インスタ・ストーリー、動画はなるべく「簡素」がベター?:ガーディアンのリサーチ結果

英紙ガーディアン(The Guardian)は、インスタグラム(Instagram)のストーリー(Stories)に関しては、控えめなほど効果が高いことを発見した。少なくとも、動画の洗練度についてはそうらしい。

ガーディアンは2カ月前に、インスタグラムのオーディエンスデータを一層きめ細かく追跡・分析しはじめ、どのフォーマットとトピックスを発展・進化させ、どれを廃止するべきかテストした。その結果、動画は静止画よりも多くの新規フォロワーを動かすが、インスタグラム向け、それも特にストーリー向けには、洗練された動画の制作に時間と資源を費やしても、それだけの価値がないことが明らかになった。

データを処理したところ、スタジオで台本やショットを用意して念入りに動画を制作し、プロが編集しても、その努力は報われないことがわかった(例:ガーディアンの司会者が毎日、性別による賃金格差に関するニュースについて最新情報を提供した短編動画シリーズ)。

「労力を要しすぎた」

「ROI(投資利益率)の割に労力を要しすぎた」と、ガーディアンのソーシャルプラットフォーム編集者代理のエレーニ・ステファノウ氏は話す。

代わりに、それほど労力を要しない投稿(ニュースのトピックスに関する静止画像や簡単な説明動画)を導入したところ、そのほうが人気が高かった。ガーディアンによると、こうした説明動画の平均視聴完了率は45%だが、正確な数字は明らかにしていない。

こうした説明動画は通常、約15枚のスライドで構成され、3月にメディアで話題となったロシアの元スパイ毒殺未遂事件のようなトピックスを掘り下げる。ガーディアンは現在、こうした説明動画を週に2本公開しており、数週間以内に本数を増やす計画を立てている。リピート視聴の獲得方法として今年導入された「フェイク・オア・フォー・リアル(Fake or for real?)」のような、インスタグラムのストーリー向けシリーズも続けていく。

「ガーディアンが現在公開しているのは、かなりインターネット文化的なニュース記事――BuzzFeedのスタイル――によく似た感じだ。言葉遣いや絵文字の使用、忠実度が低い多くのセット、ありとあらゆる背景の若手司会者の起用で、リーチしたいと考えている若いオーディエンスの共感をもっと呼びそうだ。ガーディアンは、感情面で人々ととても強い結びつきがあるパブリッシャーであり、ブランドだ」と語るのは、エージェンシー、ウィ・アー・ソーシャル(We Are Social)で編集長をつとめる チャーリー・コットレル氏だ。

インスタグラムの有効性

ガーディアンの5人体制のソーシャルメディアチームは現在、毎週顔を合わせて、その週のインスタグラムにおける指標についてあらゆることを話し合い、成功しているものと成功していないものを肌で感じ取っている。

インスタグラムは、トラフィックをウェブサイトに誘導したり、新規の読者にリーチしたりするのに役立つマーケティングプラットフォームであることが、すでにわかっている。ガーディアンの主要なインスタグラムアカウントは、この4カ月間に、フォロワー数が86万人から100万人に増えている。英王室の結婚に関するインスタグラムでの報道は、静止画像やインスタグラムのストーリー、その他の動画を組み合わせ、24時間以内に3000人以上のフォロワーを惹きつけた。そのうち80%は新規ユーザーだった。また、ガーディアンによると、同社のインスタグラムアカウントは一般に、1日に新規フォロワーが500~1000人増えているという。「これは、グローバルなインスタグラムアカウントから誘導している平均トラフィックを反映している。平均トラフィックは一貫して、80%以上の新規ユーザーで構成されている」と、ステファノウ氏はいう。

Instagram

もちろん、最近は、曖昧なエンゲージメント指標では不十分だ。読者からの売り上げは、ガーディアンのビジネスモデルの屋台骨となっていることから、インスタグラムが有料会員登録を増やすのに役立つプラットフォームになりうるかどうかを把握することも、優先事項だ。「インスタグラムを利用して、ある時点で会員登録を増やせる方法を解明したい」と、ステファノウ氏は語る。

次のステップになるもの

検討するオプションには、インスタグラムの投稿へのCTA挿入が含まれているが、ガーディアンは、早まってそうすることには慎重だ。インスタグラムの動画や通常の投稿からのクリックスルー後に人々が主要なサイトで会員になっているかどうか、相関関係を証明するなど、もっと間接的な方法をその前に試す可能性のほうが高い。ただし、いまのところ、そういったことを測定するのは不可能だ。

「それが次のステップになる。何とかやってのけたのは、Googleアナリティクスや『オーファン(Ophan)』分析ソフトウェアからだとわかるすべてのリンクの追跡だ。ページにたどり着くオーディエンスの行動は確認できるが、コンバージョンの追跡は難しい。ページにアクセスした後の行動はわからない」と、ステファノウ氏は述べる。

「若いオーディエンスは、自由な環境で育ったので、ガーディアンとそうした関係を構築する場合には、コンテンツが自分にとって適切で重要でなければならない。大事なのは、オーディエンスとの関連性を築き、優れたジャーナリズムにはなぜ金を払うべきか理解するのを手助けすることだ。そうした関係作りを始めるには、オーディエンスにとってコンテンツが適切で重要でなければならない」と、コットレル氏は指摘する。

Jessica Davies(原文 / 訳:ガリレオ)