1月20日金曜日(米国時間)、第45代米大統領就任式に関して、人々はこの一大ニュースを得るための手段に欠くことはないだろう。すでに大勢のメディアがワシントンD.C.に押し寄せている。主要なニュースやデジタルパブリッシャーの大統領就任式と今週末の報道スタイルについて紹介する。
1月20日金曜日(米国時間)、第45代米大統領就任式に関して、人々はこの一大ニュースを得るための手段に欠くことはないだろう。
選挙期間中もそうだったが、トランプ氏の大統領就任式と週末の祭典の模様を取り逃がさないようにと、大勢のメディアがワシントンD.C.に押し寄せている。おそらく今回も数時間に及ぶライブ中継を中心とした報道になるだろう。同時にFacebookやYouTubeといった、ソーシャルプラットフォームもライブ配信をカバーするために活用される。Twitterも就任式を6時間に渡って中継するPBSの「ニュースアワー(NewsHour)」とパートナーになっているため、報道に参加するはずだ。
以下に、主要なニュースやデジタルパブリッシャーの大統領就任式と今週末の報道スタイルについて紹介する。
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Bloomberg
ブルームバーグ(Bloomberg)による就任式の特集は、4回に渡る特集の第1回「ウィズ・オール・デュー・リスペクト(With All Due Respect)」を、すでに今週の月曜日に放送している。トランプが発言してきた税金対策から国際貿易、外交政策にいたるまで、ホストを務めるマーク・ハルペリン氏とジョン・ヘイルマン氏が特集でカバー。就任式当日は、この2人が「ブルームバーグ」のTVチャンネル、サイト、YouTubeチャンネル「ブルームバーグ・ポリティクス(Bloomberg Politics)」で、2時間の中継を行い、「ウィズ・オール〜」の放送も午後5時から行われる。
CBS News
ライブストリーミングの動画ニュースチャンネルであるCBSニュース(CBS News:CBSN)は、24時間放送という流行に乗って、ワシントンD.C.から24時間放送を行なう。ホストを務めるのは、ニュースアンカーのエレーヌ・クイジャーノ氏、ジョシュ・エリオット氏、ブラデュミエ・ディテュエ氏、リーナ・ナイナン氏だ。
CBSNによるデイリーの政治番組で、就任式前に放送されたショー「レッド・アンド・ブルー(Red and Blue)」もこれに含まれる。この番組は、新しい政権による国民への影響を紹介する内容だった。就任式当日の朝7時から、「CBSディスモーニング(CBS This Morning)」というフィードとともに中継放送も実施。就任式関連の特別レポートとプログラムは、CBSブロードネットワークだけでなくCBSNでも視聴可能だ。
2014年11月のローンチ以来、CBSNは成長している。2016年の第4四半期は9000万回配信された。その前の四半期と比べ、50%の増加だ。
Refinery29
多くのパブリッシャーが中継を行なうなか、いくつかはその後のお祭り騒ぎをカバーしようとしている。たとえば、Refinery29(リファインリー29)は、ニューヨーク市の役所でFacebookライブ動画を実施し、その時間帯に代替チャンネルとして、フードアーティストのアッシュ・ハッジ氏が料理を紹介する。
エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターのピエラ・ジェラーディ氏は、「できるだけオーディエンスに寄り添って、センシティブで共感的になろうとしている。『Refinery29』の就任式に興味のあるオーディエンスのために、ニュースはカバーするが、就任式に興味を持っていない我々のオーディエンスにも提供できるコンテンツを用意したいと思った」と語る。
女性メディアの「Refinery29」は、就任式をカバーするだけでなく、トランプ氏に対する女性団体の抗議デモについても、ニューヨーク、ワシントンD.C.、サンダンス映画祭でも伝える予定だ。また、同メディアは1973年1月22日の最高裁判所のロー対ウェイド事件の判決に対する法律についても、ライブ配信をする予定となっている。「Refinery29」のFacebookライブ動画チームは、放送作家のティファニー・シュライン氏やピエラ・ジェラーディ氏も含めて、コンテンツの制作に携わる。
USA Today
パブリッシャーのガネット(Gannett)とUSAトゥデイネットワーク(USA Today Netwowrk)は、VRをメインとしたコンテンツを制作。VRや360度動画向けのウィークリーニュース番組をコンテンツとする。就任式当日は、4時間の中継をVRと360度動画で配信。首都とナショナルモール、そして祭典のパレードが行われる場所を撮影する予定だ。総勢16名のチームで制作を行い、6名のスタッフが、VRコンテンツの「VRチュリー・ゼア(VRtually There:VRで実際そこに)」というショーを担当する。
コンテンツは、Nikonによって作られた、VR/360カメラで撮影。さらに、同メディアは「ピクチャー・イン・ピクチャー(picture-in-picture)」という、ユーザーがVR/360動画を観ながら、同時に2D映像も観られるというサービスも展開する。
USAトゥデイネットワークのデジタルビデオコンテンツ&ストラテジーのVPであるラス・トレス氏は、「VRと360度動画は、人々をあらゆる場所に連れて行く。90マイル先でも1マイル先でも可能だ。これは、より近くで体験したいと思いつつも、バーチャルな体験も楽しみたいというユーザーに対してのチャンスだと思っている」。
The Washington Post
東海岸で午前9時に、Facebook、YouTube、アプリ、サイト上でライブ配信を予定している。丸1日中継予定のコンテンツは、同紙の本社があるKストリートのアウトドアスタジオにて、エド・オーキーフ氏とエリス・ビーベック氏がホストする。
内容は8人のメンバーが市内の至る所から配信するというもの。総勢で70名が就任式のコンテンツに携わっており、そのなかには40名から構成されるビデオチームがいる。今年はさらに多くのライブコンテンツを制作するため、新たに29名が加わるという。
動画の編集ディレクターを務めるミカ・ゲルマン氏は、「大きなニュースが起こったときは、『ワシントン・ポスト(The Washington Post)』ならライブ配信しているだろうという期待を、オーディエンスが持ってくれるようになってほしい」と語った。
Sahil Patel (原文 / 訳:中島未知代)
Photo by Thinkstock / Getty Image