トップページの役割は終わっていない。パブリッシャーは、ダイレクトトラフィックを手にすることの利点を再発見している。男性向けファッション・カルチャー誌『GQ』(米版)にとって、トップページは優先事項であり、そのトラフィックは過去6カ月で20%も増加した。
「ここ数年は、あらゆるページがトップページになるという説が優勢だった」と、『GQ』の発行人兼最高売上責任者を務めるハワード・ミットマン氏は語る。「だが、ラグジュアリー広告向けのプレミアムな環境においては、依然としてプレミアムなポジショニングが重要だ。ただし、おそらく5年前はトップページがプレミアムなスペースだった。現在では戦略の一部となったが、それでもやはり重要な部分だ」。
トップページの役割は終わっていない。パブリッシャーは、ダイレクトトラフィックを手にすることの利点を再発見している。男性向けファッション・カルチャー誌『GQ』(米版)にとって、トップページは優先事項であり、そのトラフィックは過去6カ月で20%も増加した。
「ここ数年は、あらゆるページがトップページになるという説が優勢だった」と、『GQ』の発行人兼最高売上責任者を務めるハワード・ミットマン氏は語る。「だが、ラグジュアリー広告向けのプレミアムな環境においては、依然としてプレミアムなポジショニングが重要だ。ただし、おそらく5年前はトップページがプレミアムなスペースだった。現在では戦略の一部となったが、それでもやはり重要な部分だ」。
唯一の問題は、トップページへのダイレクトトラフィックが、検索およびソーシャル経由のものに比べると圧倒的に少ないことだ。トップページトラフィックは、20%増加したとはいえ、依然として全トラフィックのわずか5分の1にすぎない。全サイトトラフィックの増加はさらに大きいからだ。
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インターネット調査企業コムスコア(comScore)によると、『GQ』(米版)における、2016年前半の平均トラフィックは700万/月、これは前年比82%増だという。だが、伸び率が全トラフィックに及ばないとはいえ、同誌のトップページトラフィックが上昇したのは大きい。昨年はその前年と変わらない状態だったし、一昨年に至っては、その前年を下回っていたからだ。
本記事では、『GQ』が実施したトップページ強化の方法を紹介する。
スピード:『GQ』は1年前、ページロード時間を削減するために大がかりなデザイン見直しを実施し、80%の時間短縮に成功した。モバイルデバイス上の読者にとってはスピードが非常に重要なので、『GQ』は今年さらに対策を進めた。広告データ呼び出しなどの外部リクエストを3分の1削減し、画像の遅延読み込みを導入。モバイルデバイスに対応するレスポンシブ・デザインも採用した。これらの改善により、トップページのロード時間は、テスト段階で最大60%減少し、2.6秒となった。
デザイン:デジタル版オーディエンスのうち、半分以上がモバイルデバイスで記事を読んでいる。『GQ』は、記事にリーチしたオーディエンスをトップページに誘導したいと考えた。そのため、トップページへのリンクを埋め込んだ、記事ページ上部ナビゲーションバーのサイズを大きくした。「モバイルトップページは、サイト内の巡回を改めて促す重要な場になりうる」と、『GQ』のエグゼクティブデジタルディレクター、マイク・ホフマン氏は指摘する。
記事の量:『GQ』の記事数は前年比で36%増加している(1日に掲載する数は日によって変動し、具体的な数字は出せないという)。そのため、オーディエンスがトップページにアクセスしたとき、未読の記事を目にする可能性が高くなった。また、オーディエンスにとって読む時間に比較的余裕のある、夕方と週末に投稿する数を増やしてきた。
勢いを維持することを狙って、『GQ』は最近トップページのデザインを刷新した。新デザインでは、とくに反応のいいファッション記事に最適化して目立たせている。旧トップページは、昨今の多くのトップページと同様に、コンテンツが時系列順に流れるものだった。だが、新トップページには、記事が長くとどまるスポットが3つ用意されている。ヒーローイメージ、その下の「関連記事」、右サイドバーの一番上だ。
「昨今、トップページに注意を払わない方向に働く動機には事欠かない」と、ホフマン氏は語る。「それは我々の周囲にも同様にある。だが、もっとも忠実なオーディエンスの要求を満たすトップページを構築できるなら、それには大いに価値がある」。
Lucia Moses(原文 / 訳:ガリレオ)
Image from Thinkstock / Getty Images