伊・分散型メディア 、持続可能なビジネスモデルで成功 : フリーダ・メディアのFacebook戦略

メディア企業たちにとっては激動の時代である。そんななか、イタリアのソーシャルパブリッシャーであるフリーダ・メディア(Freeda Media)は珍しく良いニュースを伝えている。彼らは、長期的なパートナーシップやクライアントのリピートを通じて、ブランディッドコンテンツ収益を成長させ、スタッフを増強しているのだ。

女性にフォーカスを当てたイタリアのスタートアップパブリッシャー、フリーダ・メディアは2017年9月にFacebook上で生まれた。現在では、ミラノとマドリードにオフィスを構え、130人のスタッフを抱える規模に成長。収益は、ブランドによるコンテンツから生まれている。前年と比べて2019年の第1四半期は3桁の成長を見せた。同時期で比べると、キャンペーンひとつに対する平均価格は150%も上昇。具体的な収益の数字は明かされなかった。

「クオリティにこだわることは、最終的に成果が出る。我々はコミュニティにフォーカスを据えてきた。多くの人が、メディアは危機に面していると言っている。重要なのはアプローチだ。消費者をエネルギーの中心に据えて、定性的なコンテンツにフォーカスをおけば、GoogleとFacebookを活用して持続可能なビジネスモデルを作ることができる」と、フリーダの共同ファウンダーであるアンドレア・スコッティ・カルデリーニ氏は言う。

女性向けコンテンツで成功

フリーダはイタリア語で発行しており、昨年5月からはスペイン語でも発行。現在、彼らのオーディエンスの18%を占める南アメリカにおいて、さらなる拡大を狙っている。また、ヨーロッパとアジアをターゲットに含めることで、拡大を継続させようと考えているようだ。

5本のFacebook動画投稿、8から10本のインスタグラム(Instagram)投稿を、フリーダは毎日行う。Facebook、インスタグラム、そして最近ではYouTubeとLinkedIn(リンクトイン)上において、彼らは合計で400万人のオーディエンスを抱えている。そのうち94%は女性だ。内容は、女性の実績と個々のスタイル、いずれかを通じて、女性に関するオーセンティックなストーリーを網羅している。

彼らの動画コンテンツには、イタリア初の女性飛行機操縦士皮膚の珍しい疾患を抱えるイタリア人パラリンピック選手などがインタビュー形式で登場。家庭内暴力や女性器切除といったトピックもカバーするが、そのトーンは将来への希望を示すポジティブなものであることが多い。グローバル規模でガイドラインをモデル化し、それぞれの土地の言葉でローカルな記事を作ることでグローバルな拡大を狙う。イギリスの人々のインタビューのように、ビデオ内容がターゲット地域外であった場合に、両方の言語に訳される例もある。

地域に絞って囲い込み

チューブラー・ラボ(Tubular Labs)によると、2月の動画再生回数は、Facebook、インスタグラム、そしてYouTube上で4900万回となっている。これは前年と比べて68%の増加だ。フリーダは昨年スペイン語のチャンネル、フリーダES(Freeda ES)をローンチした。それによって、チューブラーによると約10%の再生回数増加が複数のチャンネルで見られている。再生回数やフォロワー数だけに注目すると、それほど大きくはない。

しかし、クラウドタングル(CrowdTangle)のデータによると、Facebookにおけるコンテンツとの週間インタラクション率は0.36%となっている。これは他の大手女性向け競合他社よりも高い数字だ。この地域に特別に絞ってフォーカスをすることで、グローバル・プレイヤーたちが参入できていないマーケットを囲い込むことができるわけだ。

フリーダがこれまでにキャンペーンに取り組んできたブランドはNetflix(ネットフリックス)ナイキ(Nike)グッチ(Gucci)などを含む150ブランドに及ぶ。キャンペーンは2週間の短期なものから1年の長期なものまである。

1年目には、リピート・ブッキングの保持率は70%だったと、カルデリーニ氏は言う。コンテンツの15%ほどは現在、ブランドたちとともに作られている。しかし2018年8月以降は、Facebookにおけるブランディッドコンテンツのオーガニックリーチは、彼らのエディトリアルコンテンツと同じ規模になっている。ソーシャル上でブランディッドコンテンツを作ることには限界があるが、クライアントたちの多くが、彼らのプラットフォーム上で存在するための動画やプロダクトをフリーダに作るように依頼するケースが増えてきている。現在の目標は、コンサルタントの側面を強化するために、提供するサービスを成長させることだ。

「ソーシャルの力を信じている」

キャンペーンが、ブランド認識向上や購買意欲の向上といったビジネス上の目標にどれだけ貢献しているのかを知りたがるクライアントは存在する。フリーダは、コミュニティ内での調査、クライアント自身が持つデータ、サードパーティと協力してキャンペーンの前後でデータ収集、といった手法を組み合わせている。最近のキャンペーンにおいては、ブランド認識、購買意識で約15%ポイント増加が見られたという。フリーダはこれらのクライアントの名前は明かさなかった。

現時点で、彼らの会社は合計1500万ドル(約16.7億円)の資金調達に成功してきた。昨年、イタリア部門は黒字化している。彼らは利益分を社に投資還元している。

「私たちはソーシャルプラットフォームの力を信じている。我々のオーディエンスがほとんどの時間を費やすのはそこだ。彼らにとって、もっとも重要性を発揮する場所は、そこでないといけない。Facebookからお金で購入できないのはエンゲージメントだけだ」と彼は言う。

Lucinda Southern(原文 / 訳:塚本 紺)