米スーパー大手のクローガーが、リテールメディアネットワークをより完全にコントロールすべく、次のステップに踏み出した。それは、セルフサービス広告プラットフォームのインハウス化だ。
リテールメディアの競争が続くなか、クローガープレシジョンマーケティング(Kroger Precision Marketing:以下、KPM)が独自のセルフサービス広告プラットフォームを構築し、リテールメディア事業の改善と競争力強化を図っている。この自社製セルフサービスプラットフォームは、広告主がクローガーの既存の商品リスティング広告やディスプレイ広告にアクセスできるようにするものだ。
ブランドが得られる成果だけでなく、顧客が得られる体験も向上する
リテールメディアの分野に早くから参入した同社は、データサイエンス部門の84.51°を通じてファーストパーティデータを提供している。KPMはこれまで、マイクロソフト(Microsoft)子会社のプロモートIQ(PromoteIQ)と共同で、セルフサービス広告プラットフォームを展開していた。
「私たちが成長して規模を拡大し、クローガーのeコマース事業が大きくなるにつれて、一部のeコマース事業の基盤やアクセラレータに過ぎないテクノロジーをインハウス化するだけでなく、サードパーティのプラットフォームとは異なる方法で顧客の行動や体験に影響を与える機会があることに気づいた」と、84.51°でKPM担当メディア戦略バイスプレジデントを務めるマイケル・シュー氏は言う。
シュー氏によれば、クローガーは完全な技術スタックを所有して「クローガー独自の機能を提供する」予定だという。そうすることで、ファーストパーティデータを84.51°経由で提供する能力が強化され、「ブランドが得られる成果だけでなく、顧客が得られる体験も向上する」と、同氏は付け加えた。
米スーパー大手のクローガーが、リテールメディアネットワークをより完全にコントロールすべく、次のステップに踏み出した。それは、セルフサービス広告プラットフォームのインハウス化だ。
リテールメディアの競争が続くなか、クローガープレシジョンマーケティング(Kroger Precision Marketing:以下、KPM)が独自のセルフサービス広告プラットフォームを構築し、リテールメディア事業の改善と競争力強化を図っている。この自社製セルフサービスプラットフォームは、広告主がクローガーの既存の商品リスティング広告やディスプレイ広告にアクセスできるようにするものだ。
ブランドが得られる成果だけでなく、顧客が得られる体験も向上する
リテールメディアの分野に早くから参入した同社は、データサイエンス部門の84.51°を通じてファーストパーティデータを提供している。KPMはこれまで、マイクロソフト(Microsoft)子会社のプロモートIQ(PromoteIQ)と共同で、セルフサービス広告プラットフォームを展開していた。
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「私たちが成長して規模を拡大し、クローガーのeコマース事業が大きくなるにつれて、一部のeコマース事業の基盤やアクセラレータに過ぎないテクノロジーをインハウス化するだけでなく、サードパーティのプラットフォームとは異なる方法で顧客の行動や体験に影響を与える機会があることに気づいた」と、84.51°でKPM担当メディア戦略バイスプレジデントを務めるマイケル・シュー氏は言う。
シュー氏によれば、クローガーは完全な技術スタックを所有して「クローガー独自の機能を提供する」予定だという。そうすることで、ファーストパーティデータを84.51°経由で提供する能力が強化され、「ブランドが得られる成果だけでなく、顧客が得られる体験も向上する」と、同氏は付け加えた。
この自社製セルフサービス広告プラットフォームには、検索ベースのインサイトやカスタム広告グループを利用したり、プラットフォーム内でクリエイティブをデザインしたりできる機能が当初から搭載される。また、テンプレートが提供されるほか、予算、メッセージング、フライトを最適化したり、リポートを作成したりする機能も用意されるという。
豊富な人材で挑む
KPMでマーケティングディレクターを務めるブライアン・スペンサー氏によれば、KPMは新たな役割を担う人材として、クローガーと84.51°で合わせて100人近いスタッフを加えたほか、社内の一部の人材をほかのプロジェクトから異動させて、セルフサービス広告プラットフォームのインハウス化に取り組んでいるという。
この新たな役割は、エンジニアリング、データサイエンス、オペレーション、カスタマーサポートが中心だ。なお、クローガーのリテールメディア事業全体では、「クローガーと84.51°で合わせて数百人のスタッフがいる」と、スペンサー氏は述べている。
パックビュー(Pacvue)やスカイ(Skai)、それにコマースIQ(CommerceIQ)のサードパーティ測定ツールを利用している広告主は、引き続きこれらのプラットフォームでクローガーのインベントリー(在庫)を管理できる。クローガーは今後、ほかのサードパーティとの統合を発表する計画だ。
リテール業界でセルフサービス製品のインハウス化がトレンドに
セルフサービス広告プラットフォームをインハウス化しているのは、クローガーだけではない。今年初めには、ホームセンターのロウズ(Lowes)も同様のインハウス化を発表した。
調査会社であるインサイダーインテリジェンス(Insider Intelligence)で主席アナリストを務めるアンドリュー・リップスマン氏は、「ビジネスが一定の規模に達すると、(セルフサービス広告プラットフォームを)そのビジネスに近づけたくなるものだ」と述べ、リテールメディア企業が競争に勝つには、セルフサービス製品とマネージドサービス製品の組み合わせが必要になると付け加えた。「クローガーはある意味で、より成熟したリテールメディア事業部門を抱えた企業だ。いまはより成熟したプレーヤーがインハウス化に乗り出している」。
コンサルタンシー企業のコンフルエンサーコマース(Confluencer Commerce)創業者で、CEOを務めるブライアン・ギルデンバーグ氏もこうした見方に同意し、「彼らは障壁を取り除こうとしているのだと思う」と話す。
また、「セルフサービスはマネージドサービスと異なるブランドが手がけるようになると予想されていたが、いまや多くのブランドが両方を計画したがっている。これらをひとつにまとめられる能力は極めて有効で、セルフサービスとマネージドサービスを統合する計画の策定を容易にしてくれるものだ。大手ブランドは、クローガーから両方のサービスを期待するようになるだろう」と述べた。
今後は、リテールメディアネットワークの規模が拡大するにつれて、基本的な部分でのサードパーティへの依存度が減り、ある程度の規模のリテール企業では、セルフサービス製品のインハウス化がトレンドになる可能性もあると、業界アナリストらは予想している。
[原文:Kroger is taking its self-service ad platform in-house]
Kristina Monllos(翻訳:佐藤 卓/ガリレオ、編集:島田涼平)