IN/OUT 2021 - PUBLISHERS

「嘘やハッタリではなく、本物が見直される時代が到来した」 : 東洋経済新報社 佐藤朋裕 氏

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2021年にも、新しいトレンドは生まれ、役目を終えたトレンドは忘れ去られていく――。

DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。

東洋経済新報社のビジネスプロモーション局で部長(デジタル広告戦略)を務める佐藤朋裕氏の回答は、次のとおりだ。

――2020年を総括すると、どんな1年でしたか?

2020年は、1868年や1945年と同じように、日本では誰もが記憶する年になると思います。まさに,生き残るものと滅びるものを突きつけた境目に当たる、インパクトの強い1年でした。

産業財の企業においては、従来型の営業が難しくなったことで、BtoBマーケティングの重要性が企業に認識され、ビジネス関連のスポンサードコンテンツやリードジェネレーション、ウェビナーへの需要が旺盛でした。また、ブランディングというものは、不透明な時代に指名買いを産むものだと実感しました。やるかやらないか。変わるか変わらないか。少なくとも、このふたつに取り組まない企業は苦しくなっていくでしょう。

――2021年、必ず押さえておきたいと思う、新しいトレンドは?

インナーブランディングが注目されると思います。テレワークの環境でも日常の業務については、従来と比べて効率が上がったと感じている人も多いと思います。ただし、長い目で見たときに組織の絆が薄れていくことは容易に想像できます。経営者と従業員、管理職と部下、同僚間で同じ価値観を持ってビジネスを遂行するには、何らかの工夫が必要で、その部分にビジネスチャンスがあると感じています。そのひとつがインナーブランディングなのだと思います。

たとえば、紙の社内報を大きく進化させた組織のためのコニュニケーション手段が注目を集めると思います。これはツールだけではだめで、企業に哲学があるかないかで大きな違いが出ます。このあたりにも商機がありそうです。

ほかに注目を集めるトレンドは学びの分野ではないでしょうか。コロナがきっかけになって企業の雇用システムも変わっていきます。「分散・自律・克己」あたりがキーワードになると思います。会社員が本当のプロになる必要が増したことで、ユニークな専門性を身につけるための学びに注目です。身近なところでは動画によるオンライン学習と重厚な書籍が伸びますね。もう一度、頑張ろうという人が増える予感がします。

――2021年、もはや時代遅れと思える、既存のトレンドは?

不快な広告フォーマットや下品なクリエイティブとリターゲティング広告の濫用です。技術的に難しくなるということの前に、少なくとも嫌われるような広告手法では広告主も掲載するメディアも信頼されなくなるのは当然のことでしょう。日本のデジタル広告はいわゆる獲得系がリードしてきたわけですが、目的は同じくコンバージョンであっても洗練された手法の開発を急ぐ必要があります。

大きな流れとしては、本当に必要な企業やサービスが見極められて、そうでないものについては時代に取り残されるでしょう。嘘やハッタリで生きている人々には生きづらい、本物が見直される時代が到来したということだと思います。それが将来振り返った時に2020年が記憶される年になると考える理由でもあります。

年末年始企画 [IN/OUT 2021] Brands の回答一覧
年末年始企画 [IN/OUT 2021] Publishers の回答一覧

Edited by DIGIDAY[日本版]編集部