DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。
2021年にも、新しいトレンドは生まれ、役目を終えたトレンドは忘れ去られていく――。
DIGIDAY[日本版]がお届けする、2020年・2021年の年末年始企画「IN/OUT 2021」。この企画では、我々が開催してきたさまざまなイベントでお世話になった、日本のブランドおよびパブリッシャーのエグゼクティブたちへ、新しい1年にトレンドイン・トレンドアウトするであろう事象について考えを伺った。
日本経済新聞社のデジタル編成ユニットで執行役員 デジタル編成ユニット長を務める飯田展久氏の回答は、次のとおりだ。
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――2020年を総括すると、どんな1年でしたか?
新型コロナウィルスがニュースの出し方・読まれ方を大きく変えた1年だった。弊社(日経電子版)で言えば朝の通勤時間帯にアクセスの大きな山ができていたが、在宅勤務の広がりでその山は低くなり、夜に新たな山ができた。ネット上にさまざまなニュース(フェイクや憶測も含めて)が流れるなかで、事実は何か、日経はどう報じているのか、という読者の関心が高まったと感じている。我々も記事をまず電子版に出す「デジタルファースト」をさらに徹底し、読者の期待を裏切らないように努めたつもりだ。
2020年は電子版創刊からちょうど10年の節目の年で、さらなる事業成長を目論んでいたが、図らずも4月の緊急事態宣言のときには1日当たりアクセス数の記録を更新した。電子版の有料会員もまずまず順調に増えた。振り返るとサブスクリプションにとってはまあまあ良い年だったと言える。
――2021年、必ず押さえておきたいと思う、新しいトレンドは?
コミュニケーションツールとして音声や動画が一段と普及してくることは間違いない。長年テキスト(活字)を中心に伝えてきた弊社としても、そこはしっかり押さえていきたいと考えている。欧米でのポッドキャストの広がりが日本にも根付いてくるかどうかは、ネット広告のクライアントが音声市場にも強い関心を持つかどうかにかかっていると思う。
もうひとつ、2020年に一気に普及したウェビナーを、単なる流行り物で終わらせるのではなく、定着させることが肝心だろう。弊社としてはサブスクリプションをメンバーシップモデルに昇華していきたいと考えているが、このウェビナーの活用もカギのひとつとなるだろう。
――2021年、もはや時代遅れと思える、既存のトレンドは?
期待を込めて言えば、タダの情報は次第に価値がなくなってくるのではないか。多くの既存メディアはプラットフォームに自社ニュースを提供し、その見返りで掲載料を受け取ることが「デジタル事業における収入」と位置付けている。しかしサブスクが広がってくれば、無料のニュースに触れる機会も時間も減ってくるだろう。ニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、ワシントン・ポストなど米国でもサブスクに力を入れているメディアが生き残りの切符を手にしている。タダの情報をプラットフォームに提供するビジネスモデルは時代遅れになる(これはかなりの主観です)。
– 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Brands の回答一覧
– 年末年始企画 [IN/OUT 2021] Publishers の回答一覧
Edited by DIGIDAY[日本版]編集部