、年1回の開催を予定しているこのサミットは、バーチャルで実施される予定で、メインステージの討論会の様子はライブストリーミングで配信されるが、プログラムの肝は対面部分にある。アクシオスのイベントおよびクリエイティブ戦略担当シニアバイスプレジデントのクリスティン・バークホルター氏によると、オミクロン株の収束が見込めない、あるいは、また別の株が猛威を振うなど、イベントの安全性が危惧される事態になれば、アクシオスはイベントを延期し、少人数での勉強会や座談会のような対面プログラムが実現できるように調整するという。なお、このイベントは無料で参加、視聴が可能になる予定だ。
サミット会場出席予定者は約220名で、グー氏の編集チームによる選りすぐりのリーダーたちだ。彼らは招待客として出席するため、参加費を払う必要はないとバークホルター氏は話す。招待客をさらに約120名に限定し、対面の勉強会にも出席できるようにする。この絞り込みには招待客同士のやりとりを抑える目的もあるが、参加者各人が持ちよる特定の問題の解決に焦点を絞り、効率的に話を進めるためでもある。アクシオスの広報担当者によると、同社はイベント開催にあたり、ワシントンDCのワクチン接種に関する指針を遵守しており、参加者は全員、ワクチン接種証明の提示が求められるという。
不確実な時代こそ柔軟なスケジュール対応を
対面の要素は、サミットの成功に不可欠であるため、バークホルター氏とグー氏の両者からすると、出席者の安全を考えてイベントを運営するには、日程を柔軟に考えなければならない。しかしながら、このイベントはスポンサー収入以外に収入源がないため、スケジュールに変更が生じた場合にはスポンサーに納得してもらうことも同じように重要になる。
現時点でスポンサー契約をすませているのは、メタ(Meta)とデンシティ(Density)を含む4社で、いずれの企業も対面化を進めている。バークホルター氏によると、今回のスポンサー契約は「オール・オア・ナッシング」型で、イベント広告主がバーチャルのみのスポンサー契約を選択することは不可能だ。また、編集プログラムを中心にイベントを展開できるのは、スポンサーを限定したからであり、利用可能なスポットは対面化に資金援助の意志を示してくれたスポンサーのために確保していると同氏は話す。なお、アクシオスは今回のイベントに対する各スポンサーの協賛金額に関して情報を開示していない。
スポンサーに「オール・オア・ナッシング」の契約に同意してもらうカギは、アクシオスがイベントの緊急時対応計画をはっきり述べて、契約書にも明記することだとバークホルター氏は話す。
以前メディアエージェンシーの経営に携わっていた人物(現職の関係で、氏名を伏せる条件のもと話を聞かせてくれた)によると、ことイベントの提携に関しては、柔軟性が必要条件になるという。「柔軟な対応がなければ誰も巨額を注ぎ込まないし、もし[パブリッシャーが]柔軟な対応を示さないのなら、[デジタルコンポーネントを追加して]すばらしいパッケージを提案しなければなくなる」。
やはりハイブリッドより対面
2021年、アクシオスは100件を超えるバーチャルイベントと、対面イベントを1件、それぞれ主催し、同社の発表によると、イベントの収益は2020年から2021年で41%上昇したという。アクシオスのイベントはすべて参加無料で、収益はスポンサー収益のみに依存している。また、バーチャルイベントのスポンサーは、イベントあたり1社で単独スポンサーの傾向が見られる。イベント関連の収益は今年2022年も引き続き増加するだろう。なお、アクシオスのイベント担当チームはスタッフ13人で構成されている。
ブランド各社はおおむね、オミクロン株が猛威を振るう現状にあっても対面イベントに戻りたいと考えている。
体験型エージェンシー、ホークアイ(Hawkeye)のエクスペリエンシャル担当シニアバイスプレジデントのグラント・オグバーン氏によると、2022年第1四半期で開催する対面イベントは、アクシオス単独でみても業界全体でみても、当初予定されていた数よりも少ないが、アクシオスの場合、第2四半期以降は年末まですでにイベントが立て込んでいるという。それだけではなく、対面イベント用提案依頼書(RFP)の数も2021年と2022年でかなり増加しており、イベント予算ベースでみると、2022年は2021年と同じ、もしくはそれ以上を示していると同氏は話す。
本社ニューヨークの体験型エージェンシー、メイクアウトNYC(Makeout NYC)はタイム(Time)などのメディア企業と組んでイベントをプロデュースしているが、現在、特に力を注いでいるのは対面プロジェクトだ。これは、予算が(その結果、収益も)バーチャルイベントよりはるかに高いことによる。
「本当に目指しているのは、対面イベントを前面に押しだしたプロジェクトの実施だ」とメイクアウトの共同創業者でエグゼクティブプロデューサーのエリック・フレミング氏は話す。「ただ当面は、ハイブリッドやバーチャルのみのままやらざるを得ないだろう」。この2年で、多くのブランドがその規模の費用対効果に慣れてしまったからだ。
[原文:Axios schedules its largest in-person event for April (for now)]
KAYLEIGH BARBER(翻訳:SI Japan、編集:小玉明依)