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Facebookニュース 、媒体社にとっての重要性は低いまま:「常に頭の中にあるようなものではない」

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来年初めにイギリスでFacebookニュース(Facebook News)がローンチされることになったが、すでに同サービスに参加しているアメリカのパブリッシャーの多くが、イギリスのパブリッシャーに伝えられる助言はシンプルなものだ。それは「Facebookからの報酬を享受するのは良いが、大きなトラフィックの増加は期待しない方が良い」というものだ。

12月1日火曜日、FacebookはESIメディア(ESI Media)、ガーディアン(The Guardian)、ハースト(Hearst)、コンデナスト(Condé Nast)などの選ばれたパブリッシャーの記事を人間の手でキュレーションしたプロダクトである「ニュース(News)」を1月に英国でローンチすることを正式に発表した。Facebookは今夏、ドイツとフランスを計画に含めた、Facebookニュースの海外進出を発表している。

米国でのサービスと同様に、参加する英国のパブリッシャーたちは、現在Facebook上で配信していないコンテンツを配信し、それに対してFacebookから直接報酬を受けることになる。期間は時として数年間にわたる予定だガーディアンの報道によると、最大規模の契約は年間数百万ポンド(数億円)の価格がつけられているという。そして米国と同様に、Facebookは参加パブリッシャーに対し、このプログラムに参加することで、コンテンツを目にするFacebookユーザーの数も増えると約束している。

しかし、今のところ参加しているほとんどのパブリッシャーにとって、この約束を保証するのはFacebookの言葉しかない。米国でFacebookニュースが開始されてから1年以上が経過したが、プログラム参加パブリッシャーのほとんどが、いまだにFacebookニュースのトラフィックとFacebookの全体的なリファーラル(参照)トラフィックを区別することはできない。また、これらを区別する初期のテスト結果によると、同サービスからのトラフィックはわずかであったことがわかっている。Facebookニュースはひとつの記事が得るトラフィックのうち一桁台前半のパーセントしか占めていない、と同プロダクトに詳しい情報筋は語った。

Facebookニュースのトラフィックをまだトラッキングできていない、あるパブリッシャーの情報筋は「(Facebookニュースは)私たちの頭に常にあるようなことではない」と述べた。

慎重になっているFacebook

新しいデジタル製品はどのようなものであれ、普及するには時間がかかる。CEOのマーク・ザッカーバーグ氏は2019年春に初めてFacebookニュースのコンセプトに言及したが、それ以来同プロダクトの展開には慎重になっている。昨年秋にローンチを発表した後の数カ月間は、一部のユーザーに限定してニュースを展開し、2020年4月にようやく完全公開した。6カ月後、Facebookは 「数百万人」が同プロダクトを利用していると述べたが、それ以上の詳細には言及しなかった。利用は今秋に拡大した、と広報担当者は11月30日に述べたが、詳細は明らかにしていない。

それ以来、Facebookは同サービスについてどのような統計を公表するかを慎重に選んでいる。この数カ月間、Facebookニュース経由でパブリッシャーたちが獲得するオーディエンスの95%がパブリッシャーにとって新規のものであり少しずつ増加していることを示す内部データをFacebookは引用してきた。

感覚的には、これは理解できる。Facebookユーザーは、自分のニュースフィードでフォローしていないパブリッシャーのコンテンツに遭遇する可能性が低い。そのため、Facebookニュースを活用するユーザーは、同プロダクトのキュレーションされた環境において、自分のニュースフィードよりももっと多様なパブリッシャーのコンテンツを目にするだろう。

オーディエンスはまだ少ない

しかし、何年にもわたり、さまざまな場面Facebook測定誤差の問題を起こしてきており、多くの参加企業たちはFacebookが口にする保証に対して警戒心を持って接している。

「(Facebookが述べている成果)が事実かどうかを検証する方法は我々にはない」と、Facebookニュースにコンテンツが掲載されている別のパブリッシャーの情報源は語った。

上述のデータで示されている95%という数字も、母数がどれだけ大きいのかは明らかにされていない。新しいユーザー行動の構築には時間がかかり、またFacebookニュースが表示できるのは、何百もの参加メディアによるコンテンツのごく一部にすぎない。

現在入手可能なデータによると、Facebookニュースのオーディエンスはまだ少ない。2人目の情報源によると、Facebookがサイトへもたらす参照トラフィックの割合は年間を通じてほぼ横ばいだったという。

コンテンツがFacebookニュースに掲載されている別のパブリッシャーの情報源によると、今年のFacebookからの参照トラフィックは過去数年と変わっていないという。「新しい成果をもたらすものは(Facebookニュースには)何もない」と述べた。

「私たちは現状を受け入れる」

しかし、参加パブリッシャーのほとんどは、こうした観客の増加を、(少ないものであるが)あくまでもメインではなくボーナス的な存在だと考えている。Facebookが、適切に制作された、事実に基づくジャーナリズムの価値を公式に認識し、プラットフォーム上に専用の場所を設立したこと自体にも意義がある。しかしそれを越えたところでは、コンテンツに対する直接的な報酬がFacebookニュースの最大の価値であり、それが継続することを切望している、と本稿の取材に応じたすべての情報源が述べた。

Facebookからの直接の報酬はそれだけでメディア企業を黒字にするには十分ではないが、プラットフォームとパブリッシャーの関係に重要な変化が起きていることを示している。特に、プラットフォームたちが独占禁止法の懸念に直面し続けているなかで、パブリッシャーたちはこの変化をさらに押し進めようと意欲的だ。

2番目の情報源は「誤解されると良くないので言うが、私たちは(Facebookニュースの現状)を受け入れる」と述べた。

[原文:‘Not something we think about’: Facebook News still a non-factor in publishers’ plans

MAX WILLENS(翻訳:塚本 紺、編集:長田真)