世界最大のビジネスSNS、LinkedIn(リンクトイン)は、与えもするが奪いもする。現在、LinkedInは再び「与える」フェーズに入ったようだ。
これまで、LinkedInはパブリッシャーに対して両極端な姿勢を示してきた。以前は、トラフィック流入に関して、規模は小さいが信頼できるプラットフォームだったのだが、急にそれが落ち込んでしまうこともあったのだ。現在、LinkedInは再び、大量のトラフィックをパブリッシャーに与え、良好な関係を築こうとしている。
例として、米経済誌の「フォーブス(Forbes)」を見てみよう。2015年の7月から12月までにLinkedInからのトラフィック数は127%ほど上昇している(正確な数字は提示されていない)。「フォーブス」は同プラットフォームの最適な活用方法を見抜き、記事や引用記事を毎日12本ほど投稿しており、同誌アカウントにはおよそ120万人のフォロワーがいるという。
世界最大のビジネスSNS、LinkedIn(リンクトイン)は、与えもするが奪いもする。現在、LinkedInは再び「与える」フェーズに入ったようだ。
これまで、LinkedInはパブリッシャーに対して両極端な姿勢を示してきた。以前は、トラフィック流入に関して、規模は小さいが信頼できるプラットフォームだったのだが、急にそれが落ち込んでしまうこともあったのだ。現在、LinkedInは再び、大量のトラフィックをパブリッシャーに与え、良好な関係を築こうとしている。
例として、米経済誌の「フォーブス(Forbes)」を見てみよう。2015年の7月から12月までにLinkedInからのトラフィック数は127%ほど上昇している(正確な数字は提示されていない)。「フォーブス」は同プラットフォームの最適な活用方法を見抜き、記事や引用記事を毎日12本ほど投稿しており、同誌アカウントにはおよそ120万人のフォロワーがいるという。
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リファラーが300%も上昇
最大のトラフィックを得たのは2015年12月であった。それもひと晩で急激に上昇したのである。「我々もオーディエンスの育成に余念はないが、LinkedInも同じように彼らの仕事をまっとうしていた。我々だけではなく、みんなが得をする結果となった」と、「フォーブス」のCPO(最高製品責任者)であるルイス・ドヴォルキン氏は話す。
こうしたLinkedInの動きは、英経済誌「フィナンシャル・タイムズ(FT)」や米経済メディア「ビジネスインサイダー(Business Insider)」でも同様に見られる。「ビジネスインサイダー」では、ここ数カ月でLinkedInからのリファラーが300%も上昇。同サイトの代表取締役ジュリー・ハンセン氏は、LinkedInへのオーディエンス戦略は変えていないため、このトラフィックの上昇は驚きであったと語る。
わずか2カ月前にはじまったこと
「ビジネスインサイダー」と「フォーブス」の、LinkedInからの劇的なリファラーの増加は、わずか2カ月前にはじまったことだ。調査会社パースリー(Parsely)がデータを分析したところ、2015年12月において、LinkedInが生んだトラフィックうち25%は、パブリッシャーにもたらされたことがわかった。
全体から見ればまだ小さな数字であり、LinkedInのトラフィックの対象はビジネスパブリッシャーだけではないことがわかる。しかし、2015年7月の0.05%から比べると驚きの増加だ。これと同様に、調査企業シンプルリーチ(SimlpeReach)も、LinkedInからもっとも多くトラフィックを得る上位25社のパブリッシャーは、2015年の夏から比べてLinkedInからのリファラーが224%も増加していると話している。
アプリの改変が功を奏した
LinkedInからの直接の回答は得られなかったが、とあるパブリッシャーによると、このトラフィックの増加はLinkedInのニュースアプリ「パルス(Pulse)」で実施したいくつかの変更が要因になっていると話す。2015年の11月、「ユニバーサルリンクス(universal links)」という機能の追加により、読者をモバイルWebに送り出すことなく「パルス」のアプリ内で記事の閲覧できるようになったのだ。
この機能の追加と、9月に追加されたオススメのパブリッシャー紹介機能により、「パルス」ユーザーにパブリッシャーとそのコンテンツを見つけやすくした。モバイルアプリの調査企業アップトピア(Apptopia)によると、2015年の8月から「パルス」はすでに、120万ダウンロードを超えているという。
2015年のパブリッシャーへのリファラーの増加が、最高44%まで増加したとなれば、LinkedInにとって一旦は悪くなったパブリッシャーとの関係を修復する良い機会となるはずだ。また、パブリッシャーは、Facebookのアルゴリズムの変更によるトラフィックの増加も確認している。
読者のソースは多い方が良い
今回のLinkedInの変化は、独自の編集コンテンツを押し出すためのものだったが、結果的に競合サイトにもトラフィックを与えるという副産物を生んだ。2011年に、米経済メディア「Fortune.com」の編集者であるダン・ロス氏を雇い、その2年後に「パルス」を買収した同社。その後、独自のコンテンツネットワークを強化することを優先した結果、ビジネスパブリッシャー企業との間に行き違いが生じてしまったこともある。
しかし、現段階においてパブリッシャーは、LinkedInの戦略変化を歓迎している。2015年8月にFacebookがアルゴリズムを変更し、ユーザーのコンテンツを優先させたがためにトラフィックが激減したこともあり、パブリッシャーは複数のトラフィックソースを運用する重要性を学んでいるのだ。読者のソースは多い方が良い。
「素晴らしいことは確かだ」と、ハンセン氏は話す。「LinkedInのオーディエンスと、そのオーディエンスたちが欲しているビジネス記事は、私たちにとっては、とても興味のあることだ」と、ハンセン氏は語った。
Ricardo Bilton(原文 / 訳:BIG ROMAN)
Image by Thinkstock / Getty Image