DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。
2021年にも、新しいトレンドは生まれ、役目を終えたトレンドは忘れ去られていく――。
DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。
コンデナスト・ジャパンでデジタルセールス・ディレクター/コンシューマーサービスデベロップメント・ディレクターを務める塚元健二郎氏の回答は、次のとおりだ。
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――2020年を総括すると、どんな1年でしたか?
「ワープの年」でしょうか。年の前半はリモートワーク下での通常業務の継続や広告のキャンセル対応、度重なる予算の見直し作業(笑)などの守りの業務が多かったですが、振り返ってみればバーチャルイベントの実施や新しいタイプのソーシャルメディアの広告商品のローンチ、そして来年に予定していた新事業の前倒しなど、コロナがなければ本来着手していなかっただろう事を具現化しており、ちょっぴり未来にワープしたような気分です。
そういう意味ではリモートワークの定着や書類の印鑑レスなどのデジタル化が一気に進んで、プチ未来化したのは弊社だけではないと思います。これらはコロナ禍での数少ないポジティブな効果のひとつと言っても過言ではないと思いますが、ZOOMで1日5本も6本もミーティングをするのはさすがに嫌になってきましたね…。
――2021年、必ず押さえておきたいと思う、新しいトレンドは?
「ユーザー課金」です。デジタル広告の売上はまだ伸びる余地があると思いますが、以前に比べると伸びは鈍化してきていますし、いずれ天井を迎えることは明らかです。一方、インターネット上にはインスタントな有象無象のコンテンツが今後も増え続けていくなかで、トラディショナルなメディアがコストと時間をかけて生み出した良質なコンテンツを適切な価値(価格)でクライアントや読者に支えて(投資)いただく必要があると感じます。そんななか、広告の価格をキープする努力を続けるのはもちろんですが、広告以外のマネタイズ手法を模索する流れは必然であり、今後弊社としてもペイウォールなどのコンテンツ課金やイベントのチケッティングなど、さまざまな手法に取り組んでいきたいと考えています。
あとひとつ、今年コロナの影響も後押ししたと思いますが「SDGsの取り組み」意識が一気に加速した感があります。コンデナスト本社は今年(2020年)5月に、カーボンニュートラルを2030年までに実現すると公約を出しました。そして、我々ジャパン社も「VOGUE CHANGE」や「GQ VOICE」というサステナビリティやダイバーシティ&インクルージョンをテーマにした新しい取り組みを定常コンテンツとして始めておりますが、読者の注目は想像以上に熱く、2021年も大きなトレンドになると確信しています。
――2021年、もはや時代遅れと思える、既存のトレンドは?
「サードパーティCookieを利用したターゲティング広告」になるのでしょうね。ここ数年「Bigな数社の号令でこうもガラリと業界のルールが変わるのか」という驚きを禁じえないことが、たびたび起きていますが、今回もこの「サードパーティCookie廃止の流れ」に逆らうことはできないと思うので、諦めて別の手法を考え出すしかないですよね。
今後はファーストパーティのコンテキストデータを加味したターゲティングや、移りゆくユーザーの変化をとらえるターゲティングが主流になってくると思いますが、コンテンツメディアとして最良のソリューションをご提案できるよう、引き続き精進していきたいと思います。
– 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Brands の回答一覧
– 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Publishers の回答一覧
Edited by DIGIDAY[日本版]編集部