サードパーティ Cookie を差し引いた長期的なID戦略へのアプローチ方法

Xandr(ザンダー) 戦略および企業開発、トム・ラバン(Tom Lavan)

主要ブラウザ全社がサードパーティCookieを廃止するための計画とスケジュールについて通達している中で、広告主たちは、価値ある顧客と1対1でエンゲージする新しい方法を模索しており、不安をつのらせています。

この差し迫ったブラウザの変更は、消費者プライバシーを促進すると共に、同じ目的を意図する最近の法規制ガイダンスに沿うものです。しかし、この変更によって、広告業界のエコシステムも課題に直面しています(これをチャンスと呼ぶ人もいます)。その課題とは、プライバシーの擁護を先導すると同時に、マーケティング担当者や消費者に、関連性が高くターゲットを絞った広告体験を可能にする革新的で新しい方法を紹介することです。

この課題(そしてチャンス)は、サードパーティCookieが無くなることの解決策を見出すものでもなく、また、手っ取り早い回避策を目指すものでもありません。むしろ、戦略的なIDソリューションを開発するための最善の道筋を見極め、投資し、および提携を行うことによって、パブリッシャーが自社データの価値を最大化し、広告主を支援してビジネス目標を達成できるようにして、消費者のデジタル広告に対する信頼を築けるようにすることです。

この問題を解決することによって、究極的には業界関係者に門戸が開かれる可能性があります。そして、日々の戦略と計画の策定に関して言えば、「サードパーティCookieのない未来」が目前に迫っている今、以下のような重要な学習課題とステップを考慮すべきことは明らかです。

1. 諸規制を理解し、それらがマーケティング戦略にとって意味することを理解する

世界中が規制要件を展開しつつある中で、広告主にとって重要なことは、これらの変更が既存のデータ収集やデータ利用ポリシーに与える影響を理解し、その結果として実装する必要のある新しいポリシーをすべて評価することです。

特に、ビジネスが複数の州、地域、国をまたぐ場合に企業戦略を策定する際には、これらの新しい規制を考慮し、優先順位を付ける必要があります。IABなどの業界団体と緊密に連携することによって、新しいルールの意味合いや同業者の反応について理解を深めることもできます。多くの場合、そのような連携によって、コラボレーション、一貫性、そして究極的にはより一層の戦略的成功を導くことができます。

2. ファーストパーティデータの価値を最大化する

サードパーティCookieから移行すると、ファーストパーティデータのインサイトの価値を最大化することが一層注目を浴びるようになるでしょう。なぜなら、ファーストパーティデータのインサイトによって、メディア企業と広告主の間で、より効果的かつ直接的なコラボレーションが可能になるからです。

インフォサム(InfoSum)のようなデータ オンボーディング及びアナリティクス技術を提供しているソリューションを用いると、消費者の信頼を維持しながらファーストパーティデータを活用できるようになると同時に、プライバシーや規制によって業界に課された制約にも対処できるようになります。プロバイダーを選ぶ際に必ず検証すべき事は、そのプロバイダーのファーストパーティデータのソースが、プライバシーセーフなディスカバリー、マッチング、分析、アクティベーションを可能にする方法で、広告主・プラットフォーム・パブリッシャーを真に結びつけているかどうかです。また、機密データ(すなわち、PII)が外部ソースに公開されないようにすることも重要です。

CCPAやGDPRなどの地域規制に準拠した方法で、広告主、メディア企業、およびテクノロジープラットフォームの間でのデータとインサイトの流れを可能にし、同時に、視聴者の一致率やアナリティクスをほぼ瞬時に返せるようにすることが、デジタル広告業界の進展に必要になるでしょう。

3. 代替となるエンゲージメントモデルを評価する

IDは、関連性の高い広告に力を与える鍵です。消費者体験を向上させるフリークエンシーやリーセンシーのコントロールのような基本的な広告配信機能でさえ、ユーザーのIDを理解していなければ実現できません。関連性のより高い広告をユーザーに結び付けることは、全般的な広告体験を向上させる一環であり、不可欠な要素です。しかし、これをプライバシーセーフな方法で実現するのは非常に難しいことです。

ただし、プログラマティック時代の始めからコンテンツターゲティングなどのモデルが既に存在しており、現在、広告主たちが潜在的な顧客にポジティブなユーザーエクスペリエンスを提供しようと模索している中で、最適な選択肢として再び注目を浴びています。コンテンツターゲティングによって、広告主はIDよりもコンテキストや関心のあるカテゴリに基づいて視聴者にリーチできるようになると同時に、パブリッシャーはプライバシー規制に拘束されている中で継続的な広告収入がサポートされます。

コンテンツターゲティングの正確さと精度によって、ブランドが消費者に対する広告の関連性を高く維持できることが幅広く証明されており、その正確さや精度は技術が進展するにつれて向上してゆきます。プラットフォームがページの真のコンテキストをよく理解できればできるほど、広告の一致度が高くなり、消費者のエクスペリエンスも向上します。

4. フォーマットとチャネルを多様化する

Cookieのない世界で広告予算を最適化するには、バイヤーは共有するメッセージのフォーマットを多様化し拡張する必要があります。ブラウザベースのCookieに依存しないメディアとチャネル(例えば、CTV、デジタル屋外広告、アドレサブルTV、データドリブンリニアTVなど)は、特に新型コロナウイルスの影響で視聴習慣が変化してくるにつれて成長し続けています。様々なスクリーンを横断して関連性の高いオーディエンスにリーチしようとしている広告主にとって、これらのチャネルは安全な投資対象です。

強固なエンゲージメントを起こす長編動画サービスは、より一層重要になってくるでしょう。また、プログラマティック保証型取引(すなわち、バイヤーが、統合されたバイイングプラットフォームを介してプレミアムサプライへのアクセスを簡単に予約できるようにする)などの購入戦略は、トランザクション方法として推奨される可能性があります。

消費者プライバシーコントロールの方向性については、(法規制、技術的変更、またはデバイスメーカーの戦略によるかどうかに関わらず)現状維持となる可能性が高いでしょう。今後どのような展開になるにせよ、戦略的には常に、無償で高品質なコンテンツへ広告収入によって資金供給を継続すると同時に、消費者にとってより良く、よりパーソナライズされた体験を生み出すソリューションを開発するという中核的な取り組みを中心に戦略を展開していくべきです。

[原文:How to approach a long-term identity strategy, minus third-party cookies