IN/OUT 2021 - PUBLISHERS

「単独のデジタル施策は、どこかで行き詰まりを感じてくる」 :光文社 大給近憲 氏

2021年にも、新しいトレンドは生まれ、役目を終えたトレンドは忘れ去られていく――。

DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。

光文社のメディアビジネス局で取締役局長を務める大給近憲氏の回答は、次のとおりだ。

――2020年を総括すると、どんな1年でしたか?

雑誌がこれからどういうことを担っていくべきか、それが問われた1年であったと思います。

紙かデジタルかという手段のあり方だけでなく、雑誌が持つコンテンツ、それに共感する読者という資産が、どういうことで必要とされているのか。それに伴って、どういう形のビジネスに転換していくべきか。そうしたことが、コロナ禍で突き付けられました。

弊社で言えば、資産はあるものの、ビジネスモデルの転換ということでは、この期間だけではまだしっかり具現化できず、来年への課題となっています。

――2021年、必ず押さえておきたいと思う、新しいトレンドは?

5G:2021年どこまで普及するかということが課題だが、それに伴い、さまざまなところでデジタルコンテンツが必要になってくるということです。こうしたコンテンツ需要に、出版社、雑誌がどこまで応えられるのか、そのなかで存在意義を示すことができるのかは、来年の大きなテーマになってくると思います。

OMO:これは2月のDIGIDAY PUBLISHING SUMMITのテーマでした。その後、コロナ禍でもうひとつ聞かなくなった言葉ですが、あらためて、来年は重要視されるのではないでしょうか。デジタルのコミュニケーションは、今年、さまざまな形で一般化しましたが、デジタル体験とリアル体験のバランスをどうしていくのかは課題になるはずです。

――2021年、もはや時代遅れと思える、既存のトレンドは?

オンライン飲み会などを含めたデジタルでのコミュニケーション:単純に時代遅れということではないのですが、おそらく行き詰まりを迎えるだろうということです。リアルなコミュニケーションがむずかしくなり、それをデジタルで、オンラインでという手段に置き換えられていますが、コロナ禍もあって、一気に加速化している感じです。

ただ、人間自体はデジタル化されるなんてことはないでしょうから、その動きに疲弊してくるのではないでしょうか。一方、企業は、リモートのコミュニケーションやVRなどのデジタル体験をどんどんユーザーに強いるようなところもあり、この辺の気持ちのズレが現象化しそうです。

2番目の質問とも関連しますが、OMOなくして、単独のデジタル施策というものが、来年はどこかで行き詰まりを感じてくるのではないでしょうか。CXということでも、デジタルだけのユーザー体験は、いくら安全とは言え、十分に満足させられないということが、表面化してきたとき、コロナ禍であっても、なにが必要なのかは問われると思います。

年末年始企画 [IN/OUT 2021] Brands の回答一覧
年末年始企画 [IN/OUT 2021] Publishers の回答一覧

Edited by DIGIDAY[日本版]編集部