BuzzFeedはモバイルのニュース速報配信において、世界的にトップに立ちたいと考えている。そして、新たに更新した同社のニュースアプリ「BuzzFeed News」でこの目的を達成しようとしているのだ。
2016年3月下旬から、BuzzFeedはアメリカでのみ配信していた「BuzzFeed News」を、イギリス、オーストラリアとカナダに展開した。このアプリはBuzzFeedのオリジナルコンテンツ以外にも、世界中のサードパーティから集めたコンテンツも配信している。ローカライズされたプッシュ通知は、国内外両方で発生した重大ニュースをユーザーに通知。ニュースフィードには動画やVine(ヴァイン)などの機能を利用した短編動画が含まれていて、1日あたり約20本のコンテンツが特集されているのだ。
BuzzFeedはモバイルのニュース速報配信において、世界的にトップに立ちたいと考えている。そして、新たに更新した同社のニュースアプリ「BuzzFeed News」でこの目的を達成しようとしているのだ。
2016年3月下旬から、BuzzFeedはアメリカでのみ配信していた「BuzzFeed News」を、イギリス、オーストラリアとカナダに展開した。このアプリはBuzzFeedのオリジナルコンテンツ以外にも、世界中のサードパーティから集めたコンテンツも配信している。ローカライズされたプッシュ通知は、国内外両方で発生した重大ニュースをユーザーに通知。ニュースフィードには動画やVine(ヴァイン)などの機能を利用した短編動画が含まれていて、1日あたり約20本のコンテンツが特集されているのだ。
グローバルで統一されたアプリを運用
BuzzFeedのモバイル編集長であるステイシー・マリー・イシュマエル氏は、2015年6月にアメリカでのみローンチした「BuzzFeed News」を海外展開させたのには理由があると話す。それぞれの国や市場に対応したアプリを個別に制作した場合、複数のアプリストアで複数のアプリをローカライズさせることが必要となり、「技術的な悪夢」に陥ってしまうからだ。ほかにも、ユーザーエクスペリエンスを複雑化させてしまう可能性もある。
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統一されたアプリを運用するということは、それぞれの国や市場を担当している編集者たちが、プッシュ通知の時間や配信するコンテンツを管理することができることを意味するのだ。おかげで、時差のせいで発生していた、さまざまな問題やトラブルを軽減できる。
「以前まで、配信するすべてのコンテンツは私を通さなくてはならなかった。しかし、イギリス、オーストラリアとカナダのチームに訓練や研修を実施したため、現在ではそれぞれのチームが配信するためのツールや能力を持っている」と、イシュマエル氏は話す。「以前までとは大きな違いがある。こうすることによって、BuzzFeedの強みである速報ニュースをより早く配信することができるようになった」。
経験豊富なジャーナリストを集める
イギリスにおいては、3名の編集スタッフ(BuzzFeedは彼らのことを「キュレーション医師」と呼んでいる)がオリジナルコンテンツとサードパーティから集めたコンテンツのキュレーションを行う。オーストラリアでも同様の規模で運営されるが、カナダは現在アメリカチームが担当している。これは両国の時間帯が重なるためだ。
「BuzzFeed News」は、GIF画像や絵文字、BuzzFeedの特徴であるリスト形式の記事「リスティクル」など、さまざまな機能とともにローンチした。これにはBuzzFeedがそれぞれの国のニュースアプリ分野でトップに立ちたいという思惑が垣間見える。なにしろ、もともとはバイラルニュースのパブリッシャーだったが、現在では経験豊富なジャーナリストたちを多く集めているBuzzFeed。ロンドンの編集室には、このようなジャーナリストたちが50人以上も集められているのだ。しかも、これからもまだ雇い入れるつもりだという。
ロンドンの編集室は、英デジタルメディア「ガーディアン(The Guardian)」の元編集次長であるジャニン・ギブソン氏と元ニュース編集者のステュアート・ミラー氏によって統括されている。最近では、英メディア「ロンドン・イヴニング・スタンダード(London Evening Standard)」の元ジャーナリストであるサイモン・ネヴィル氏と「ガーディアン」の元データ編集者であるアルベルト・ナルデッリ氏を、それぞれビジネス記事担当の編集者とBuzzFeedのヨーロッパ担当編集者として雇い入れた。
しっかりとローカライズさせること
ロンドンのジャーナリストチームは「ジュニアドクター(若い医師)たちのストライキ問題」や「テニスの八百長問題」など、すでに大事件をスクープしている。これらの記事や今後の展開など、「BuzzFeed News」のアプリで特集しているのだ。
それぞれの国に編集チームを配置することを、イシュマエル氏は今後の事例にしようと計画している。しっかりとローカライズさせることは、各国におけるアプリのダウンロード数を伸ばすために必要不可欠だからだ。
「GIF画像のなかには、ロンドンチームがスクープしたテニスの八百長問題を紹介するものがある。これによって、アメリカのアプリにイギリスのコンテンツを足しただけではないということを強調できる」と、イシュマエル氏は言う。「私たちはイギリス市場と、そこでオーディエンスを開拓することを重視している」。
アプリユーザーは「粘り強い」
現在、「BuzzFeed News」のすべてのコンテンツはそれぞれの国に対応した綴りや口語に直されているが、今後展開されるドイツやフランスに対してはそうではない。ドイツもフランスも、それぞれの国にはすでに現地チームは配置されているが、問題はデザインなのだ。ドイツ語の単語は、ほかの言語と比べて、綴りが長いものが多いため、最適にローカライズするのに時間がかかってしまうからだと、イシュマエル氏は説明する。
「BuzzFeed News」をローンチした2015年、BuzzFeedは「盲目飛行状態」だったとイシュマエル氏は話す。どれくらいダウンロードされれば成功なのか、何の基準も持っていなかったからだ。そのため、「ニューヨーク・タイムズ」「ガーディアン」「BBC」など、大手メディアの戦略をヒントに、「最初の1週間で10万ダウンロード」を目標に設定した。
実際には35万件ものダウンロード数になったが、これはアメリカ国内で「チャールストン教会での銃撃事件」などの重大ニュースとローンチの日が重なったからだという理由がある。現在では50万件以上ダウンロードされていて、ユーザーがアプリを使用する平均時間は4.5分だという。「これがモバイルの無限の可能性だ」と、イシュマエル氏は付け加えた。
イシュマエル氏は、アプリユーザーはブランドに対しての忠誠心が高く、「粘り強い」と話している。しかし、BuzzFeedはアプリユーザーの忠誠心を当然だとは考えていない。BuzzFeedは新規ユーザーだけではなく、既存ユーザーの回帰率や滞在時間までも管理しているのだ。
「なぜユーザーがアプリをダウンロードするのか、予想するのはとても難しい」とイシュマエル氏は最後に語った。
Jessica Davies(原文 / 訳:BIG ROMAN)