トライ・ガイズ(Try Guys)は2014年、BuzzFeedのプロデューサーだった4名が、同社のYouTubeチャンネルで笑えることがしたいと考え、社内で立ち上げたブランドだった。 それから4年、4人――ネッド・フル […]
トライ・ガイズ(Try Guys)は2014年、BuzzFeedのプロデューサーだった4名が、同社のYouTubeチャンネルで笑えることがしたいと考え、社内で立ち上げたブランドだった。
それから4年、4人――ネッド・フルマー氏、キース・ハーバースバーガー氏、ザック・コルンフェルト氏、ユージーン・リー・ヤン氏――は同ブランドの人気高騰を受け、BuzzFeedから権利を買い取り、独立した。
現在、彼らの会社セカンド・トライ(2nd Try)には20人強のスタッフがおり、YouTubeチャンネルのサブスクライバー数は750万人を超える。さらに「トライ・ガイズ」ブランドのさまざまな商品(ホットソース、茶、料理本など)を販売するとともに、映画も制作しており、食に特化したTV局、フード・ネットワーク(Food Network)での特番も間もなく放送される。そのすべてを彼らは独立した2018年からわずか4年弱のあいだに成し遂げ、その点も大いに注目される。
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4回にわたってお届けしてきたDIGIDAY PODCASTクリエイターシリーズ。最終回となる今回は、フルマー氏、ハーバースバーガー氏、コルンフェルト氏が、会社を本格的および有機的に成長させるためのカギは情熱である点、そして独立/フリーという状態が実験に不可欠な柔軟性を認め合う風通しの良い状態を生む点について語ってくれた。
以下にその一部を紹介する。なお、読みやすさと文字数を考慮し、発言には多少編集を加えてある。
ファンと有名人ではなく、友人同士という感覚が販売に繋がる
「ネット配信用のコンテンツ制作の面白いところは、出演する僕らが昔ながらのセレブ、たとえば俳優とは違って、ありのままの、等身大でいられる点だね。だからオーディエンスも、ファンというより、友人に近い感覚を抱く。つまり、送り手と受け手の境界線が曖昧なんだ。だから、僕らが何かをすると、彼らもそれをする。その結果、[たとえば]僕がファストフードレストランの全メニュー制覇を達成するのを見た人が、実際に同じチェーンの店に行って、同じものを買って食べる、という現象が起きた」。
「それで考えたんだ。オーディエンスがたとえばタコベル(Taco Bell)に行って、僕が勧めるものを買うだけで終わらせるのはもったいない。彼らに僕らのブランドの商品をもっと身近に感じてもらうには、どうしたらいいだろう? そうだ、僕が中身を説明できるソースやフレーバーを考案して、それを手軽に買える商品にしたらどうだろう? で、僕はいまや彼らの台所の棚にいる、というわけなんだ」。
――ハーバースバーガー氏
トライ・ガイズの世界を拡大
「僕らはもともとYouTuberになろうとしたわけじゃない。優秀な社員になろうと思っていたら、たまたまYouTubeに自分たちの居場所を見つけた、というだけなんだ。この先ももちろん、YouTubeにおける巨大な機会を見つけていくけれど、YouTubeの可能性を押し広げる努力を続けながら、その先や外にも目を向けていきたい。というのも、正直言って、僕はいまだに昔ながらの制作スタイルへのこだわりが強いからね。僕ら4人にはそれぞれのやり方があって、互いを尊重している。僕の場合は、トライ・ガイズという世界のなかで、台本に沿ったコンテンツをもっと作ってみたい、たとえば長尺の物語とかね。そのなかにはYouTubeでできるものもあれば、できないものもある。いずれにせよ、確固たるファンベースがあるおかげで、いろいろな機会が目の前に広がっている。それは本当にありがたいし、ワクワクしてるよ」。
――コルンフェルト氏
TVへの方向転換
「フード・ネットワークでのパイロット番組を作る前、僕は少し不安だった。TV番組の制作は初めてのことだったし、僕はこの10年余り、『TVをやりたい』と、ずっと思っていたから。で、緊張して撮影現場に行ってみたら、することは毎日しているのとまったく同じだった。僕らの[YouTube]チャンネルの『ウィズアウト・ア・レシピ(Without A Recipe)』[シリーズ]の撮影とほぼ同じで、違うのは現場がちゃんとしたレストランだったこと、そしてカメラなどの機材が僕らのよりも少々高級で、フード・ネットワークの番組を何百本も撮ってきたベテランのプロがそれを扱っていた、という点だけ。でも、ストーリーテリングという意味では、とっても興奮した。『ちょっと待てよ、これって、前からずっとやってきていることじゃないか。伝えられることがたくさんあるぞ』と思ったんだ」。
「番組はフード・ネットワークだけじゃなく、もうすぐディスカヴァリーチャンネル(Discovery Channel)でも放送される。この戦略の背景にはデジタルとTVの融合傾向がある。前者はますますTV化しているし、後者はデジタル配給にますますオープンになっている。この先、良質なコンテンツの重要性がさらに増すのは間違いないと思う」。
――フルマー氏
[原文:How the Try Guys took their YouTube channel and turned it into a media company and a TV deal]
KAYLEIGH BARBER(翻訳:SI Japan、編集:長田真)