Twitch でトーク番組を開始した、米科学娯楽サイトの狙い:人気ゲーム「フォーナイト」がテーマ

科学技術とエンターテイメント関連のパブリッシャーであるインバース(Inverse)が、Amazonの所有するライブストリーミング配信サービスのTwitch(ツイッチ)に乗り出す。ワシントン・ポスト(The Washington Post)やチェダー(Cheddar)、BuzzFeedなど、同サービスでニュース配信を行っているパブリッシャーはすでにいくつか存在する。そんななかインバースは、Twitchがもっとも得意とするゲーム分野での配信を行う。

同社はいま、社会的センセーションを巻き起こしているゲーム、フォートナイト(Fortnite)をテーマにした新しいトーク番組を開始。フォートナイトは現在約1億2500万人のプレイヤーを抱えており、6月にはおよそ3億1500万ドル(約350億円)もの収益を上げた。フォートナイトとのクロスオーバーには巨大な訴求力がある。Twitchでこれまで最大視聴者数を記録した配信は、プロゲーマーのNinjaがカナダ出身のラッパー、ドレイクとフォートナイトをプレイしつつ、ピザやフォートナイトについて話した配信だ。

新番組の内容と狙い

インバースが立ち上げる番組、「スクワッドアップ!(SquadUP!)」はプロゲーマーを呼ぶわけではない。インバースの動画音楽部長を務めるウェストン・グリーン氏と、動画製作者のジャスティン・ドッド氏がオーディエンスとゲームをプレイする。これは人気のポッドキャスト番組、「ビューティフル/アノニマス(Beautiful/Anonymous)」でホストのクリス・ゲサード氏が知らない人と話す番組と似た構成となっている。

グリーン氏は番組について、「ゲーマーのプレイを見るのはすごく楽しい。だが、それ以上に楽しいのは、世界中の人々とチームを組んで遊ぶときだ。だから我々は、どうやったらそれを番組にできるだろう? と考えたんだ」と語る。

「スクワッドアップ!」は、週に2回、2時間ずつライブ配信を行う。ほかのパブリッシャーと同様、インバースもまた動画制作コストの回収に取り組む必要がある。そこで同社は制作した動画の再利用を考えている。「スクワッドアップ!」の各放送を15分の動画に編集して、インバースのウェブサイトとYouTubeに投稿するのだ。

Twitchの可能性

ゲーム配信は、Twitch上の配信の大半を占めている。Twitchのトップには、フォロワーの多い配信者による、フォートナイトをはじめとするゲームのプレイ配信が表示されることが多い。Twitchによると、ゲーム以外にもニュースパブリッシャーのプロが制作したコンテンツやIRL(現実世界を配信すること)、ゲーム以外の長時間放送も多数のオーディエンスを獲得しつつあるという。

ゲームとそれに対するリアルタイムのコメントが主流となっているTwitchは、すべてのパブリッシャーがこぞってオーディエンスの獲得を狙うようなプラットフォームではない。だがインバースにとっては、科学やエンターテインメントに興味があり、Facebookをあまり利用しない若い層にリーチできるTwitchは狙う価値のある場所だ。

インバースで最高売上責任者(CRO)を務めるデイビッド・スピーゲル氏はTwitchについて、「YouTubeのように自然に見つけてもらえることもないし、Facebookのようなソーシャルグラフのある場所でもないから、より投資努力は必要になる」と指摘する。そのうえで「ライブストリーミングやゲームといった分野は、誰もが参入できるわけではない。そして若者はFacebookをかつてほど利用しなくなっている」と語った。

広告展開も視野に

Twitchに参入する利点はこれ以外にも、Twitch向けに動画を作るのに既存の社員の時間以外にリソースを投入する必要ないという点があげられる。それでいて収益を上げるチャンスはあるのだ。インバースは現在、ゲームのプラットフォームやハードウェア製造企業、食品や飲料品の広告主からスポンサーを集めようと働きかけている。それに加えて同社はTwitchの収益モデルにも参加し、Twitchが広告を販売してその収益をTwitchとインバースで分配する予定となっている。

Lucia Moses(原文 / 訳:SI Japan)