ニュース週刊誌『タイム(Time)』のサイト「Time.com」は、アドブロック対抗勢力となっているパブリッシャー集団に仲間入りした。
「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」や「ワイヤード(WIRED)」など、どんどん増加する、そのパブリッシャー集団。たいがいの企業が、アドブロックユーザーに対して自社サイトにアクセスできないようにするなど、強硬手段をとっているなか、「Time.com」はもっと柔軟なアプローチを選んだ。
ニュース週刊誌『タイム(Time)』のサイト「Time.com」は、アドブロック対抗勢力となっているパブリッシャー集団に仲間入りした。
「ニューヨーク・タイムズ(New York Times)」や「ワイヤード(WIRED)」など、どんどん増加する、そのパブリッシャー集団。たいがいの企業が、アドブロックユーザーに対して自社サイトにアクセスできないようにするなど、強硬手段をとっているなか、「Time.com」はもっと柔軟なアプローチを選んだ。
その対応は、次のようなものだ。
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ユーモア満点の対応策
まず、アドブロックユーザーが同サイトに訪問すると、本来バナー広告が表示されている箇所に、「NO ADS. WE GET IT. / Consider what TIME might look like without them…(広告無し。気持ちは分かる。〜広告が表示されなければ、TIMEがどうなるのか想像してみてください…)」という特別なバナーが表示される。それをクリックすると…。
サイトのビジュアル要素が崩れ落ち、ユーモアを保ちながらも、「Time.com」のジャーナリズムが、広告によって支えられているというメッセージを表示するのだ。これにより、読者の罪悪感を煽り、アドブロックを解除させようとしているのである。
ほかのパブリッシャーは、アドブロックメッセージを購読や登録に勧誘する機会として利用しており、少なくとも読者の情報を収集することを可能にしている。しかし、「Time.com」はそれも行っていない。メッセージを非表示にし、そのまま同サイトに戻ることすらできる。
なぜ、ここまで柔軟なのか?
「Time.com」のアプローチは、「まるで懇願」のようであり、タイム社のアドブロックメッセージテストのはじまりを特徴づけていると、同社のデジタル部門社長ジェニファー・ウォング氏は語る。同時に、彼らのペイウォール戦略は、最近特定の特集記事を閲覧しようとすると、課金が試みられるようになり、進化している。
ウォング氏はアドブロックに関連して、「タイム社は読者の関心を引き、一般的なディスプレイアドよりも控え目で、モバイル環境により適しているという理由から、ネイティブアド事業をより大きな部門にするべく推進している」と述べた。しかし、そのメッセージの内容を段階的に変えていくかもしれないと、彼女は言う。ほぼ広告で成り立っているとは言っても、同サイトにおいてアドブロックの使用は、危機的な段階にまでは至っていないということだ。
「注意はしています。それは重要です、しかし、我々のビジネスに影響を与えているという状況ではありません」と、彼女は述べた。