NBCニュース は、いかにエンゲージメント開発をしてるか? : 成果を上げつつある バーティカルサイト 戦略

NBCニュース(NBC News)のニュースレター、シンク(Think)の購読者は、8月3日にこれまでとは大きく異なるエントリーを目にした。購読者が受け取ったのは、以前に提供されたコンテンツをわかりやすく要約したものではなく、その週のシンクコンテンツの執筆者による独占論評や選挙人団の価値に関するインタラクティブな世論調査、そして読者が編集者に宛てた手紙であった。ニュースレターには、今後ニュースで取り上げるために、読者にレターや論評の投稿を求めるリンク先も記載されていた。

ニュースレターのリニューアルは、NBCニュースがオーディエンスのニーズへの対応を強化する大きな取り組みの一部にすぎない。2017年に発表された3つのバーティカルサイト、すなわち、新興技術に焦点を当てたマック(Mach)、健康や生産性に焦点を当てたベター(Better)、そしてシンクはその取り組みを先導し、NBCニュースが新しい特集記事や戦略を試したり、興味のある対象が異なるオーディエンスに対して同局がどのような種類のコンテンツを制作すべきかを考え出したりすることに貢献した。

ユーザー拡大では大成功

この取り組みは、現在までのところそれなりの成果を上げていると、NBCニュースは発表している。NBCニュースドメイン内のページにある、これらのバーティカルサイトには現在、月間合計で約1500万人のユニークユーザーが存在し、初年に記録した800万人の2倍になったと、広報担当者は言う。さらに、シミラーウェブ(Similar Web)によると、NBCニュースのWebサイトは7月、6700万人のユニークユーザー数を記録したということだ。

この成長は、アウトプットの量が増えたことが一因だ。これらのバーティカルサイトは、初年に1月当たり150のコンテンツを投入していたのに対し、現在は、約200のコンテンツを提供している。さらに、バーティカルサイトが常連客を作ったこともその一因だ。バーティカルサイトのニュースレターの開封率はNBCニュースが配信するあらゆるもののなかでもっとも高い。たとえば、同局のシンクの週刊ニュースレターでは、今年、開封率が平均で40%、クリックスルー率が25%であったと広報担当者は述べている。

「オーディエンスの増加という面では、まさに大きな成功を収めたと思う」と、NBCニュースデジタル(NBC News Digital)で編集長を務めるキャサリン・キム氏は言う。「私たちは、顧客との関係性においてこのようにフィードバックのやり取りをする必要がある。私は、マックやベター、シンクがこの戦略を牽引してくれると考えている」。

さまざまな試みの狙い

NBCニュースは2年前にバーティカルサイトを発表して以来、バーティカルサイトを使用していくつかの試みを行ってきた。たとえば、ベターでは、顧客がなにもクリックする必要がなく同局のWebサイト上で費やす時間を増やすように設計されたWebサイトのデザイン変更を試験的に行った。この新しいデザインでは、バーティカルサイトが現在も売りにしているカスタムディスプレイも新しく取り入れられた。

それらの試験を行っていたため、NBCニュースは昨年、最終的にそのデザインをNBCニュースや系列会社MSNBCやトゥデイ(Today)に対し、スムーズに適用できた。しかし、成功を収めたコンテンツフォーマットや系列ブランドから得た知見は、バーティカルサイトにも反映されている。たとえば、ベターでは今年、商業向けコンテンツの提供を開始したが、これがトゥデイ・ショー(Today Show)のWebサイトでは昨年、7桁の収益源となった。

しかし、NBCブランドが焦点を置いているのは、テキストと動画の両方で、NBCニュースのオーディエンス全体に響く新しいコンテンツを見出すことにある。芸術や文化に関して執筆されたコンテンツ、特に音楽やテレビのレビューの成功が続いたことで、NBCニュースは芸術やエンターテイメントに関するニュースの報道を増やすようになったと、キム氏は言う。「シンクが批判を受けながらも成功したことを受けて、また、分析を行った結果、ニュース側としては、『ニュースイベントに対する反応に応えよう』という感じになった」と、キム氏は言う。「それがなければ、リル・ナズ・Xがビルボードチャートにおいて17週連続で1位に輝いたことを、我々が報じることはなかったと思う」。

姉妹ブランドで相互補完

このWebサイトは、姉妹ブランドが注目する機会も探し求めている。バーティカルサイトは毎月、もっとも閲覧されたコンテンツの分析を行う。特に注目するのは、主流から外れているにもかかわらず健闘しているコンテンツだ。期待しているのは、思いがけず成功したバーティカルコンテンツを継続的に別のコンテンツに作り替えていけるのではないかということだと、キム氏は言う。

これは、両者にとって効果的だ。「シンクは、ニュース側で同僚が毎日提供する秀逸な本物のジャーナリズムを常に促進・補完するように指示を出す」と、シンクの編集主任であるメレディス・ベネット・スミス氏は、電子メールに書いている。「意見やニュースの方向性を歪めないよう常に努めながら、私たちは、どのようなストーリーがオーディエンスの心に響くのか、より高い次元に編集できる余地があるのかどうか、どうすればNBCニュースの報道に付加的な文脈を加えるために意見や分析、エッセイを利用できるのかを解析するときに、ニュース側を貴重なリソースだと見ている」。

Max Willens(原文 / 訳:Conyac